第二百八十三章 フジコ、人質になる
凶悪犯は、軍隊の包囲網を突破しようと巧みにジグザク飛行していて、下手に攻撃すると、反対側にいる軍隊の艦艇に命中する
可能性もあり、攻撃も困難な状態でした。
ついに凶悪犯は軍隊の包囲網を突破したので渚が追跡しようとしていました。
陽子が、「渚、相手が悪いわ。私の艦はアヤメさんとフジコさんと私のベストメンバーなので任せて!」と追跡しました。
渚は、「凶悪犯の高速艇には宇宙戦艦では追いつけないわ。軍隊の艦隊も破壊力と防御だけは強力ですが、丸で戦車のように遅
いので追いつけないわ。結局、スポーツカーのような高速艇には、母ちゃんと私の大型特別艦しか追いつけないのよ。」と相手
が悪いので陽子の事を心配していました。
サクラとモミジが、「ベストメンバーとまでは行きませんが、私達が協力するのでスクリーンを下ろして!転送で乗り込むから
。」と協力を申し出ました。
渚の艦にサクラとモミジが乗り込み、近藤刑事に説明する為にマーガレットも乗り込み、凶悪犯を追跡しました。
追跡しながら陽子は、「渚!相手は凶悪犯よ、転送で乗り込まれないようにスクリーン最大にしておくのよ。コスモス、あなた
だけ地球に置き去りにして悪かったけれども、凶悪犯は逃亡する寸前に、高速艇を無人で発信させて他の艦に乗り移った可能性
も否定できないので、自分の艦を徹底的にスキャンして調査しておくのよ。もし何かあれば一個連隊地球に残して来たので助け
を求めるのよ。隊員にはコスモスの事を頼んでおきましたからね。隊員達も自分の艦をスキャンしているので、大丈夫だったら
一個連隊と一緒に私達の後を追って来なさい。地球は菊子に調べさせています。」と指示しました。
凶悪犯を追跡中、近藤刑事はマーガレットに、「先程、渚さんから、宇宙人の存在を信用しなければ説明しても無駄だと言われ
ました。私はUFOに吸い込まれて、そのUFOは渚さんが指揮を取っていました。確かに宇宙人は信用していなかったのです
が、私の体が宙に浮いたし、どう考えてもトリックだとは考えられない。”百聞は一見にしかず”です。信用せざるを得ないで
しょう。」と宇宙人を信用するので説明を期待しました。
渚は凶悪犯を追跡していた為に、マーガレットがテレジア星人の事や、今、何をしているのか等について説明しました。
渚は、まだ凶悪犯に追いついていなかった為に、「近藤さん、補足説明をすると、マーガレットさんが今回、刑事の職業を選ん
だのは、事件はタイムマシンを使えば直ぐに真相が解るので、捜査と称してサボる為なのよ。」と凄腕刑事の種明かしをしまし
た。
近藤刑事は、「だからいつも単独行動だったのか。」と納得していました。
マーガレットが、「渚!余計な事を説明しなくても良いの!」と焦りました。
渚は、「ここまで説明していたのだから、黙っていても、何れバレるわよ。」と返答しました。
近藤刑事が、「ひょっとすれば、今後、私はマーガレット刑事とチームを組めば、私も凄腕刑事になるのかな?」と呟いていま
した。
渚は、「チームを組まなくても、誰かさんがタイムマシンで真相を調べてくれるので、凄腕刑事の仲間入りよ。」と助言しまし
た。
近藤刑事が、「しかし、今は伝説となっている、あのオリンピック柔道の決勝戦の試合が、あなた方二人の事だったとは驚きま
した。寿命が長いのは良いですね。」と羨ましそうでした。
マーガレットが、「私は、近藤刑事の孫より長生きします。その頃に、昔、府警本部に近藤という間抜けな刑事がいて、管轄外
の琵琶湖にまで来て捜査していたと説明しておくわね。」と笑っていました。
近藤刑事は、「僕は、これから凄腕刑事になるので、昔、府警本部に伝説の名刑事のような凄腕の刑事がいたと説明してくれよ
。」と頼んでいました。
マーガレットは、「その伝説の名刑事は、渚ちゃんの伯母さんよ。義理だけれどもね。」と説明したので驚いていました。
近藤刑事が、「あっ!星が急に少なくなった。宇宙の果てにきてしまったのか?」と何故星が急に少なくなったのか理解できな
い様子でした。
マーガレットは、「違うわよ。銀河系を出たから星が少なくなったのよ。宇宙はそんなに小さくないわよ。宇宙に果てなんてな
いわよ。宇宙の果てと言うより銀河系宇宙の果てね。」と説明しました。
やがて、凶悪犯の高速艇に追いつき、牽引光線で引き寄せようとしましたが、巧みに躱されました。
渚が、「大型特別艦では小回りが利かない。艦載機を発進させるわ。」と提案しました。
フジコが、「渚ちゃん、駄目よ!相手が悪いわ。艦載機が発進する時にスクリーンを下ろすので、その一瞬に乗り込まれるわよ
。以前海坊主の大型艦に同じ方法でコスモスちゃんが乗り移ったでしょう?」と忠告しました。
