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第二百九十六章 丸東組組長、渚を疑う

戦闘が終息して、渚が芹沢外科医院に戻ると、渚が貼った休診の張り紙が、”医師は暫く所用で不在ですが、救命救急師にできる手当ては可能です。休日、夜間でも対応可能ですので、いつでもどうぞ。”と内容が変わっていて、スタッフ達は救命救急師の資格を持っている看護師を中心にして、可能な治療をしていました。

渚は、「皆、休養しなかったの?」と確認しました。

看護師の一人が、「一週間休むと、給与だけ頂いている罪悪感から病院に出てきました。最初は二、三人でしたが、皆も同じ気持ちで段々とスタッフが増えて来ました。外科医が不在の為に患者が少なかったので、シフトを組んで休日や夜間も対応していました。その結果、夜間は酔っ払いの喧嘩などで、休日はチビッコ野球チームなどの怪我で来る患者が多く,平日よりも患者が多かったです。私達も頑張りますので、休日と夜間の対応は、今まで通り医師不在で続けさせて頂けませんか?」と要望しました。

渚は、「良いわよ。皆さんも知っているように、私は看護師寮へ引っ越して来ました。医師不在ではなく、私が看護師寮にいれば対応しますので、連絡して下さい。」と渚も賛成しました。

スタッフが、「先生、大丈夫ですか?」と渚の体の事を心配していました。

渚は、「どの病院でも医師はこんなものよ。家に帰る時間がなく病院に寝泊りしている医師も沢山いるわよ。」と心配しなくても大丈夫だと返答しました。

診察が終わって看護師寮に戻った渚にマーガレットは、「私達は地球人に比べて寿命が長い為に、色んな名前を名乗り色んな職業に就きましたが、渚は今何と名乗っているのだったかしら?聞いておかないと人前で呼べないから。」と混乱している様子でした。

渚は、「何だっけ?そうだ今は大村和枝と名乗っているわよ。その点、私はマーガレットの妹になっているので名前を知らなくても、”姉ちゃん”と呼べば良いから楽だわ。」と笑っていました。

マーガレットは、「それってズルくない?」と不満そうでした。

渚は、「私の方が年下だから、そういう運命にあるのよ。」と諦めるように促しました。

マーガレットは、「何が運命よ。敵が攻めて来た時も私が貧乏クジ引いたし、いつも私が損しているじゃないの。」と渚の説明に納得してない様子でした。

渚は、「どれもこれも、ちゃんとした理由があるでしょう。運命が気に入らないのだったら、これは宿命だから諦めた方が良いわよ。」と返答しました。

マーガレットは、「私って、不幸な星の下に生まれて来たのね。」とやっと諦めた様子でした。

渚は、「何が不幸な星よ。悲劇のヒロインみたいな言い方をして、一寸オーバーじゃないの。」と笑っていました。

マーガレットは、「オーバーで悪かったわね。でもこんな話ができるのも、平和な今の間だけね。何故か敵は地球を狙っているようなので、地球担当の秘密調査官の渚には頑張って貰わないといけないわね。私は銀河系担当だから、別の星に行こうかしら。」と渚を横目でチラッとみました。

渚は、「銀河系の何処かでトラブルでもあるの?トラブルのある所を重点的に調査するのでしょう?地球は正体不明の敵に狙われているから、銀河系では地球を重点的に調査する必要があるわよね。」と逃げないように促しました。

マーガレットは、「矢っ張り私は不幸の星の下に生まれて来たんだ。」とため息を吐いていました。

謎の敵が強力な戦艦を建造している間、平和が続き、マーガレットと渚も今まで通り地球に住んでいましたが、住まいは芹沢外科医院の看護師寮でした。

マーガレットは、「引っ越して来た時は、敵との戦いの事で頭が一杯で気付かなかったけれども、ここは寮と言うより、普通の家のようね。」と感じました。

渚が、「ここは祖母が新婚時代に住んでいた家よ。」と説明しました。

マーガレットは、「渚ちゃんの祖母という事は、亡くなった菊枝小母様の事ね。確か丸東組の跡取り息子と結婚したのよね。だから、変な仕掛けがあるのか。」と忍者屋敷のような仕掛けに納得していました。

渚は、「何も忍者屋敷みたいな言い方をしなくても良いでしょう。大学病院で手術後暫くここに住んでいたじゃないの。家政婦さん。」と昔の事を思い出すように促しました。

マーガレットは、「そう言えば、そんな事もあったわね。」と思い出していました。

しかし、この平和な時も、モミジは敵の黒幕の正体を必死に捜していました。しかしモミジのスパイは本拠地の所在地を教えてくれなかった為に、大型探査艦より探査能力が優れている大型特別艦で不信な通信を傍受しようとして陽子に頼んでいました。

