第二百九十七章 丸東組、渚の正体を知る
ある日、丸東組組長が、「幹部組員の紋章の入った日本刀は、厳重に保管されているか、別の幹部組員が使っているのかのどち
らかだった。只、所在が不明の日本刀が二つあった。それは丸東組が最盛期だった頃の組長で、梅沢陽子組長と内田渚組長の使
用していた日本刀です。」と調査結果を組員に説明しました。
幹部組員が、「確か、その頃の組長は宇宙人だと根も葉もない噂のある組長だろう。寿命が何千年もあり、今でも生きている事
になりますよね。何処からそんな馬鹿な噂が流れたのか、その火元を確認すれば正体も解るのではないですか?」と助言しまし
た。
丸東組の組員が、噂の火元や、渚の子孫がどうなったのかを調べていた為に、弁護士だと称して一日中、各種調査をしていたマ
ーガレットが気付いて渚に伝えました。
渚の子孫はテレジア星人の能力もなくなっていた為に、丸東組とは関係なく医師でもなく平凡な会社員になっていました。
組員に脅されて組事務所に連れ込まれて、日本刀の事を問い質されましたが、「私は、やくざとは無縁なので、そんな物は持っ
ていません。」と怯えている様子でした。
組員が、「お前みたいな奴の先祖が組長だったから、丸東組は正義の味方だなんて詰まらない噂が流れるんだろう。ぶっ殺して
やる。」と刃物を構えました。
その時、天井から流動体の物質が溶けるように垂れて来ました。
流動体の物質は、やがて渚に変身した為に、組員達は驚いて、「化け物!」と銃を発砲しました。
渚は、「私に銃は通用しないわよ。これで当時の組長が宇宙人だったとは根も葉もない噂かどうか解ったでしょう。今は大村和
枝と名乗っていますが、私が内田渚です。あなた方も地下室へ行った事はないの?」と確かUFOが置いているはずだと不思議
そうでした。
組員は、「あそこは頑丈な鍵で閉ざされていて、色々と試しましたが結局無理だった為に、今は開かずの扉と呼んでいます。」
と地下室に何があるのか知りたそうでした。
渚は念の為に透視で確認して、「あそこはハーケン特別隊航空部隊の本部と宇宙人のUFO発着基地と兼用していました。中型
UFOの武器は強力な為に回収しましたが、小型UFOや、その他通信設備などは、まだここの地下室にあるわよ。」と地下室
の鍵は、私は持っていないので、母ちゃんが持っているのかな?と意思波でUFOの通信機を操作して、テレジア星にいる陽子
と連絡を取りました。
陽子は、「ええ、地下室の鍵は私が持っているけれども、渚、あんた又丸東組と関係したの?仕方ないわね。今日は暇だから今
から鍵を持ってそちらに行くわ。」とため息を吐いていました。
丸東組の組員は、「UFOだ?冗談も休み休み言え!お前、頭が可笑しいのではないか?」と笑っていると、再び天井から流動
体の物質が垂れて来て人間の姿になったので組員達が驚いていました。
陽子が、「冗談かどうかその目で確認して見れば?」と持って来た鍵で地下室の鍵を開けて地下室へ入って行くと、ハーケン号
そっくりに改造された小型UFOがあった為に組員達は驚きながら、「何故ハーケン号が数機ここにあるのだ?」と現状を理解
できない様子でした。
渚は、「これはハーケン号そっくりに改造したUFOよ。アメリカに展示しているハーケン号もUFOよ。私達はこのUFOを
リモートで操作していました。これが伝説の名パイロットの亡霊の正体よ。本物のハーケン号は私の大型UFOの中にあるわよ
。」と説明しました。
陽子が、「まだ半信半疑のようですね。このUFOはまだ飛行可能だから乗せてあげるわ。」と組員を信用させる為に、組員を
乗せて飛行しました。
組員はUFOで実際に宇宙に飛び出して体が宙に浮いて驚いていました。
水星から、土星、天王星など太陽系を一周して戻ってきた組員は、「このUFOで世界征服が可能かな?」と呟いていました。
陽子は、「核兵器でもビクともしないから、簡単よ。」と返答しました。
渚が、「紹介が遅れましたが、こちらが私の母、梅沢陽子です。これで私達の正体が解ったでしょう。そんな拳銃をちらつかせ
ても、私達には銃が通用しない事は、解ったでしょう?どうするの?これでも、まだ私達に喧嘩を売る気?その気だったら相手
になるけれども命の保証はしないわよ。」と渚と陽子は再び地下室の鍵を締めて、鍵は地球にいる渚に渡して、帰って行きまし
た。
組員は、「鍵はここに住んでいる私達に預からせて頂けませんか?」とUFOに興味がある様子でした。
渚は、「ここのUFOの操作は、テレジア星人特有の能力を使います。地球人には操作不可能なので、扉を開ける事もできませ
ん。何もできないわよ。」と説明して、鍵は渚が持って帰っていきました。
その後、丸東組は諦めたらしく渚に何も言って来なかった為に渚は、「やれやれ、やっと大人しくなったわ。」と安心していま
した。
ある日、渚が診察を終えて帰ろうとしていると、一人の看護師が、「先生のお姉さまは、確か弁護士でしたよね?何か私、詐欺
に遭ったみたいなので相談したいのですが、紹介して頂けませんか?」と困っている様子でした。
