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 研究所分室に入るのは容易だった。

 シャッターの右隣にある鋼鉄の出入口には、電子ロックで施錠されているだけだったので、マルコムが猫柳に指示して開けさせる。政府が秘密裏に設立した機関である研究所と聞いていたので、もっと重厚な城塞で、監視員や警備員が、玩具の兵隊の如く立ち並んでいる様を想像していた田中は、少し拍子抜けした気分だった。

 しかし中に入ると、何台ものモニターや計器類、パソコンが陳列され、外観の無機質な建物から一変した空間が広がっている。それらの機器は入り口から向い側と右側に所狭しと並べられ、向い側に広がる計器の真ん中あたりには、ステンレスのような光沢のある材質をした両開きのドアがある。おそらくその先に研究している兵器のサンプルなどがあるのだろう。他には中央に八人くらいが座れる作業台のようなものがあり、その向こうには四人掛けの応接セットがある。手前側に二人掛けのソファがあり、奥には一人掛けのソファがふたつ。ソファは茶色のレザーで、その間には透明なガラスを天板としたローテーブルがあった。ここは研究ではなく、この施設を管理するための設備なのだろう。さきほど猫柳が説明していたように、セキュリティなどの対策も、ある程度このシステムでやってしまうのかもしれない。天井から二台の監視カメラがぶら下がっていることから、このフロアで作業する人間に対しても厳重に警備していることがわかる。

 シャッターからの入り口とは、部屋が別になっているようだった。

 部屋の左側にあるのも鋼鉄製のドアだ。おそらく、大型の荷物などを搬入する際には隣の部屋を使うのだろう。シャッターの大きさからして、二トントラックくらいなら問題なく入ってしまう大きさだった。

 先に入ったマルコムは銀色をした両開きのドアを背に、拳銃で応接セットのソファを指していた。そこに座れという事らしい。彼はさきほどから必要なこと以外は、ほとんど喋らない。会社でいえば彼の方が部下ということなのだろうか。

 猫柳はここに来たことがあると言っていたからか、周りの様子を確認することなく一人掛けのソファに腰を下ろす。田中と胡桃澤は、対面になる二人掛けのソファに座った。猫柳の向いには胡桃澤が座ったかたちになる。

 ミカウバーとマルコムはソファの両サイドに立つ。

マルコムは手にしていた銃の銃口を上に向け、左手を右肘に添える。ミカウバーは銃を右太腿の辺りに装備しているレッグ・ホルスターに収めると、反対側のベルトから下がっているダンプポーチから、正方形のプラスチックケースを取り出した。

 エリック・クラプトンの『スローハンド』だ。

 中身はマスタードガスに関するデータCD。

 彼はそれを無造作に作業台の上に置いた。両腕を組み、作業台に寄りかかった状態で三人を順番に眺める。

 彼は拳銃を収めたままだ。

 こちらが逃げると予測していないわけではないだろう。

 いつでも銃を抜ける自信があるように見えた。

「で、こんなところにテロリストさんが何の御用かしら?」

 猫柳はソファにもたれるように座り、そう言った。

 そしてローテーブルに足を乗せて交差させる。手錠のせいで両手が不自由な分、足を自由にしたようだ。スカート姿なのを気にしている様子はない。少しふんぞり返っているように見えるのは、彼らを挑発しているようだ。

 だが、ミカウバーは気を悪くした様子はない。

「そうだねぇ。いきなり拉致されてずいぶんとご立腹のようだが、こちらにもいろいろと事情がありましてね。そう、一言では語れない事情が」

「そりゃご立腹にもなるわよ。一日で二度も誘拐される人間なんて、世界広しといえど私くらいじゃない?」

 田中と胡桃澤の方を睨みながら、彼女は鼻息を荒くする。

 二人はお互いの目を見合わせた。

 演技なのか本心なのかはわからなかった。

 先ほど運命共同体という協定を結んだにしては、少し嫌味に聞こえるのは気のせいだろうかと田中は思う。

 ミカウバーは、なだめるように「まあまあ」と笑う。

「そのへんの情報も我々は把握しているよ。だからこんなにもスムーズに事が運んだんだからね。そちらのお二人も調査済みだ。茶髪の方が岸部組長の……いや岸部社長が経営する会社に所属する田中くん。そして、もう一人の彼が警察をも黙らせる伝説の強盗犯・胡桃澤くんだろう? さすがお二人とも、いい面構えだ」

