表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明智さんちの旦那さんたちR  作者: 明智 颯茄
水色桔梗ラジオ 電撃報告
435/962

特別ゲスト その二

 陽気な音楽が鳴り出すと、女の声が流れてきた。


「みなさん、水色桔梗ラジオです。前回からすぐに見えますが、書き溜めていた小説を公開する毎日を送って、なんと前回から一年が経ちそうになっています。今日は十二月の十日です」


 一呼吸置いて、颯茄は隣にいる人をチラッと見た。


「実はですね。その間に、配偶者が新しく増えました。それでは紹介です。雅威あいさんです」

「どうも、初めまして」

「緊張してますか?」

「そうだな。こういうことには慣れてないからな」

「馴れ初めはですね。私が燿さんに、『誰か好きな人はいないの?』と聞いたら、のんびりと『いる』と答えたので、それは是非とも家に招待しなければ、ということでご対面となったんです」


 原稿をめくって、颯茄は雅威に視線を送る。


「燿さんとはどういう関係だったんでしたっけ?」

「燿とは会社の同僚だ」

「ということは、雅威さんも建築家ということですね?」

「そうだ」


 颯茄は少しだけ笑う。


「家の前にはいつも報道関係の記者たちが待ち構えているので、引っ越しはみんなの瞬間移動を使って、極秘にやってしまい、雅威さんも出会ったら日からそんなにかからず、一緒に住み始めましたよね?」

「確か一週間ぐらいだったと思う」

「そうなんです。で、ここで問題がひとつ。ちょうどこの時期に、光さんのコンサートツアー真っ最中で終わるまでは結婚式は挙げられないということで、コンサートの千秋楽の翌日に式を上げました。この時が十月三日」

「あの混雑はさすがにすごかった」

「それはそうですよ。コンサートツアーの間、結婚の『け』の字も出してなかったのに、結婚式挙げちゃったわけですから、ファンならずたくさんの人が驚いたという、事務所の戦略通りになったわけです」

「そうやって決まるんだな、結婚する日取りは」

「うちは芸能人が私を含め三人いるので、申し訳ないのですが、アーティスト活動の人気取りのために色々と日付が前後することがあります」


 普通とは違う明智家だった。


「どうですか? 結婚してこの家にきて」

「いいところだな。燿のそばにもいれるし、子供たちも可愛い」

「それは何よりです。燿さんは雅威さんと結婚する前までは、私のそばによくきていたのですが、結婚してからはピタリとこなくなりました。雅威さんのところに行ってるんですね?」

「そうだな。確かに俺のところにいつもいる」

「それほど、燿さんも雅威さんを好きだったということです」


 音楽が小さく流れ始めた。


「それではそろそろお時間です。これからは旦那十二人でやっていきます!」


 音楽が一旦大きくなり、幕切れというように小さくなっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