渚は、その看護師を看護師寮に連れて帰り、マーガレットを弁護士の姉として紹介しました。
話を聞くと看護師は、「水道や下水などは完全完備だと言っていたのに、蛇口を捻っても水が出て来なかった為に、元栓などを
調べましたが開いていました。不動産屋に確認すると、”水道局と話をして下さい。”と言われました。確認すると水道工事を
しないと無理だと言われました。これって水道設備完全完備と言うのですか?」と疑問点を確認しました。
マーガレットは、「これは法律を逆手に取った悪質な詐欺ですね。水道設備完全完備と水道の蛇口を捻れば水が出る事とは別の
事です。例えばテレビを買っても、電気がなければテレビは見られません。テレビには一切問題はありませんので、テレビを売
った電気屋さんも詐欺にはなりません。これと同じ理屈です。水道設備は完全完備ですが、水道管の工事をしなければ水は出ま
せん。不動産屋の主張は間違っていません。裁判をしても難しいでしょうね。それから考えると、下水道も工事が必要かもしれ
ませんよ。同じような被害に遭った人を捜して、団体で交渉するしかないですね。長い戦いになると思いますよ。」と助言しま
した。
渚が、「何故電気たけ工事をしていたの?」と不思議そうでした。
マーガレットは、「水道や下水道は地下なので見えませんが、電気は電柱からです。すなわち目で見えるので、電気工事をして
いなければ、ばれる可能性があったからでしょう。」と推測しました。
渚が、「そんな事をすれば、評判が悪くなり商売できなくなるのではないの?」と不思議そうでした。
マーガレットは、「商売する気がないのでしょう。一儲けすれば、店を閉めて何処かに姿を眩ますつもりでしょう。戦うつもり
ならば早くしないと逃げられますよ。」と指摘しました。
渚が、「それだったら、同じ被害に遭った人など捜さずに、直ぐに告訴すれば良いじゃないの?」と焦っている様子でした。
マーガレトは、「一人で裁判費用を負担するのは大変ですよ。何人かで分担する為にも、団体で交渉して駄目であれば告訴する
事を勧めるわ。」と助言しました。
渚は、「うちのスタッフにとんでもない事しやがって!徹底的に懲らしめてやる。私が力を貸すから今日は帰りなさい。」と協
力する事を約束しました。
マーガレットが、「水の出ない家に帰らすの?風呂や食事は外でするにしても、トイレは困るわよ。」と冷静でした。
渚は、「家を買ったのは家族がいるの?何人家族か知らないけれども、私達もいるので狭いですが、ここでよければ家族を連れ
て来なさい。」と協力すると言った手前、後に引けなくなりました。
看護師が家族を迎えに行くとマーガレットは、「渚、簡単に力を貸すと言ったけれどもどうするの?法律的にはどうにもならな
いわよ。」と渚の考えている事が理解できない様子でした。
渚は、「丸東組は法律なんて関係ないわよ。折角関係したので、あいつらに話をしてみるわ。」と説明しました。
マーガレットは、「大騒ぎになって、陽子さんから怒られても知らないわよ。」と事件に巻き込まれそうで心配そうにしていま
した。
渚は、「芹沢外科医院のスタッフを守る為だから、母ちゃんも大目に見てくれるわよ。」と陽子は元院長だから大丈夫だと安心
させました。
渚は早速丸東組の組長に連絡して、詐欺の一件を説明し、「脅迫すれば良い金になるわよ。こっちは工事するお金があれば良い
から、慰謝料だとか何とか言って巻き上げたお金はあんたらの自由にしなさい。因縁つけるのは得意でしょう。相手は一儲けす
れば逃げようと思っている筈なので、夜逃げなどで逃げられないように注意してね。」と丸東組に伝えました。
看護師が家族を連れて看護師寮に来ると渚は、「先程法律的には難しいと姉も言っていたので、このような交渉が得意な私の知
り合いに頼んだので、もう大丈夫よ。腕の良い交渉人だから工事費用は必ず戻って来るわよ。」と安心させました。
マーガレットが意思波で、「刺青のとんだ交渉人ね。」と笑っていました。
看護師の家族は、「先生、何から何まで有難う御座います。私達は一部屋で大丈夫ですから。」と渚の案内する部屋へ入って行
きました。
丸東組の組員は、三台のベンツに分乗して不動産屋に行き、「お前か!元組長の知り合いを詐欺で騙した奴は!水道設備完全完
備だと言ったのなら、水が出るまでちゃんとしろ!」と迫りました。
不動産屋は、「水道設備は完全完備です。水が出ないのは別の原因です。」と逃げようとしていました。
組員は、「貴様!ゴチャゴチャ抜かすとぶっ殺すぞ!組長も元組長に顔向けできないとカンカンに怒っているぞ!」と日本刀を
机に突き刺して脅しました。
不動産屋は、「直ぐに手配します。」と慌てていました。
組員は、「その言葉に間違いないな!ここは組員が見張っているので、夜逃げしても地獄の果てまで追い駆けて、落とし前をつ
けるぞ。水が出るようになれば、その後で慰謝料は解っているよな!覚悟しておけよ。」と帰って行きました。
次回投稿予定日は、9月9日です。




