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天使は謳い、悪魔は嗤う  作者: 剣玉
第3章 別れから出会い
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第39話 天使が堕ちた日


ちょい短めです。


 

 リアムはただ黙って話を聞いていた。知らない事ばかりだ。


 ユウは話し終わるとゆっくりと息を吐いた。


「本当はもっと詳しく話してあげたいんだけど時間がない。それはいつか別の機会にしてくれ」


「ああ……。なぁ、ルシフェルはなんで堕天したんだ?」


「それは……」


「待て、ユウ。それは俺から話す」


「……分かった」


「よし、よく聞け。まず俺が堕天したのは"ブリルの惨劇"の日だ」


「……!」


「落ち着いて聞いてくれ。あの日の話を」



 〜〜〜〜〜



 俺はあの日、天界にいた。智天使だった俺は天界の序列2位。まぁなんでも出来る立場だ。



 だから俺はずっとタクトやユウを視ていた。天界には地上界を監視するシステムがあるからな。



 だがあの日は違った。その景色にノイズが入ったんだ。そんな事はあの時まで無かったから流石の俺も焦ったぜ。



 すぐに俺は天界の序列1位、熾天使ミトロンの元へ向かった。その事を報告するためにな。



 だがミトロンでさえ原因が分からなかった。あいつは天界のことなら何でも知ってるはずなのに分からない、と不思議そうな顔をしていた。



 何かが起きている。俺はそう確信した。



 すぐに俺は自分の部屋に戻った。そして地上界を視たがやっぱり不鮮明な光景だった。



 そんな時、当時俺が率いていた智天軍のNo.2だったケルビムが俺の元に来て、



「ブリル村に大勢の悪魔が迫っています!」



 って報告してきた。俺はそれを聞いてすぐにケルビムと数人の智天軍を連れて地上界へ向かった。



 俺が到着した時には既にブリル村は壊滅していた。人の気配もしなかった。



 今にして思えば、報告を聞いてからすぐに出たのに壊滅どころか悪魔の姿も見えないなんておかしいんだが、その時はそこまで考えられなかった。



 タクトとアナが死んだ。俺は目の前が真っ白になった。



 あいつらは魔天大戦で俺達天使よりも活躍した。天界のくだらない指示に従ってちんたら戦ってた俺達の代わりに戦ってくれてたんだ。



 それに俺は2人と仲も良かった。本当に良い奴らでな、俺もあいつらが大好きだったんだよ。助けたり助けられたりな。



 俺達天使は魔界には入れない。それでも無理矢理魔界に行ってアモンを殺そうと思った。



 そこでひとまず天界へ帰るために振り返った俺はまた固まった。



 俺の部下達が血だらけで倒れていた。全員死んでいたんだ。



 俺は頭の中がぐちゃぐちゃになった。次から次へと何が起きてるのか理解出来なかった。



 そして俺は後ろから悪魔因子を埋められた。襲い掛かる全身の鋭い痛みに耐えて振り返ると、そこにはケルビムが立っていた。



「あなたは邪魔なので、ここで退場して下さい」



 また俺は混乱した。裏切り。それは分かる。だが何故こいつが悪魔因子を持っている?そこで俺は意識を失った。



 次に目を覚ました時には俺は魔界にいた。自分の羽が真っ黒になっているのを見て、何が起きたのかを思い出した。



 天使と悪魔は相容れない存在。その天使に悪魔因子を埋めると一発で堕天するんだ。



 堕天ってのは普通反逆者がするもんだが、悪魔因子を使った場合は違う。



 例えどれだけの力を持っていても、どれだけ天使として完成していても、悪魔因子を埋め込まれたら例外無く堕天する。



 それでも、その時の俺は気分が良かった。どんな状況であれ、魔界に入れたんだ。アモンを殺せる。



 だが魔界は甘くなかった。あそこは魔王の世界だ。魔界にいる限り悪魔は魔王の命令には逆らえない。その命令にも限度はあるけどな。そしてそれは俺も例外じゃなかった。



 俺はアモンを見つけ出して殺しにかかった。俺はあいつとの相性が悪くて苦戦したが、それでもあと一歩のところまで迫った。



 そんな時に魔王によって止められたんだ。



 まぁ当たり前だわな。貴重な戦力である最上級悪魔が死にそうになったんだ。あいつの場合はそれだけではないが、とりあえず止めるのは当たり前だ。



 もちろん、俺はそんなことを思えなかったけどな。



 アモンを殺せなくなった俺はそれから魔界を暴れた。目に映る物を片っ端からぶっ壊して、片っ端からぶっ殺した。



 そして気付けば俺は悪魔の力を使いこなしていて、魔王に最上級悪魔に認定された。



 マヌケな話だぜ。智天使なんてやってながら大事な友達を守れず、悪魔にされた挙句仇もとれない。



 それから俺はアモンを殺せる訳でもなく、魔界にいれば魔王に操られるから地上界に出てきた。



 そしてユウと再会して事情を説明、しばらく一緒に過ごしていた。



 んでさっき、王の間にこの俺がびっくりするぐらいの強い気配を感じたから行って覗いてみたら、リアムがタクトの息子だって話してて更にびっくりした。



 リアムはタクトの話を聞きたそうだったし、ここにはユウもいるからとりあえずお前らを転移させて今に至るって訳だ。




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