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第二百八十一章 渚、近藤刑事と出会う

ある日、渚が出勤すると、芹沢外科医院の前で蹲っている若い女性がいたので声を掛けました。

彼女は、「急に息苦しくなって来た。」と苦しそうでした。

渚は呼吸器系の疾患の可能性があると判断し、芹沢外科医院に入れて、透視で確認するとエスベック病の自覚症状でした。

渚は、「ご家族に連絡するので、電話番号と名前を教えて下さい。」と彼女の身内に連絡しようとしました。

彼女は、「両親は亡くなり、兄が親代わりです。私は近藤夏子です。」と自己紹介しました。

連絡先を聞くと、マーガレットと同じ職場の近藤刑事でした。

渚が府警本部に連絡すると、「近藤は今、外出しています。捜査中ですので、携帯への電話はご遠慮下さい。」と告げられました。

夏子が苦しいと訴えた為に、検査すると彼女はスポーツ選手らしく、内臓は心配したほど弱っていなかった為に、このままだと窒息する。今ならまだ間に合うと判断し、エスベック病の緊急手術をしました。

捜査を終わらせて府警本部に戻った近藤刑事は、話を聞いて芹沢外科医院に電話すると、緊急でしたので、本人の了解で手術したと聞いて、”死亡率百パーセントのエスベック病の手術をするとはどういう事だ!”と芹沢外科医院に急ぎました。

妹、夏子の病室を訪ねた近藤刑事は妹から、「手術で呼吸が今までに比べて楽になりました。何故、手術すれば直る病気だと教えてくれなかったの?私が、スポーツ選手なのがそんなに気に入らないの?私はお兄ちゃんの人形じゃないのよ。何故お淑やかにしなければならないのよ!お兄ちゃんの意地悪!大嫌い!」と嫌われて、嬉しいやら悲しいやら複雑な心境で執刀医の渚の説明を聞きに院長室へ行きました。

近藤刑事は、「妹の夏子はエスベック病ですよ!今楽になっても、直ぐに息苦しくなる事は目に見えている!夏子をぬか喜びさせないでくれ!」と渚に迫りました。

渚は、「暫く経過を見ないと何とも言えませんが、恐らくエスベック病は治っていると思います。近藤さんの話は再度エスベック病の症状が現れた時に聞きます。」と相手にしませんでした。

近藤刑事は、「死亡率百パーセントの難病ですよ。そんな事は信じられない。」と怒っていました。

渚は、「お兄さまが治ると信じなくてどうするのですか!そんなに妹を殺したいのですか?」と迫りました。

近藤刑事は、「解った。エスベック病の症状が現れた時に再度くるからな!その時は只では済まないから覚悟しておけよ!」と怒って帰りました。

数ヶ月後、夏子はエスベック病の症状も出ずに退院したので驚いた近藤刑事は、以前、夏子を診察した大学病院に連れて行き相談しました。

検査結果をみて医師は、「そんな馬鹿な!信じられない。エスベック病の痕跡がない。完全に治っている。何処の病院に行かれましたか?」と信じられない様子でした。

芹沢外科医院だと告げると医師は、「あの病院は、浮浪者ややくざ者しか相手にしない質の悪い病院ですよ。冗談も休み休み言いなさい。」と信じてもらえませんでした。

どうにも納得のできない近藤刑事は、渚の自宅を訪ねると同僚のマーガレットが応対した為に驚いて理由を聞きました。

マーガレットは、「渚は私の妹です。」と渚との関係を伝えて、娘だったかしら?色々とあったので忘れたわ思っていました。

「渚さんは何処へ行かれたのですか?」と渚に早く会いたい様子でした。

マーガレットは、”まさかテレジア星に定期連絡の為に行ったとも言えないわね。”と思いながら、「往診に行っています。重傷のようなので今夜は帰らないと思います。」と誤魔化しました。

近藤刑事は、妹、夏子とエスベック病の話をして渚さんはどういう人なのかを確認しました。

マーガレットは、「渚は腕の良い外科医で人命を大切にしています。浮浪者など、お金がなく病院が相手にしない患者が亡くなるのを見ていられずに、そういう人は無料で治療しています。その他やくざ者も、事件に巻き込まれる事を警戒して他の病院は、もっともらしい理由で診察を断るようですが、渚はやくざ者でも亡くなるのを黙って見ていられずに治療しますが、人命を奪う拳銃などを購入する金銭を吐き出させる為に、健康保険を適用せずに全額治療費の請求をしています。それで、やくざと治療費の事で揉める事もありますが、渚は拳銃を購入する金銭を吐き出させる為に、警察に被害届けを出して徹底的に追い詰めます。お陰で浮浪者の間には、”治療費が只だ。”という噂と、やくざの間には、”治療費は高いが直ぐに対応してくれる。”と噂が広まっています。エスベック病も他の病院が治療しないので、渚が対応しただけです。何か問題でもありますか?」と返答しました。