「世間での認識では、俺は容疑をかけられただけで強盗犯ではない。ただの噂だ」

「誰も世間体の話をしているわけじゃないよ。事実を言ってるんだ」

「あら、胡桃澤さんはずいぶんと有名人なようね」

 話の矛先が胡桃澤へ流れたので、彼は「それで、あんたらの目的は? 俺たちをどうする気なんだ?」と言って話題を戻す。

「ああ、そうだったね。別に急いでるわけじゃないから、ちゃんと我々の事と、君たちの今後について語るとしようか。それでは我々の目的から説明しよう。至ってシンプルな事情だがね。我々は莫大な活動資金を必要としてるんだ。だから政府にその金を要求する。その交渉に使う材料を手に入れたかっただけだ。それだけだよ」

 ミカウバーは両手の掌を見せて、アメリカン風に肩を竦める。

 いちいち演技かかった身振りだった。

 つまり彼らには猫柳が持っているデータが、政府によって秘密裏に開発されたマスタードガスのデータであることを知っていたのだ。

それを材料に脅迫するということだろう。

 猫柳は吐き出すようにして「そんなのうまくいくわけないわ」と言った。ミカウバーは彼女の隣に空いている一人掛けのソファに座ると、彼女の顔を覗き込み「まあ計画を聞き給え」と口説くように低い声で言う。

 彼女は顔を背けた。

 ミカウバーは人差し指を立てると、少し早口で喋り出す。

「まず猫柳くんにこの分室にあるセキュリティを解除してもらい、誰でも出入りができるようにシステムをクラックしてもらう。その次に、保管庫に眠っているマスタードガスを頂戴し、サンプルを首相官邸に送り付ける予定だ。もし保管庫の中に他の兵器……そうだな、例えば炭疽菌なんかがあれば、それも一緒に同封してあげてリボンをつける。赤いレース柄がいいかな。そしてメッセージカードにはこう書き添えるんだ。〝なんでこんな危険な兵器を作ってるんですか? 化学兵器禁止条約とか生物兵器禁止法ってご存知ですか?〟ってね。たぶん、このことがメディアに知れたら大変な騒ぎになると思うけど、もしバレたとしても彼らは憲法には違反してないって言うんだろうな。防疫目的の研究ですって、うやむやにするだろう。でも、国民には知る権利があるんだ。そうだろう? 世間体で作られた虚偽の説明ではなく真実をね。隣国には秘密にして、化学兵器や生物兵器をたくさん開発するつもりでしたと」

 彼は一呼吸置いた。

 この場にいる誰も口を挟まない。

 意見がない事を確認して、彼は続けた。

「でも、政府も大変だろう。北朝鮮みたいなすぐ近くの国は核だの水爆だのいろいろな兵器を開発しているんだ。もしものことがあったときの為に国民を守らないといけない。うん、大変な責任だ。法に触れるからといって何も対策をせずに、何かが起こってから行動をするなんてことになったら国は滅びてしまうかもしれない。だからこんな施設を作ったわけだ。個人的には批判するつもりはないんだが、平和ボケしてしまった国民には理解されないことだろう。なので、どーしても国民に施設の存在を知られたくないと願うならば、少しばかり我々に活動資金を工面してくださいとお願いするんだ。別に口止め料ってわけじゃないよ。いずれ我々の組織が政府に代わってこの国を守るための資金だ。でも、約束してお金をもらえなかったら、マスタードガスをお見舞いするつもりだけどね」

