Time of repentance/2
激しい雨音が消え失せ、崇剛は春の穏やかな空気に包まれた。アールグレーの紅茶の香りに癒され、鳥のさえずりを聞く。
五月二日、月曜日。九時五十四分十一秒以降――
診療室へ行こうと、屋敷を歩き出すと、ラジュ天使がやってきた。必要がないはずなのに、瑠璃は起こされて診察に同席した。
しかし、恩田 元が改心することなく、怒って部屋から出て行ったあと――
ラジュ天使が言った、ナール天使が神殿へ呼び出す時の言葉です。
『神様からお前に伝えたいことがあんの』
その後、ラジュ天使が神殿へ行っても、呼び出しが間違っていた形跡はありません。
こちらの言葉は、神様から伝言を受けた――という意味になります。
しかしながら、ナールは天使ではないという仮説をもとに考えると、こちらの意味にもなります。
仲間から伝言を受けた――です。
つまり、神様とは自身のことを表している可能性が出てきます。
ですから、天使ではないという可能性から、神であるという可能性に変わり、そちらの可能性が35.38%――
従って、ラジュ天使から私は感想を聞かれた時、
『正直な方ですね』と言ったのです。
崇剛の頬を吹き抜けていた風は、春からいつの間にか秋の匂いへと変わっていた。
十月十九日、水曜日。十六時六分十二秒以降――
涼介と瞬に密かに別れを告げて、邪神界との戦場――旧聖堂へと歩き出した、崇剛は扉の前で、白いローブを着たダルレシアンに出会ったのだった。
ダルレシアンと話し始めてから、五番目の会話――
『ナールって天使から聞いたよ』
その後、ダルレシアンの守護天使はラジュ天使とカミエ天使だという話を聞きました。
ナール天使がダルレシアンに、私の詳細を話すのは不自然です。
従って、ナールは神であるという可能性が35.38%から上がり――57.89%――
戦闘開始後にナール天使の武器について話している会話のひとつです。
『大鎌って重たいし大きから、持ちっぱなしじゃ疲れちゃうじゃん? だから、いっつも神界に隠してあんの。で、手上げて引き寄せると、こうやって、持ち主の俺んとこに飛んでくんの』
次の言葉はラジュ天使でした。
『ナールならできるかもしれませんね〜?』
ダルレシアンのタロットカードは天国に置いてあると言っていました。
すなわち、霊界にです。
ナールが天使であれば、天界に隠している可能性が一番高いです。
ですが、神界と言いました。
従って、ナール天使は神であるという可能性が57.98%から上がり――68.75%――
その後、ナール天使は投げていた大鎌が敵に抑えらえ、手元に戻ってこなくなりました。
指を鳴らすと、手元へ戻ってきました。
シズキ天使が以下のように、ナール天使に聞きました。
『貴様さっきから、何と武器を交換して取り戻している?』
ナール天使は交換している事実を否定しませんでした。
戦いの最終局面では、リダルカ シュティッツの攻撃――大きな火の玉が頭上から落ちてきました。
指を鳴らした音がしました。
右から左へと、遠心力のようなものを感じました。
敵地へ火の玉が落ちてゆくのを見ました。
通常では使えない力を使っているみたいでした。
従って、ナールは神であるという可能性が68.75%から上がり――82.91%――
82.00%――を超えました。
ですから、ナール天使の力の正体を調べることにしたのです。
関係すると思われるものが出てきました。




