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天使は謳い、悪魔は嗤う  作者: 剣玉
第2章 蝕む闇
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第22話 乗せたまま

 

 2人の勇者が学園に来て数ヶ月、夏が近付いてきた。


 そしてリアムは2人の持つ聖剣に少し興味を持っていた。


「なぁ、ミサキの聖剣って変わった形してるよな?」


「そうですか?この世界に刀はないんですね」


 ミサキの持つ聖剣は長細く、刃が片面にしかない。


「かたな?」


「はい。これは私達の世界にある武器で、この反りが切断力を増すんですよ」


「へぇ。確かによく切れそうだな」


「よく切れますよ。持ってみます?」


「いや、俺みたいな邪な存在が聖剣なんか触ったら浄化されそうだ。ミサキが抜いて見せてくれないか?」


「ふふ、浄化なんてされませんよ。でも私が抜いた方がいいなら……はい」


 実は半魔であるリアムは、本気で浄化されそうな気がするので念のために聖剣には触れない。


「なんだか綺麗な刀身ですね」


 聖剣を見ていると、リアムの上からセレスが覗き込む。


「おい、セレス。頭に乳が乗ってるぞ。首が折れそうだ」


「あら、おっぱいで死ねるのは男の本望でしょう?」


「んな訳あるか。かっこ悪すぎだろ」


 セレスは心外そうな顔をする。そして退かない。


「ねーねーセレスちゃん!リアムが嫌がるなら俺の頭に乗せてみない?」


 するとそれを見ていたオルゲルトが下心丸出しで入ってきた。


「オルゲルトさんは目が厭らしいから嫌だわ。リアム君みたいに迷惑そうにしてくれませんと」


「いやいや、リアムもそんな事言って絶対いやら……まじで嫌そうな顔してやがる!」


「当たり前だ。セレスのこれは凶器だぞ?多分、人殺せると思う」


「うふふ、それだけ嫌がってくれると嬉しいです」


「あれか?セレスって虐められて喜ぶ人か?」


 セレスは相変わらずニコニコしている。頭に乗せたまま。


 するとそんなやり取りを見ていたミサキが顔を赤くして目を逸らしながら、


「あの、リアムさん?聖剣はもういいんですか?」


 と聞いてきた。


「ああ、悪い悪い………やっぱり面白い形だな。それにしても、コウキのは大剣型だし、もしかして聖剣は3本とも違う形なのか?」


「さぁ?とりあえず私はこれが使いやすいからよかったですけど」


「ふ〜ん。剣か。俺もそろそろ良いやつ探そうかな」


 リアムは真剣を持っていない。いや、持ってはいるのだが、上質なものは持っていない。今までは魔剣を使っていたからだ。


 だが、魔剣を使えば半魔とバレる。だから単に質が良い剣が欲しかった。


「まぁ、それなら夏休み私の実家に来ます?」


 リアムの呟きにセレスが反応した。頭に乗せたまま。


「は?なんでそうなる?」


「だってリアム君、剣が欲しいんでしょう?」


「ああ」


「実は私、カルダシオが家名なんです」


「セレスティーナ・カルダシオか。良い名前だと思うぞ?………ん?カルダシオ?」


「はい。私の実家はカルダシオ工房なんです」


 相変わらずニコニコしながらセレスは言った。頭に乗せたまま。


 カルダシオ工房。


 それはリアムも知っている有名な鍛冶屋だ。噂では大陸一の鍛冶屋とも言われている。


「へぇ、セレスって鍛冶屋の娘だったのか。でもいいのか?カルダシオ工房って予約待ちが凄いって聞いたけど」


「そこは友達枠って事で優先しますよ。ただ、割引きはしますけど、それでも結構な値段になると……」


 セレスは少し言いづらそうだ。確かに、自分で勧めておいて高いとは言いづらいだろう。


「ああ、お金の事なら心配しなくていい」


 リアムはほとんどお金を使わない。使うような事が無いからだ。だから金銭的な余裕は充分にあった。


「そう?じゃあ是非いらして下さい。どうせだったら皆さんもご一緒にどうです?周りには自然があって楽しめると思いますけど」


 と、リアムの頭に乗せたまま言った。


 こうしてリアム一行の夏休みの行き先が決まった。



 〜〜〜〜〜



「へぇ〜カルダシオ工房ね」


 その日の放課後、リアムはクレアに夏休みの予定を話していた。


「あそこってほんとに高いらしいけど大丈夫なの?」


「修業中は倒した魔物の素材を売ってお金にしてまして、それがほとんど使わずに残ってるんで腐るほどありますよ」


「へぇ〜お金持ちなのね?でも、リアムって良い剣持ってると思ってたけど、そうでも無かったの?」


「あーそうですね。いや……」


 リアムは少し考えた。自分の正体を明かすなら今ではないのかと。今までは魔剣を使っていたと言えばいいだけだ。


 だが、怖い。自分を半魔と明かすのは。


 アリサには受け入れられたが、それでも怖い。自分を人間では無いと明かすのは。


 ただ、クレアに隠し事をするのも嫌だった。


「どうしたの?なんか難しい顔してるけど」


「………」


「リアム?」


「いえ、すいません。なんでもないです」


「そう……?」


 リアムはまだ言えなかった。そんな自分を少し恥じる。


「ああ、そうだ。それで義姉さんも夏休み一緒にどうですか?綺麗な自然もあった楽しめるって言ってましたけど」


「ふふ、ありがとう。でもやめておくわ。あなた達だけで楽しんできなさい」


「そうですか。分かりました。なんかお土産とかいります?」


「土産話で充分よ。あなたはただ楽しんできなさい。どうせ、帰ってきたらまた修行でしょ?」


「どうせってなんですか。その通りですけど」


「ほらね。体は壊さないようにしなさいよ?」


「分かってますよ」


 リアムは最近のシャルロとの試合も五分五分になってきていた。確実に強くなってはいるが、まだ足りない。


 実は強くなるための方法に心当たりはあるのだが、それだけには頼りたくない。


「そういえば義姉さん、勇者の2人って大丈夫なんですか?どう見ても弱そうなんですけど」


「聞いた話によると、動きは素人そのものだけど力はあるし速さもあるらしいわよ?」


「コウキが言ってた通りか……。でも本当にこの世界を救うんですかね?」


「どういう意味?」


「いえ、もし俺が召喚された勇者だったら絶対協力しませんよ。戦闘経験も無いのに強制的に召喚されたら、普通なら怒りません?」


「そうかもね。でも、勇者を元の世界に帰す方法は無いらしいわよ?」


「は?そうなんですか?勇者召喚って問題ありすぎません?」


「まぁね。流石に可哀想だと思うわ」


 帰れない勇者と攻めてくるらしい悪魔。本当にこれから何が起こるのか。


「はぁ」


 リアムは少し不安になった。





早くほのぼのシーン終わらして話を進めたい!

(一応進んでます)



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