 よく喋る奴だ、と田中は眉をひそめていた。

 胡桃澤の様子を見ると、彼はソファに深々と掛けたまま黙っている。猫柳も呆れているのか、そっぽを向いたままだった。

 二人の代わりに自分が相手をしなくてはならないようだと田中は思った。

「要するに……施設の存在を知られたくなければ、金を寄越せって脅すんすよね?」

 田中の発言に、ミカウバーは大きく頷くと、人差し指を彼に向けた。

「要約すればそうだな」

「要約した方がわかりやすいっすよ」

 こんなにふざけた連中に捕まったと思うと、田中は少し情けなくなってきた。

 だが、彼らの目的は分かった。

どうも右翼団体のような組織なのかもしれない。

 それも彼らの装備からすると、武装組織に違いない。

 自分たちの事を〝我々〟と言っていることからも、背景にはそれなりの団体がいるのだろう。しかし、ここに他の仲間が来るような気配はない。

 田中は機会を窺った。

 彼の視線が猫柳の方へ向いたとき、彼女と目が合った。

 とにかく手錠を外さなくてはならないのだ。

 どうにか注意を逸らす方法がないか目で訴えるが、彼女はエスパーでもなんでもないわけで、彼の考えを知るはずもない。

 何かきっかけがないかと、田中が思案しているところだった。

 彼女が話し出す。

「ミカウバーとマルコムって言ったかしら、あんたたち。政府を脅すのは賛成よ。それに関しては協力してもいいわ」

「ほう」

 意外だというような表情で、ミカウバーが彼女の方を向く。

「ちょっと……猫柳さん、どういうことですか」

 さすがの胡桃澤も、猫柳がミカウバーたちに寝返ることに腹を立てたのか、語調は静かであったが、前のめりになって彼女を見る。そんな彼を諫めるように、猫柳は待ってというように片手を挙げた。

 とはいえ、この一瞬にして不穏な空気へと変わった。

 皆、口を開く猫柳の方へと視線を向けている。

 田中はその瞬間を見逃さなかった。

 彼だけは手錠を後ろ向きで拘束されているため、両手はソファと自分の体で隠れたままになっている。素早く袖につけていた安全ピンを引っこ抜いた。猫柳を拉致するときのために着ていた、少し大きめの作業服のお蔭だ。できるだけ音を立てない様に、ピンの先端を鍵穴に通していたところで、猫柳が話を続けた。

「胡桃澤さん、私は別に彼らの仲間になるとか、テロに加担するとか、そういう事を言ってるんじゃないのよ。私はこの件を公にして、すぐにでもこの計画を中止させるのが目的なわけ。だから彼らのような方法で、第三者にこの研究機関を知られているという危機感を持たせたいのは一緒なのよ。できればマスコミとかに流したいんだけどね」

「あーっと、猫柳さん。マスコミは不味いですよ。それだと我々と政府間での秘密の約束が出来なくなるじゃないですか。あくまでも内緒にするって約束がないと、我々と政府が交渉の場に立つことができませんよ」

「あんた達の取引については興味ない。それに化学兵器は、たとえサンプルだとしても、あんた達には渡すわけにはいかない。脅すための材料なら、私が持っているデータだけで十分でしょう」

「なるほどね。つまり君はこう言いたいわけだ。我々に交渉はさせてもいいが、兵器は自分が握ったまま渡したくないと」

「そういうこと。最悪の場合、私が処分することになるわね。別にかまわないでしょう? あなた達の目的は金なんだから、それが手に入れば化学兵器なんて持つ必要はないはずよ。だからデータは渡してもいい。でもサンプルには手出しさせない」

「無理な相談だ。データだけでは政府は動くはずがない。確認してデータが本物だとわかったとしても、実際に化学兵器を手に入れたという証拠が無ければ、我々の組織を探る方向へと計画するだけだろう。交渉の場に立つどころか、政府は我々を闇に葬ることに尽力するはずだ。だが、実際にマスタードガスを送り付けられれば政府も迂闊な行動は取れないはずだ。どこでガスが仕掛けられるかわからないんだ。国民を人質に取っているようなもんだよ。その優位性を欠くわけにはいかない」

「でも、私がいなければ、この施設から兵器を持ち出すのは不可能よ。私を殺しても無理だし、どうしても交渉したいというのであれば、私の言う事を聞く方が利口だと思うけどね」

