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天使は謳い、悪魔は嗤う  作者: 剣玉
第2章 蝕む闇
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第26話 暴露

 

 数日後、一行は水着を着て湖で遊んでいた。


「なぁリアムとコウキ。なんで水着着てんのに泳がないで釣りしてんだよ」


 リアムは水着姿で釣り竿を持っている。言うまでもなく、黒い海パンだ。


「別にいいだろ?なぁコウキ」


「ああその通りだ。釣りはいつでも楽しい」


「って言うかな、俺まだ一匹も釣れた事がないんだよ。そろそろ釣ってみたい」


 リアムはよく釣りをしているが何故か全く釣れない。それでも楽しめてはいるのだが。


「そうなんですか?それは可哀想ですね」


 そんなリアムをセレスが上から覗き込む。


「セレス重たい」


「まぁ女の子に向かってなんて事を」


「胸の話だからいいだろ?」


 そう言うと2人はミラを見た。


「確かにそうですね」


「ちょっとそこの2人!!人の胸を見て残念がらないでよ!」


 ミラはそれに気付いて近寄ってきた。水面が荒れる。これでは魚は寄り付かないだろう。


 リアムは釣りを諦めて竿を傍らに置いた。


「別に残念がってないぞ?なぁ、セレス」


「ええ。おっぱいがでかいと肩が凝るから、ミラさんが羨ましいですわ」


「嫌味じゃない!うぅ〜」


 ちなみに、セレスやティアはもちろん、イヴとミサキも標準の大きさはある。


「そんな事よりセレス!水着なのにリアム君の頭にその巨大な胸を乗せるのはどうなのよ!エッチ!」


 と、ミラが話を変えた。だが、確かにセレスの胸はほぼ生でリアムの頭に乗っている。


「心外だわ。私はリアム君が嫌がってくれるからしてるだけなのに……」


「いや、それはおかしい。俺はなんか慣れただけだ」


「慣れるのもおかしいわよ!なに?あんた達付き合ってるの!?」


 ミラがそう言うと場が静まった。みんな耳を傾けている。


「そんな訳ないだろ」


「そうですよ。第一、リアム君にはアリサ先輩がいるのに」


「そーそー、俺にはアリサさんが……。おい、ちょっと待てセレス。なんでお前がその事を知ってるんだ?」


「あら、やっぱりそうだったのね?随分仲が良かったし、アリサさんが卒業してから少し元気が無かったからそうかな、とは思ってましたけど」


 要するに鎌かけである。だが、リアムはそれに気付いたが既に遅かった。


「なにぃ!リアム、やっぱりアリサ先輩と付き合ってたのか!」


「いや、それは違う!卒業式の日だから嘘は言ってない!」


「卒業式まで何もなかったの?リアム君って甲斐性なしなんだね」


「おい、なんでミラがそんな残念そうな顔で見てるんだよ!」


「リアムおめでとう!流石イケメンだぜ!」


「うるさいチャラ男!」


「リアム君おめでとう。僕はなんだか嬉しいよ」


「あれ?フーゴって俺の親だっけ?」


「リアム!おめでとう!それで何が凄いの?ティア?」


「ああそうだな。ティアが一番凄い。だから静かにしてような?」


 リアムはセレスを睨むが本人は知らん顔だ。ちなみにイヴは変わらずぷかぷか浮いていた。


「アリサ先輩って誰だ?」


 そこでアリサを知らないコウキが不思議そうに聞いた。ミサキも横で同じような顔をしている。


「ああ、アリサ先輩って言うのは俺達の4年上の先輩でこの前卒業したんだけどな、超絶美人なんだよ。俺達の学園ってみんな可愛いけど、その中でも特に美人なんだ。学園のアイドルって言われてたんだけどな、途中から来たリアムが奪っていきやがって……」


 ルークも最初は説明してたのだが、途中から悔しくなってきたのかリアムを睨み始めた。だが、ミラがそんなルークを後ろから叩く。


「ほんとルークは馬鹿ね。どう見ても先に惚れたのはアリサ先輩でしょ?どうせリアム君は告白されるまで気付いてなかったわよ。ねぇ?」


「なんだどうせって。……そうだったけど」


「ほらね。リアム君のその鈍感さは犯罪よ。アリサ先輩が可哀想だったわ」


 リアムは鈍感と言うよりも、自分で自分が嫌いだから好かれるはずが無いという先入観を持っているだけだ。


「もういいだろ、俺の話は。他に浮いた話があるやつはいないのかよ」


 リアムがそう聞くと、さっきまで騒いでたのが嘘のように静かになった。



 〜〜〜〜〜



「ほら、これがお前さんの剣だ」


 リアムの剣がついに完成した。マルコが誇らしげにそれを手渡す。


 綺麗な剣だった。刃は真っ直ぐに伸びており、汚れ一つ無い。そしてそれは少し重かった。


「これは……凄いですね」


 リアムは呟くと、一度その剣を振る。リアムが本気で振るとそれだけで風が荒れた。


「どうやら気に入ってもらえたようだな。そいつは水気を弾くから錆が付かない」


「ええ、こんな立派な物をありがとうございます」


 リアムはそう言うと頭を下げた。


「いやいや、もらったミスリルに比べたらどうって事は無い。むしろこっちが礼を言いたいぐらいだ。そいつの名前はお前が決めてやってくれ」


「名前……」


 その言葉にクラスメイトは微妙な顔をするがリアムは気付いていない。


「……リアムソード?」


「だからダサいって!なんで自分の名前入れたがるの!」


 すぐにミラがつっこんだ。


「いや、俺のもんだし」


「それでも普通自分の名前は入れないでしょ!もっとかっこいいの考えなさいよ」


「はいはーい!ファルシオン!」


 ティアがいうとみんなが賛成し、決定した。リアムは既視感を覚えながらも渋々納得する。


「それにしても本当にもう帰るのか?」


「はい。ここは凄く過ごしやすかったですけど、やらないといけない事もありますし」


 一行は今日、帰ることになっていた。既に夏休みも半分ほどが経過している。


「今までありがとうございました」


 口々にお礼を言うと皆馬車に乗り込む。


(この景色ともお別れか)


 リアムはそう思うと少し感慨深くなり、よく目に焼き付けた。


「なぁセレス。またいつか連れてきてくれよ」


「あら、そんなに気に入ったんですか?ならいっそ、ここに住んじゃいます?」


「それは遠慮しとくよ」


 そんな事を話しつつ、馬車は学園へと向けて走り出した。


 ただ、リアムがこの場所に来ることは2度と無かったのだった。





実物のファルシオンと作中の剣のイメージは違います。ただそれ以外の名前が浮かばないからこれにしました。



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