なおのきもち
第一章ラスト!
〜奈緒家〜
「で、話って何だ?」
あのあと俺は荷物も全部持ったまま家に帰らずに奈緒の家に来た、もう二度と来ないと思っていたけど、あのまま無視でもしていたら奈緒が何をするかわからない
「うん、えっとね、ちょっとおはなししよ?」
「...少しだけな」
「...わたしとたくみはちいさいころからのおさななじみで、とってもなかよしだったよね」
「いつもふたりいっしょで、いっしょにあそんで、いっしょにおこられて、いっしょにあやまりにいって...」
「いっつも...いっしょで.....」グスッ
「...それを壊したのはお前だ、奈緒」
奈緒は涙を流しながらうつむいた
「確かに俺とお前は小さい頃からの付き合いだ、ずっと一緒にいたし、これからも一緒にいるものだと思ってた」
「...でも.......でもわたしがそれをこわしちゃった...」グスッ
「...一時の気の迷いだったとしても、俺はお前を許せない」
そう言って少しすると、奈緒は「まってて」と言って部屋から出ていった
少しすると、奈緒がクッキーと紅茶を持って部屋に入ってきた
「はい、これわたしがやいたの...そういえばむかしもよくわたしがくっきーやいてからたくみにたべてもらったことあったっけ...あのときはかたちもあじもへんてこで、でもたくみはおいしいっていってたべてくれて...うれしかったなぁ...」
正直俺は出されたクッキーや紅茶を口にするのが怖かった、それが奈緒にも伝わったらしく、奈緒は言った
「だいじょうぶだよ、へんなのはいってないから、あんしんしてたべて...くっきーやくの、じょうずになったんだよ?」
俺はクッキーを一つ口へ運んだ
「...そうだな、おいしくなってるよ、前より」
「えへへ、ありがとう」
「...で、結局なにを話したいんだ?」
そう言った瞬間、奈緒の目から光が消えたような気がした
「うん...わたしね、かんがえたんだ」
「ずっとずっとかんがえて、わたしなりにかんがえてかんがえて、やっとわかったの」
「たくみは、だまされてるんだって」
...は?何言ってんだこいつ
「どういうことだ?」
「わたしとたくみはやりなおせたんだよ、だけど、いまかわさんがたくみにいろいろふきこんだから、たくみはわたしとなかよくなれないの」
...やばいな、また意味のわからないことを言い始めた
「お前、ここに来る前そういう話はしないって言っただろなのに何で今更...」
「だからね、たくみ、たくみとわたしがまたしあわせになれるように、わたしがたくみからいまかわさんからたすけてあげる」
本格的にやばいな、そろそろ撤退した方がいいか...
「...俺帰るわ、じゃあな」
そう言い、ドアノブに手をかけた瞬間
首元に激痛が走った
「...ごめんね、でもわたし、まだたくみといっしょにいたいの...」バチバチ
意識が朦朧とする中、奈緒がスタンガンを握っているのが見えた
...何で俺の周りの女はこういうの持ってるんだよ
俺は意識を失った
第二章へ続く