 猫柳の言葉を聞いて、ミカウバーは黙った。

 そして小さく鼻で笑うと「君は自分の立場がわかってないようだ」と、言って立ち上がり、レッグホルダーから銃を取り出した。

 銃口が彼女に向けられる。

「……話、ちゃんと聞いてた? 私を殺せば苦労が水の泡よ」

「殺さなければいいのだろう?」

 鋭い爆発音。

「いやあああああっ」

 彼女の悲鳴。

 銃口からは煙が上がり、硝煙が鼻につく。

 透明なガラステーブルには、赤い水玉が絵具を散らしたように彩られていた。

 彼女は左肩を抑えながら前のめりになり、重苦しい息を吐き出す。

 白い手に似つかわない、深紅の斑模様。

 形相に満ちた彼女の顔は、ミカウバーに向けられていた。

彼女は呻きながら「くそっ……!」と吐きだし、続けて罵詈雑言を浴びせようと口を動かしているようだったが、それは激痛のためか言葉にならなかった。

身動きひとつせず、彼はその様を見ている。

「殺さずに言う事を聞かせるには、拷問しかないだろう。調子に乗って自分が優位に立っていることをアピールしたかったのだろうが、利口じゃなかったのは君の方だったようだね。我々は命令をするだけ、君は従うだけしか方法はないんだよ」

 ミカウバーの口調は、さきほどと変わらない。

 淡々と。

 まるで映画のワンシーンを見ているかのように。

 田中は唾を飲み込んだ。

 そして思った。

 これは不味い事になったかもしれないと。

 安全ピンを持つ手が汗で滑る。

 もう少しで左手の錠が外れそうなのだが、なかなかうまくいかない。

 それまで銃を構えていたマルコムが、こちらを見ているのがわかった。手の動きを止める。ちらりと彼の方を見ると目が合う。

 彼はここに来てからも、ほとんど喋っていない。

 何か言うのかと思ったが、そのまま彼は猫柳の方へ視線を戻した。

 彼のレッグホルダーには、田中が奪われたマカロフ銃が収められているのが確認できた。なんとかあれを取り戻したいと考える。

 そのときだ。

 胡桃澤がゆっくりと立ち上がった。

 マルコムの銃口は、引きつけられる様に彼に向く。

 彼は銃口には目もくれずに、静かに言った。

「猫柳さん、大人しく従った方がいい」

 田中は彼の言葉に耳を疑った。

 テロリストである彼らに従えという。

 もしかすると撃たれた猫柳の身を案じているのかもしれない。黒い服を着ているので、出血がどれくらいのものかはわからないが、あまり長い時間そのままにしておけば彼女の命に係わる事態にもなりかねない。

 だが、その一方でマスタードガスなどの化学兵器が連中の手に渡れば、彼らがどのような行動を起こすかわからない。政府を脅すとは言っていたが、それは嘘かもしれない。そもそも組織など存在しないかもしれない。二人が単独で行動している犯罪者であれば、安易に兵器を使用し、大惨事を招く事になるかもしれない。

 猫柳は呼吸を落ちつけようとはしているが、まだ息は荒い。

 彼女は、じっと胡桃澤を見つめたまま、考えを巡らせているようでもあった。

 ミカウバーは交互に二人の顔を見比べながら黙っている。

 しばらくそうしていたが、さすがに飽きたのだろう。もう一度撃つことを仄めかすように拳銃を彼女の視界に入れる。

 すると、彼のアピールに反応するかのように、小さく溜息を交えるようにして猫柳が小さく「わかった」と言った。

 彼女にとって苦渋の決断だったような表情をしていた。

「おお、やっと協力してくれる気になったか。嬉しいねぇ。僕だってレディに対してあまり酷いことはしたくないんだ。これでも紳士なんだよ」

 フルフェイス・マスクから見える目を細めながらそう言った。

その軽い口調には似つかわしくない武器を手にしていながら。

「奥の部屋に案内すれば……いいんでしょ。まずは専用のコンソールからセキュリティを解除しないと……奥の部屋どころか、この施設のシステムに触れたことが研究所にバレてしまうわ……」