そんな平和なある日、丸東組から組員が重症を追ったので、往診してほしいと連絡がありました。

スタッフが、「危険だから警察に任せましょう。」と渚を心配していました。

渚は、「私は大丈夫だから警察へは連絡しないで。私一人で行きます。」と往診の準備をしていました。

一人の看護師が、「一人だと危険なので、私も行きます。」と付いて来ました。

渚が看護師と丸東組に入ると組員は、「おい!警察には内緒でこいつを・・・」と説明していると渚が、「退け!今、そんな話をしている場合じゃないでしょう!」と組員を突き飛ばして、治療を始めました。

治療が終わると看護師が、「先生、先程やくざを突き飛ばしたから、只では済まないのではないですか?」と心配そうにしていました。

渚は、「だから、私と一緒に来ると怖い目に遭うと忠告したでしょう。私が突き飛ばさずに、あの組員と話をしていたら、この組員は助からなかったでしょうね。そうなれば、あなたも只では済まないわよ。やくざの往診には、そのくらいの覚悟が必要なのよ。」と返答しました。

しかし突き飛ばされた組員は腹の虫が収まらず、「おい!先程はよくもやってくれたな。」と渚に襲い掛かりましたが、反対に渚にボコボコにやられました。

驚いている他の組員に、「怪我をした時には芹沢外科医院を宜しく。」とPRして看護師と帰って行きました。

やられた組員は、「あの野郎!」と仕返ししようとしたので、兄貴分が止めました。

「お前達が、”保険が利用不可なので治療費は高額だが、俺達やくざの治療もちゃんとやってくれて、警察には通報しない。”と言っていたので、どんな外科医かと思っていたが、今日始めて会ってみると、あの外科医は俺達と同じ匂いがする。何か裏がありそうなので、仕返しする前に調べろ。おい、お前達も手伝ってやれ。」と指示しました。

組員が色々と調べると、医学の名門大学の大日本医療大学に主席で入学し、主席で卒業した事が解りましたが、大学に入学する以前の事がどうしても掴めませんでした。

イライラした組員は、「締め上げて吐かせてやる!」と日本刀を持って出て行きました。

透視力で気付いた渚はマーガレットに、「丸東組の組員が日本刀を持って玄関から乗り込んで来たので、一寸相手をしてやるか。」と日本刀を持って待っていました。

マーガレットが、「記念に動画撮影しようかな。何人の組員が動画撮影されている事に気付くかしら。」と隠れていました。

看護師寮に組員が数人で乗り込んで来て玄関先で、「お前に聞きたい事がある。」と渚に詰め寄りました。

渚は、「立ち話もなんだから、中に入りなさいよ。」と組員達を家の中に招き入れました。

組員は「お前大学に入学する前は何処で何をしていた!」と迫りました。

渚は、「外科医よ。」と無表情で返答しました。

組員は、「外科医が医大に入学する訳ないだろう!出鱈目言いやがって。表に出ろ!」と馬鹿にされたと怒っていました。

渚は、「良いの?また動けなくなるわよ。」と笑っていました。

組員は、「上等じゃねえか。動けなくなるかどうか試して貰おうじゃないか。表に出ろ!」と再度怒鳴りました。

渚は、「仕方ないわね。どうなっても知らないわよ。庭で良いわよね。」と庭に出ました。

組員は日本刀を抜いて、「謝るなら、今のうちだぞ。」と日本刀をチラつかせていました。

渚は、「そんなに謝りたかったら、そこに土下座して、”許して下さい。”と謝れば勘弁してあげるわよ。」と日本刀をみても冷静でした。

組員は、「何処まで、俺達を愚弄したら気が済むんだ!」と日本刀で渚に襲いかかりました。

渚も日本刀を抜いて対抗すると、組員の日本刀は吹っ飛んだり、折れたりしました。

驚いている組員の首筋に日本刀を当て、「”動けなくなるかどうか試して貰おう。”と言っていたわよね。首と胴体が離れれば動かなくなると思うけれども試して見る?外科医院に死体があっても不思議じゃないのでね。」と組員を睨みました。

組員は、「ちょ、一寸待て!お前は一体何者なのだ!」と渚の正体を知ろうとしていました。

渚は、「まだ解らないの?情けないわね。この紋章を見れば何か解るかしら。」と日本刀の紋章を見せました。

組員は、「えっ?それは俺達丸東組の紋章じゃねえか。」と驚いていました。

渚は、「帰って、頭を冷やして来なさい。」と追い返しました。

翌日、組員から話を聞いた丸東組組長は、「うちの紋章の入った日本刀を持っていたのか?俺達の関係者かな?誰だろう。」と考えていると、宅急便でUSBメモリと手紙が届きました。

手紙には、「情けない組員ね。この動画を見て私が何者か解りますか?まさか撮影されていた事も気付かなかったという事はないですよね?」と書かれていました。

組長も含めて動画を何度も見ていると組長が、「あの紋章はお前のとは少し違うだろう。俺の持っている日本刀と同じ紋章だ。あれは幹部組員の紋章だ。数は限られているので調べれば直ぐに解る。あいつの正体が判明するのも時間の問題だ。」と渚の正体を調べる事にしました。


次回投稿予定日は、9月4日です。

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