第二百八十七章 無人宇宙ステーション
ある日、陽子は軍の司令官から、「特殊部隊が任務遂行中、突然連絡が途絶え、音信不通になった。」と連絡があり、X連合の残党が作った人工生命体の説明をされました。
陽子は、「精鋭隊員を抜擢した特殊部隊が音信不通になるのは、それほど凶暴で危険な生命体なのですか?」と不安そうでした。
司令官は、「生き残ったX連合の残党に確認しましたが、DNAを操作して生み出した事だけしか知らず、生命体の詳しい事は知らされていなかったらしい。科学者も全員殺されている為に、それは全くの未知数ですが、特殊部隊からの連絡が途絶えた事を考慮すれば、そう考えざるを得ないだろう。対応可能な隊員は陽子さんしかいない。念の為に地球にいる渚隊員にも緊急呼び出しを掛けて、フジコさんにも協力を依頼しました。三人で対応せよ。その生命体が宇宙へ飛び出す事を何としても阻止しなければならない。それと特殊部隊の隊員が生存していれば、救出する事も重要な任務だ。」と返答しました。
陽子は、「軍が準備した装備の中に防毒マスクがありますが、人工生命体は有毒ガスを吐き出す可能性があるのですか?それと何故そんな危険な場所にフジコさんも同行するのですか?」と司令官の真意が掴めない様子でした。
司令官は、「防毒マスクについては、その可能性もあるが、人工生命体の種類、数、大きさ、色、形、移動方法など全てが未知数です。バクテリアを作った可能性もあります。人工生命体は必ずしも目に見えるとは限りません。その為に、フジコさんに協力を依頼しました。目に見えない生命体をフジコさんに対応して頂きます。」と返答しました。
陽子は、「軍にはバクテリアなどの微生物に対応可能な隊員もいるのではないですか?何故その隊員ではなく、フジコさんなのですか?」とまだ納得できてない様子でした。
司令官は、「確かにその訓練を受けている隊員はいる。特殊部隊員にもな。でも対応できなかったのか微生物は存在しなかったのかは不明だが音信不通になっている。しかし軍の隊員は微生物に対応可能なように訓練しているが、保護色や体を透明にしたとも考えられます。フジコさんに依頼したのは、微生物は勿論、それ以外の目に見えない生命体についての対処をお願いした。ここまで対応可能な隊員はテレジア軍にはいない。知識人になります。チームワークを考えると、フジコさんしかいませんでした。」と説明しました。
陽子は、「解りました。移動は軍の戦艦で移動するのですか?」と納得した様子でした。
司令官は、「何が、”解りました。”ですか。そのような質問が出て来るとは、まだ完全に理解できてないようですね。今回は宇宙空間で交戦状態になる事はないと思われます。分析力が重要になる為に、移動はフジコさんの大型探査艦で移動せよ。何か分析が必要になれば、フジコさんが意思波で大型探査艦を操作して分析する事になっています。」と補足説明しました。
渚と陽子とフジコは、「X連合の残党も、とんでもない物を作ったわね。でも戦艦などではなく何故人工生命体なのかしら。」と不思議そうでした。
陽子は、「司令官の説明では、科学力ではテレジア星に敵わなかった為に、テレジア星人に対抗可能なように、DNAを操作して人工生命体を生み出し、テレジア星に送り込み混乱している時に、総攻撃しようとしていたらしいです。」と説明しました。
渚が、「その人工生命体に自分達がやられたのね。自業自得ね。」と人工生命体を知り尽くしている作成者もやられるとは油断できないと緊張していました。
フジコは、「X連合の残党のバリアを破っている為に、下手に捕獲すれば、私達もX連合の残党と同じ運命を辿る可能性があるわ。確実に抹殺するようにと司令官から指示を受けました。」などと人工生命体について話し合いながら、大型探査艦でX連合の残党の宇宙ステーションに向かいました。
到着後フジコは、「突然転送で乗り込むのは危険です。小型探査艇で確認しながら発着口から乗り込みましょう。」と接近して確認しながら乗り込みました。
陽子は、「渚、エネルギーの予備は充分あるので、光線銃の威力を最大にして。物陰に隠れている可能性もあるので透視力をフルに活用するのよ。手を抜くと反対に私達がやられる可能性があるわよ。」と警告しました。
フジコは、「私は大気の成分や動きなどを常時監視しなければいけない為に、端末モニターから目を離せません。私は周囲の確認をしていないので、私の事も守ってね。」と依頼しました。
陽子は、「私達二人が全力で守りますから、目に見えない生命体の対応を、お願いします。」とフジコに頼っていました。
陽子が、「行くわよ。」と三人で捜索を始めました。
暫く進むと陽子が、「特殊部隊員が倒れています。フジコさん、生死の確認を、お願いします。」と指示しました。
フジコが調べて、「残念ですが既に亡くなっています。何か太い針のような物で刺された後があり、猛毒反応があります。」と調査結果を報告しました。