渚が、「今になって考えると、あの時は転送ではなく小型UFOで乗り込んだけれども何か理由があったの?」と以前の事を思
い出していました。
フジコは、「海坊主の大型戦艦は特殊なスクリーンを使用していて、スクリーンを下ろしても、転送できないようになっていた
事が設計図から読み取れたからよ。大型特別艦も同じ事ができるけれども、相手が相手なので、念の為にフルスクリーンにして
おいた方が安全よ。改造している可能性もあるのでね。」と油断しないように忠告しました。
マーガレットが、「そう言えば、フジコさんはアンドロメダ星雲から銀河系まで一瞬にして移動する事を可能にしたと聞きまし
たが、今回は何故その方法を使わなかったのですか?」と不思議そうでした。
フジコは、「あんなに高速でジグザク飛行していれば、移動先を固定できないからよ。エネルギーの消費が多いので何回も使え
ないのでね。」と返答しました。
アヤメが、「しかし、このままでは、どうにもならない。」とイライラしていました。
フジコが、「今、エネルギーの消費が多いから私が開発した方法を使わなかったと言ったでしょう!」とヒントを与えました。
アヤメが、「それとどういう関係があるのだ?」と何も理解できていませんでした。
フジコが、「相変わらず女神ちゃんは、何も解ってないのね。エネルギーの消費を抑えるのは、相手のエネルギーがなくなるの
を待っているのよ。その頃には、軍隊の一個連隊も追いつくでしょう。」と返答しました。
サクラが、「女神ちゃんは、こういう作戦は苦手よね。でも相手のエネルギーが切れれば女神ちゃんの出番よ。」と落ち着くよ
うに指示しました。
コスモスが、「それはどうかしら?接近戦では陽子さんには手も足も出なかったのでしょう?今回母ちゃんの出番はないと思う
わよ。」と予想しました。
フジコが、「コスモスちゃん、そんな事を言ったら女神ちゃんがプッツンして無茶するでしょう。女神ちゃん、心配しなくても
大丈夫ですよ。出番はありますからね。接近戦と言っても取っ組み合いでは陽子さんに敵わなかっただけでしょう?光線銃など
の武器で銃撃戦となれば、女神ちゃんに敵う者はいないからね。その時は頼りにしていますよ。」と焦っているアヤメを宥めま
した。
ついに凶悪犯の高速艇のエネルギーが切れて、一個連隊と陽子とアヤメが高速艇に乗り込み激しい銃撃戦になり、追い詰めたと
思いましたが、凶悪犯の姿は何処にもありませんでした。
次の瞬間、凶悪犯から通信があり、「フジコを人質に取った!この大型特別艦は凄いな。貰っていくぜ。尾行すればフジコの命
はないぞ!」と逃げられました。
陽子とアヤメは渚の艦に乗り移り、気付かれないように追跡しながら軍に、「フジコさんを人質に取られ大型特別艦を奪われま
した。現在気付かれないように追跡しています。」と報告しました。
軍は、「大型特別艦の探査力は強力です。追跡すればフジコさんが危険です。追跡を中止しテレジア星に帰還せよ。」と指示が
ありました。
陽子は、「渚、ここは銀河系の外なので、後はテレジア星に任せて、あなた方は地球へ戻りなさい。」とテレジア星に帰還して
行きました。
陽子はテレジア星に帰還して軍の司令官に何故追跡を中止させたのか確認しました。
司令官は、「大型特別艦の探査力は強力だと説明した筈です。下手に説明すると犯人に通信を傍受され、知られる可能性があっ
た為に、取敢えず帰還させました。大型特別艦は、制御を三つに分ける事が可能ですが、それ以外に補助動力の制御を別にでき
るようになっています。フジコさんが犯人に気付かれないように、非常用補助通信装置を使用して、現在位置と犯人の様子など
を随時知らせてくれています。暫く様子を見てチャンスを待ちましょう。相手は凶悪犯の上、頭も良いので特別チームの編成を
検討中ですが、一つだけ解らない事があります。何故フジコさんほどの人が、大型特別艦に簡単に侵入されたのかが不明です。
フジコさんは以前、問題を起こして刑務所に服役していましたが、まだ何かあるのではないですか?もし凶悪犯の共犯であれば
、フジコさんからの通信内容も信用できません。」と返答しました。
陽子と一緒に帰還したモミジが、「フジコさんは充分反省していました。出所後、女神ちゃんじゃなかった、アヤメとも上手く
行っていたので、それはないと確信しています。確かにフジコさん一人の時に大型特別艦に侵入されていますが、何か別に理由
があると思います。ねえ、女神ちゃんもそう思うでしょう?あれっ?女神ちゃんは何処?」とアヤメを捜していました。
司令官が、「女神ちゃんで解りますよ。アヤメさんは、”私は軍人ではないので、これで失礼します。”と先程帰りました。」
と説明しました。
次回投稿予定日は、7月17日です。