「わかった。とりあえず妙な動きはするなよ」

 そう言うとミカウバーは立ち上がり、持っていた銃を猫柳向けると、彼女に立ち上がれといわんばかりに銃身で突く。

 そして立ち上がった彼女の腕を掴むと、手錠の鍵を外した。

 負傷した彼女には、もはや必要ないと判断したようだった。

 彼女はよろけながら、壁一面に陳列しているモニターや計器類の方へと歩みを進めた。ミカウバーは胡桃澤を指し「お前は座っていろ」と命令する。彼は黙って言われた通りに腰を下ろすと「彼女、大丈夫かな……」と独り言のように呟いた。

 そのとき、田中の手錠が小さな音を立てる。

 ようやく両手の自由を奪っていた手錠が開錠した。

 田中は素早く周囲を確認したが、マルコムはちょうど猫柳の方を見ており、ミカウバーも彼女がキャビネットから何やら取り出しているところを注意深く監視しているようだったので、誰にも気付かれてないようだ。

 この状態でなら、マルコムに奪われた銃を取り戻せるかもしれない。

 田中はそう考えていたが、彼が座っている横には胡桃澤が座っており、マルコムはその向こう側に立っている。立ち上がって彼に襲い掛かろうとすれば、その前に撃たれてしまうだろう。運よく彼を抑え込めたとしても、そのことにミカウバーが気づけば容赦なく撃ってくるに違いない。

 ここは慎重にならなくては。

 田中はマルコムが自分の近くまで移動する機会を待つことにした。

 彼は音を立てないようにゆっくりと手錠を外す。

 猫柳はキャビネットから取り出したのは、黒いアタッシュケースだった。

 専用のコンソールなるものが入っているのだろうか。

 セキュリティを解除するのに必要なのだろうが、何が入っているかわからないため、ミカウバーは畳一畳分くらいのスペースのある作業台の上に載せるよう指示すると「ゆっくりと開けるんだ」と銃をちらつかせる。

 猫柳は左肩を撃たれているからか、血の付いた右手だけで重そうに作業台に載せる。

 そして横倒しになったアタッシュケースの側面にある二つの錠前を外すと、一度ミカウバーの顔を見た。彼は小さく頷いた。開けて良いという意味だろう。

 彼女がゆっくりとケースを開くと、ミカウバーの顔色が変わった。

「貴様!」

 彼が猫柳を突き飛ばす。

 彼女は崩れるようにして後方のキャビネットにぶつかった。

 派手な衝撃音が室内に響く。

 ミカウバーは作業台に両手をつき、アタッシュケースに顔を近づけると、中を凝視したまま固まっている。

 かすかに唇を噛んでいるのがわかった。

 猫柳はキャビネットを背に寄りかかったまま、口元に薄笑いを浮かべていた。

 さすがにマルコムも口を開く。

「どうした」

 何が起きたのかはわからないが、田中はマルコムの動きに隙がないかを窺っていた。だが、こんなときにも彼は銃口を自分たちの方へ向けたまま、逸らそうとはしない。

 ミカウバーの方へと視線を戻すが、彼は石化したようにそのままでいる。

 やがて振り返り、猫柳を睨みつけると「貴様……」と、もう一度その台詞を言った。

「爆弾か……?」

 この場にいた誰もが凍り付いたようなキーワード。

 猫柳は不遜の笑みを浮かべながらこう言った「私の目的は、この研究所で何が行われているかを公にすること……でも、それができないなら処分するしかない」

「馬鹿な! お前も死ぬぞ!」

「……もとより覚悟の上よ」

 もう一度アタッシュケースに向き直り、ミカウバーがマルコムを見た。フルフェイス・マスクなので表情は見えないが、目元はさきほどまでの余裕はなく眉間に皺が寄っているのがわかる。

 ミカウバーの尋常でない反応から、本物の爆弾と確信したようだ。マルコムは田中と胡桃澤が座っているソファの後ろを移動すると、ミカウバーのところへ向かう。

 彼が田中の横をすり抜けたときだ。

 今だ。

 田中は勢いよく立ち上がる。

マルコムの後ろから左腕で首を絞め、それと同時に彼のレッグ・ホルダーから自分のマカロフを抜き取った。

自分のことながら一瞬の出来事だったと思う。

ミカウバーは呆気に取られているようだった。

田中は「武器を捨てろ!」と鋭くマルコムの耳元で叫んだ。

彼はマルコムの背中に銃を押し付ける。

数秒の沈黙があった。

誰も動こうとはしない。

しかし、どうすることもできないと悟ったのか、マルコムは手にしていた銃を猫柳が座っていたソファに投げる。そして田中は、マガジンポーチやダンプポーチが装着してあるベルトを引っ張ると「こいつも外せ」と指示した。

