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叡智の破片の記憶〜1〜
日が沈み、辺りが暗くなる
動物たちは活動をやめ巣に戻る
魔物たちから
我が子を守るために
魔物たちは活動を始める
我が子を生かすために
動物たちを糧として
太古の昔
全ての生命は悪も善も変わらず生きる権利があった
それは、種として 個として
人間もかつては同じだった
自然と共存し、言語などなくても人との繋がりは確かにあった
しかしそれは永遠に続くことはなかった
個が生きるために村を作り
村はやがて国になる
そして種として生きていく
国民という種として
人間という枠組みを捨て己の国民だけを種とした
そして国は争いあい 大地は荒れ 海は汚れた
そして人は目を背けた。あらゆるものから
やがて人は種として生きて行くことをやめ
個として生きて行くことを選んだ
そして人は他種を滅ぼし強大な力を得た
そんな時、世界は新しい種を産んだ
【調停者】を
彼らはそれまで存在しなかった【叡智の破片】を持ち
人を殺し尽くした
【調停者】として
そして世界は再び人を産んだ