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神命を担う者 ~紅瞳の探究者~  作者: 甘路
第1章 叡智の破片
3/12

半齢の儀

動物たちは皆巣に帰って行く


大地を照らしていた太陽は沈み、月が登る


村の外では魔物たちが活動を始める。


そして半齢の儀もまた始まろうとしていた。


半齢の儀ではゴーラさんのように教会に所属している人が派遣される。 教会は国の管轄下にあり学園の教師や教会の牧師などは公務員にあたるため教会から選出される候補者が選出される。それにしても…


ーー凄く綺麗だ。



僕の立っている地面には世界樹の模様が描かれていて、その周りには緑光石と呼ばれる緑色に光る石が7つ置いてあり


緑光石は暗闇の中に柔らかい光を生み出す事で幻想的な雰囲気を作っている。


ちなみに半齢の儀は村全体で祝う成人の儀とは違って凄く小規模な儀だ。なので儀式はそう難しくない。


やり方はまず、自分の血を7滴 世界樹の模様の枝の先端部分に垂らす。


その後に根の部分に魔力を少しだけ流す。

その後は【叡智の記憶】という本の一部を読むだけで


僕はゴーラさんに教えてもらった手順通りに儀式を進めていく。血を垂らし。根に魔力を流す。血は蕾を、魔力は水を表すらしい。


さあ、後は誓約を唱えるだけだ。

いざとなると緊張してくる。

体がそわそわして胸が熱くなる。心臓がいつもより速く動いている。



ーーさあ。



ーー大人への第一歩だ!


僕は誓約を唱える。

神に誓い契約を結ぶ。



「我らを導く叡智の神よ。



その叡智を持って我に光を与えたまえ



この世の理は我にあらず



この世の罪は我にあり



古より繋ぎし我らの罪



シャルロット・ワイトの名の下に



半月の罪を担うことをここに誓う。」



詠み終えると、世界樹は根から(魔力)を吸い上げ枝の先に垂らした()が花を咲かせる。


しかし美しさとは儚いもので永くは続かない。


次第に花は枯れていき残ったのは世界樹だけだった。



「無事完了したみたいだね!お疲れ様!」


「あ、ありがとう ゴーラさん

それで、僕の能力はなんだったんですか?」


僕は待ちきれずにゴーラさんへ問う。



「ああ、君の一つ目の能力は…














未来視だ。」






【未来視】…あまりピンとこないけど、どんな能力なんだろう。

「ゴーラさん,どういった能力なんでしょうか?」


「わからないんだ、能力の中身までは、実際に使わないと、名前からすると占い師みたいなものかもしれない」


占い師…

占い師か…

はぁ…

戦闘系能力じゃなかったのか、

二つ目に期待するしかないね。

でも天気とかを占ったら母さんのことを手伝えるしいいかもしれない!それに今まで未来視なんて能力は発見されてないから色々な使い道がありそうだ!


「今日はありがとうございました。帰って母さんに報告したいと思います。」


「ああ,何かわかったら連絡してよ、梟に家を覚えさせたから呼笛を吹けば行くと思うから…これ渡しとくね」


「ペンと便箋ですか?」


「うん、プレゼントとして受け取ってくれると嬉しい。困った時はこれに書いて梟に運ばさせてくれ」


「わかりました!何から何までありがとうございました」


というと、ゴーラさんは軽く頷き馬車で帰っていった。



あっ、お父さんのこと聞き忘れた。

――――――――――――――――――――――――



「ただいま〜」



「おかえりなさい シャル 能力は貰えた?」


「うん、それが…未来視だって」


僕は少し声の調子を下げて言う。


「未来視…聞いたことがないわね

とりあえず夕食をとりながら話しましょ」


僕と母さんは席に座ると話しを再開した。


「未来視なんて言うから、やっぱり占いとかかしら」


「ゴーラさんにもそう言われた…」


「そう、でもいいじゃない、未発見の能力なんだから凄い能力かもしれないわよ?」


なんて言うんだろう。占いはたしかに便利だけどっ!

なにかが足りない…そう浪漫がない!


「そうだといいけど…」


「もう!落ち込み過ぎよシャルったら

今日はシャルの大好きな果実水を用意したから機嫌直して?ね? 今入れるわね」


そう言うと母さんは席を立ちグラスに果実水を入れる。そしてこっちにグラスを持ってくる。


ーーその時だった。


母さんの手が滑りグラスを落とす。

あれ?割れる音がしない?



「そう、でもいいじゃない、未発見の能力なんだから凄い能力かもしれないわよ?」



ん?

さっきも聞いた気がする…




「もう!落ち込み過ぎよシャルったら

今日はシャルの大好きな果実水を用意したから機嫌直して?ね? 今入れるわね」



やっぱり…

この光景は一度見た事がある…

てことは、この後母さんはグラスを落とす!


案の定、母さんは手を滑らせ、持ち手の居なくなったグラスは落下する。


来たッ


僕はこの光景を一度見た、つまり僕の能力の未来視によるものだ。落ちる場所はわかってる。

ならそこに体を滑り込ませるだけでいい…


僕は間一髪のところでグラスを掴むことに成功する。

冷たい…振動でグラスが揺れて果実水が手にかかる。


「と、取れた…」


母さんは僕の顔を見て目を見開く。


「シャル…あなたその瞳…」


「え…瞳?」

僕はてっきり動きの事に驚いたのかと思ったのだが。

母さんが鏡を持ってくる。どうやら見ろと言う事らしい。


「はあ?!」

そこには赤い眼光を放つ僕が写っていた。


「シャル…もしかして 」


「うん、多分…【未来視】の影響かも」

























短くてすいません

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