陽子が司令官に、「特殊部隊員一名確認、フジコさんが死亡を確認しました。」と報告しました。
司令官は、「最悪の事態になり残念です。感染する病原菌なのかどうか調べる時間もないでしょう。その可能性を考慮し、死体に触らないようにして下さい。これで、その宇宙ステーションには、特殊部隊員の生命を奪う何かが存在する事が明確になった。充分注意して捜索続行せよ。」と指示しました。
再び三人で捜索していると陽子が、「一寸待って!今この先で何か動いたわ!」と注意を促しました。
フジコが、「換気扇などの動作は確認できませんが、五十メートル前方で微妙な大気の流れを感知したわ。何かいる。テレジア星人ではなく、データーベースで確認しましたが、該当なしです。私達の知っている生命体ではない未知の生命体です。」と分析結果を報告しました。
陽子が、「という事は特殊部隊員ではないのね。渚、今度何かが動けば直ぐに光線銃を最大威力で発射して!発射を躊躇うと、先程の特殊隊員と同じ運命を辿る可能性があるわよ。」と前方に注意しながら進むと後方が不注意になりました。
フジコが、「後!」と叫んだので振り返ると体長一メートル程のサソリが宙を飛びながら襲って来ました。
フジコが叫んだ為に、陽子達は光線銃で全て抹殺しました。
フジコは、「地球のサソリを大型化して空を飛べるように改造した可能性があります。人工生命体を全て抹殺した後で調べてみます。」と更に奥へと進んで行きました。
フジコが、「一寸待って。先程大気の動きを感知したのは、この近くよ。」と警告しました。
陽子も、「何か動いたのを見たのも、この近くよ。」と周辺に警戒していました。
フジコが、「今は大気の流れを確認できないわ。」と大気の分析をしていました。
渚が、「何処かへ移動し、この近くにはいないの?確かにサソリらしき物は透視でも確認できないわ。」と警戒していました。
フジコは、「静止しているだけかもしれないわよ。それに人工生命体は一種類だとは限らないわ。渚ちゃん、油断大敵よ。先程は間違いなくこの近くに何かがいたのよ。移動した事を考慮すると、生命体の可能性が高いわ。陽子さんに見えたのだから、目に見える生命体よ。」と警告しました。
陽子が、「一寸、そこの角を曲がった天井に巨大な蜘蛛が貼り付いている。あれは毒蜘蛛よ。」と警告しました。
渚が、「私、蜘蛛駄目なの。あんな大きな蜘蛛見たら体が動かない!」と怯えていました。
フジコが、「仕方ないわね。光線銃貸して。私が撃つから。でも蜘蛛の糸に絡まれたら陽子さん、助けてね。」と蜘蛛のいる方へ行きました。
陽子は、”どうしよう。私も体が動かない。”とフジコの後を付いて行きました。
フジコが蜘蛛を射殺した為に、陽子はホッとしました。
渚が、「死んだ蜘蛛でも近くにいたら駄目なの。早く次へ行きましょう。」と更に奥へと進んで行きました。
渚は奥に進みながら、「X連合の残党だという事は、X星人なのよね?それが何故地球の生物を改造しているの?丸で宇宙怪獣じゃないの。」と不思議そうでした。
フジコは、「渚ちゃんは、蜘蛛が駄目なのね。でも、その正体は知っているでしょう?X星の、そのような生物については知らないでしょう?つまり正体不明よね。X星人も同様なのよ。地球のサソリだとか毒蜘蛛は、正体不明の生物なのよ。以前地球を攻めた時に、そのサンプルを入手して人工生命体の研究を始めたのだと思います。正体不明の生物を巨大化してテレジア星に送り込もうとしたようね。」と渚の疑問に答えました。
渚は、「フジコさん、蜘蛛は平気なの?」と不思議そうでした。
フジコは、「渚ちゃん医者でしょう?解らないの?蜘蛛が駄目なのは遺伝なのよ。つまり大昔地球の原始時代に生きていた原始人は勿論草食動物だけれども、肉食生物が天敵だった筈よ。でもトラやライオンなどは、木に登れば襲われずに済むけれども、蜘蛛や蛇は地上だけではなく、木の上にもいるわ。つまり何処にでもいる可能性があり、安全に逃げられる場所がなかった為に、天敵だった筈なのよ。だから地球人は、蜘蛛の他に蛇も駄目な人もいると思うわよ。私は地球人ではないので平気ですが、テレジア星のそのような生物で、駄目な生物はいるから、渚ちゃんの気持ちは良く解るわ。」と説明しました。
暫く進むとドアがあり陽子が、「テレジア星人を意識して作られたらしく、部屋の中を透視できない。入って確認するしかないわ。」と入ろうとしていました。
フジコが、「部屋の中は通路と違い狭いと考えられます。人工生命体に襲われると避ける時間がないかもしれないわ。充分注意して。」と警告しました。
陽子と渚が銃を構えて部屋へ入ると、モミジがベッドに寝かされていたので驚いて、「モミジさん!」と三人とも駆け寄ると背後から、「あなた方は誰なの?何しに来たの?」と言われた為に驚いて銃を構えて振り返りました。
次回投稿予定日は、7月30日です。