マルコムは黙って同じようにソファに装備を投げると、文字通り丸腰になった。

大人しく両手を上げる。

顔にはマスクを被り、黒っぽいアサルトスーツだけを身に纏った姿は、あまり格好のいい姿ではない。田中は他にも装備が隠されていないか確認するが、何も持っていないことを確認すると、今度はミカウバーに指示を出す。

「武器を捨てないと、こいつを撃つ。手錠の鍵を出せ!」

 マルコムの後ろから、真っ直ぐとミカウバーを睨み付ける。

 要求は聞き入れられる確信はなかった。本当にテロリストならば、仲間の命よりも大儀を優先するかもしれないと脳裏に浮かんだ。ミカウバーは役に立たなくなったマルコムごと自分を撃ってくるかもしれない。

 もしそうなればどうするか。

田中がそんなことを考えていたときだった。

意外にもあっさり、彼は銃を捨てた。

マルコムと同じようにソファの方へ投げる。

「田中くん……今はこんなことよりも他に、やるべきことがあるんじゃないかね? このままだと君も、この場にいる全員が死ぬことになるぞ」

 田中はミカウバー行動を監視しながら、アタッシュケースの中身を見た。

 赤く光るデジタルタイマーに、緑色の基盤が剥き出しになっている。黒く長細い物体が何本か横たわり、基盤から伸びた配線がつながっている。きちんと信管が差し込まれているこの黒い物体にはビニールの上には、黄色くプリントされた横文字が見えた。そのパッケージから想像できるのは、映画やドラマでお馴染みのC4爆弾だ。爆弾の中でも、こうもメジャーなのはプラスチック爆弾の中でもC4は扱いやすく、実際に自衛隊などで訓練に使用されることがあるからだろう。

 タイマーを見ると、どうやら十分後に起爆するようセットされているらしい。それもアタッシュケースが開かれたら、自動的にタイマーがセットされるようだ。現在は八分三十秒を切ったところである。

 ミカウバーはマルコム同様に丸腰になったところで手錠の鍵を右手に持ち、前に突き出す。「鍵だ」と、苛立ったように彼は言った。左手は肩の辺りまで手を上げていた。田中は「先輩、受け取って手錠を外してください」とソファに座っている彼を見た。

 黙って事の顛末を見守っていた胡桃澤は、我に返ったように頷くと、ミカウバーから鍵を引っ手繰るようにして、自分の手錠を外した。

 両手が自由になったことで、彼も少しは安堵したようだった。

 ミカウバーは両手を上げたままにしている。

 しかし、彼の目は胡桃澤から離れていなかった。

 その視線に田中は、もしやと思った。

彼の左の手の平が不自然に上向きになっているのに田中は気付く。

「先輩! そいつから離れて!」

 ミカウバーが動いた。

 胡桃澤が、彼の言うことを理解するまでに時間がかかったのか、一瞬離れるのが遅かった。ミカウバーが左手の人差し指に掛けていたリングが一回転すると、そこには猫柳が持っていたカランビットナイフが現れる。右腕で胡桃澤の首を押さえ込むと、彼の首筋にナイフを突きつける。