兄は驚いて、「渚さんは、エスベック病の手術ができる腕のいい外科医だったのですか?酷い事を言ったので謝りたい。」と現状を把握した様子でした。

マーガレットは、「帰って来たら連絡します。」と返答しました。

渚がテレジア星から帰ってくるとマーガレットは、エスベック病患者の夏子さんの兄、近藤刑事が自宅に来ていて謝りたいと言っていた事を告げて、「刑事と付き合えば陽子さんのように厄介な事になるわよ。佳子さんみたいな姉がいればどうするのよ。」と忠告しました。

渚は、「姉じゃなく妹だし、私は丸東組の姉さんでも何でもないのよ。やくざと関係ないので刑事でも検事でも大丈夫よ。」と落ち着いていました。

マーガレットは、「彼は私の同僚よ。私まで厄介な事に巻き込まないでよ。」と心配していました。

渚は、「何?その言い方は。”厄介な事になっても、私が引き受けるから思うようにしなさい。”とか何とか言えないの?」と不満そうでした。

マーガレットは、「何故私が渚のごたごたを引き受けなければならないのよ。」と面倒な事は持ち込んで貰いたくない様子でした。

渚は、「オリンピックで、マーガレットさんが態と負けてくれたとも知らずに、私は馬鹿みたいに金メダルを喜んでいたのよ。そのくらいしてくれても良いじゃないの。」と償いをして貰いたい様子でした。

マーガレットは、「私がオリンピックに出場して、渚と互角の試合をしたから問題にならなかったけれども、私が出場しなければ渚は楽勝で金メダルを獲得し、オリンピック委員会から薬物使用の疑いを掛けられ、検査しても薬物の痕跡がなければ、徹底的に身体検査されたかもしれないわよ。」と笑っていました。

渚は、「また、その話をする。成人映画みたいな言い方をしなくても良いでしょう。」と怒っていました。

翌日マーガレットは府警本部で渚が帰って来た事を近藤刑事に告げました。

彼は、その夜自宅に来て、先日の事を謝り、「あなたの話が大学病院に伝わり、大学病院であなたの事を調べたそうです。その結果、エスベック病の手術に数回成功している事実を掴んで、是非医学部の講師として来て頂きたいとの事です。」と依頼しました。

渚は、「私が大学病院に行けば、浮浪者など治療費を払えない患者は誰が治療するのよ。それにやくざや暴走族などは誰が治療するのよ。」と返答しました。

近藤刑事は、「エスベック病の手術ができるのはあなたしかいないのです。」と説得しました。

渚は、「浮浪者や、やくざの治療をするのも私しかいないのよ。同じ命じゃないですか?治療費を払える患者の命の方が大事だとでも言うのですか?」と反論しました。

近藤刑事は、「それじゃ、エスベック病患者の命は大事じゃないと言うのですか?」と矛盾点を突きました。

渚は、「エスベック病患者も私の病院にくれば治療します。大事じゃないのではなく、同じだと言っているのです。」と反論しました。

マーガレットが、「近藤さん、刑事が何故病院の事を、そんなに気にするのですか?」と不思議そうでした。

近藤刑事は、「私の姉が大日本医療大学で看護師をしていて、姉から頼まれました。」と返答しました。

マーガレットは意思波で、「渚ちゃん、姉は佳子さんのような凄腕刑事じゃなく良かったわね。でも親代わりは何故お姉様じゃないのかしら。」と不思議そうでした。

渚は意思波で、「そんなの知らないわよ。嫁いで近藤家を出ているのかもしれないわよ。マーガレットさんの同僚でしょう?職場で聞けば?」と無関心のようでした。

渚は、「刑事さん、そのお姉さんに、浮浪者や、やくざ者の対応をお願いして頂けませんか?第二外科であれば引き受けてくれるかもしれませんよ。」と提案しました。

近藤刑事は、「外科医だけあって、大学病院の内情も詳しいのですね。姉に相談してみます。」と説得を諦めて帰って行きました。

マーガレットは同僚が帰った後に、「あいつ、結局何しに来たのだ?謝りに来たのか?スカウトに来たのか?」と不満そうでした。

渚が、「スカウトと言うより、お姉さまに尻を叩かれて来たみたいね。そんな怖い看護師がいるとは大日本医療大学も変わったわね。凄腕刑事ではなく凄腕看護師ね。」と呟いていました。

マーガレットは、「渚ちゃん、何か興味がありそうね。また大学病院で勤務するの?」と渚が何を考えているのか知りたそうでした。

渚は、「解らないけれども、芹沢外科医院の後任の院長が決まらないと廃院になるので、後任の院長が決まるまで私は院長を辞める訳にはいかないわ。今の所、大学病院には行けないわね。」と返答しました。

二人で雑談していると、突然地下基地の通信機が動作した為に、二人とも何事かと思いながら地下室にある基地へ急ぎました。

軍から、「銀河系方面の秘密調査官に告ぐ!テレジア星の刑務所を脱走した凶悪犯が銀河系方面に逃走した可能性があります。現在テレジア警察が銀河系に向かいましたが、各員充分注意せよ。尚、相手は凶悪犯なので、発見しても捕らえようとせずに、近くのテレジア警察に連絡し、発見されないように追尾するように。」と連絡がありました。

渚は大型特別艦で銀河系を探査しましたが、凶悪犯の痕跡はありませんでした。


次回投稿予定日は、7月11日です。

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