 胡桃澤は、その三日月のような刃を覗き見るようにして固まった。

 田中はマルコムに銃を突きつけたまま動かない。

 ミカウバーも胡桃澤に切っ先を向けたまま動こうとはしない。

 双方の間にある爆弾は、六分を切った。

 ミカウバーは条件を出す。

「さっきも言ったが……まずはこの爆弾を止めなければ、お互い死ぬことになるぞ。そっちの言い分もあるだろうが、死ねば元も子もない。そうだろ?」

「まあ、そうっすね。猫柳さん、解除してもらえますか?」

 二人の視線が猫柳に向けられる。

 彼女は壊れた人形のように足を投げ出し、右手で左肩を抱いていた。

 彼女は顔を上げようとはしない。

 気を失っているわけではないだろう。

 呼吸は少し荒いが、かすかに唇が動いている。

「なにっ……?」

 ミカウバーが声を上げた。

 彼女がいる場所はミカウバーの左後方になる。田中の位置からでは彼女が何を言ったのかは聞こえなかった。

 しかし、ミカウバーの目が緊張を帯びているのがわかる。

「猫柳さん?」

 不審に思った田中は再び彼女を呼んだ。

「……いの……」

「えっ? どうしたんすか?」

「解除する方法は知らないの!」

 猫柳が吐き出すように言う。

「この……この爆弾はエマージェンシー用なの! つまり想定外の事態が発生したときに、研究データやサンプルが流出しないよう爆破処理して証拠隠滅するためのものなの。止めるには……研究室からの遠隔操作でしか止められない……でもそんな時間もない。この分室から解除することは……できない……もう無理よ!」

 彼女の目からは涙が頬を伝い、対照的に口元には自棄にも見える笑みを浮かべる。

 なんとしてもこの研究を止めると粋がってはいたが、やはり死ぬのは怖いのだろう。

 田中はミカウバーを見て言った。

「じゃあ……とりあえず一時休戦して、ここから逃げた方がいいんじゃないすか?」

「どさくさに紛れて逃げる気だろう? 我々の存在と計画を知ったんだ。生きて逃がすわけにはいかんな」

「そうは言ってもお互い人質をとっているんすから、ごちゃごちゃ言ってる暇があったら逃げた方が利口じゃないすか?」

 選択の余地はないように思ったのだが、それでもミカウバーは何やら思案しているようすだった。しかし、猫柳が再び口を挟む。

「それも無理よ。何のための爆弾と思ってるのよ……爆弾が起動した瞬間から、すべての出入口はロックされるようになってるわ。嘘だと思うのなら試してみなさいよ」

 彼女にそう言われ、ミカウバーは一番近いシャッターの部屋とをつなぐドアの方へと移動すると、胡桃澤に「開けてみろ」と指示する。鋼鉄製のドアの取っ手はL字になっており、これを下へ下すと開く仕組みになっているが、彼女の言った通りロックしている。

 胡桃澤は何度か同じ動作を繰り返すが、やがて首を横に振った。

 田中は舌打ちをする。

 爆弾の起爆装置を彼女は解除できない。

 壁を壊す時間もない。

 時間が経てば当然爆破する。

 あと四分二十秒。

 時間がないのはわかっているが、膠着状態のままお互いに人質を放そうともしない。

 万事休すだった。

 だが、命が助かる方法がたったひとつあった。

 田中は呼吸を整える。

 ここで死ぬわけにはいかない。

「わかった……とりあえず、止めればいいんすよね?」

 三人の視線が田中に集まった。

 おそらくマルコムも聞いているだろう。

 訝しむミカウバーが「どうやって?」と聞いてきた。

「俺が解除する。だから先輩を放してもらえますかね?」

「ふん。冗談だろう。君のことは調査済みだ。ただのチンピラ風情に何ができる」

「ただのチンピラじゃなかったら?」

 田中はそう言うとマルコムから手を放し、彼をミカウバーの方へと突き飛ばす。突然のことにマルコムも驚いていたようだが、田中の持つ銃はまだ彼に向けられたままだった。

「これで先輩を放してもらえますかね」

「こいつを放せば、お前は俺たちを撃つ」

「じゃ、これで」

 田中は銃を作業台の上に静かに置く。

 これで対等というわけではないが、ミカウバーが持っているのはナイフだ。ここで胡桃澤を殺しても、何のメリットもないだろう。

 あと三分四十秒。

 このまま爆弾が爆発すれば死ぬ。

 それも全員。

 そこで田中が解除できると言い出した。

 これは駆け引きのように見えるが、選択の余地はないはずだ。

「思想という大義のためとはいえ、死ねるんすか……?」

 急かすように揺さぶりをかける。

 ミカウバーが息を呑むのがわかった。

 田中は爆弾のすぐ前までゆっくりと進む。

 アタッシュケースの中を、もう一度確認した。

 そしてその構造を説明する。

「確かに……遠隔操作ができるような装置は見える。でも、それは操作されなければただ据え付けられているだけの玩具っすね。タイマーから信管を通して起爆する回路をループした方が良いかと思ったんすけど……構造は思ったよりシンプルだ。作った人物はそれほど爆弾に詳しいわけじゃない。ニクロム線のダミーが三本、青、緑、黄色。これは絶縁線だから切ったら爆発する。でも、残りの赤の線は起爆用の線なんでこいつを切ればタイマーも止まるっすよ」

「ここまできて……信用しないわけじゃないが」

 ミカウバーの警戒心も緩んできたようだ。

 だが、まだ胡桃澤に突きつけたナイフはそのままだ。

「君は、何故そんなに爆弾に詳しい? まるで作ったことがあるようだ」

 そう言った彼の目は、返答を求めていた。

 あと二分三十秒。

 どのみち線を切るにはナイフが必要だ。

 探すよりも彼が持っているナイフを使えば、胡桃澤も自由になり一石二鳥だ。

 今は、死ぬよりも生き延びることを選択するべきだと思った。

 田中は頭を掻きながら言った。

「四月八日に起きた爆弾テロ……あの犯人は俺です」

「なに……?」

 ミカウバー驚愕したような声を漏らす。だがそれと同時に、田中に爆弾が解除できるという確証を掴んだようだった。

 田中は両手を上げた。

 そして顎でアタッシュケースを指すと「あんたが切ってくれ」とミカウバーに言う。

 彼もタイマーを見た。

 あと一分二十秒。

 カランビットナイフを胡桃澤の首から遠ざけると、彼を押しやり、田中の傍に来た。二人は並んでアタッシュケースの中を覗き込むようにしている。

 奇妙な光景だった。

 それは並んだ二人が同じく思ったことだろう。

 田中は確認のために、内部回路を慎重に確かめているようだった。

「トラップがあるな。赤い線の裏側に細い単線が貼り付けてあるんすね。これはたぶん絶縁線だろうから……うっかり一緒に切断すると起爆する罠だ。この太いニクロム線だけ切ればいいっすよ」

 他の三人は、その様子を見守るばかりで動こうともしなかった。

 何がそうさせたのかはわからないが、妙な行動をすれば爆発してしまうような気がしたのかもしれない。化学兵器の研究者を誘拐した強盗と、それを誘拐したテロリストという冗談のような取り合わせではあったが、このときばかりは誰もが固唾を飲み込むようにして爆弾の起爆解除を見守っていた。

「この線か……?」

 田中は頷く。

 あと二十五秒。

 彼に言われたとおり、太いニクロム線にナイフを引っ掛ける。

 ミカウバーの手が少し震えていた。

 後ろにいるマルコムに目をやり、何故か胡桃澤と猫柳の方も目をやる。そして彼らもミカウバーに対して、信頼の念を抱いているように見えた。ミカウバーにとって二人は気にする存在ではないはずなのだが、この異常な環境が妙な感情を産んでしまったのだろうかと田中は思った。

 ストックホルム・シンドローム。

 それに似ていた。

 一九七三年。ストックホルムで銀行強盗があった。銀行に監禁された人質たちは、犯人と長時間過ごしたことによって過度の同情や好意を抱いてしまう。これは異常な状況下で起きた一種の心理現象だ。

 あと十秒。

「切るぞ!」

 ミカウバーが叫ぶ。

 ナイフに力が入る。

 赤い線が鋭角になった。

 そして刃が通る。

 咄嗟に、後ろの三人は身を屈めた。

 静寂。

 何秒間そうやっていただろう。

 恐る恐る顔を上げる。

 タイマーの文字盤は消えていた。

 起爆解除は成功したのだ。

 ミカウバーも半腰になっていたが、作業台の下から顔を出した。

 ふと、四人の視線が集まる。

 田中は立ったままだった。

 爆弾を止める自信があったからかもしれない。

 しかし、彼の様子がおかしかった。

 次の瞬間、田中はアタッシュケースの中に手を突っ込むと、爆薬であるC4を毟り取るようにして外した。

「お……おいっ! 爆発するぞ!」

 ミカウバーは声を上げながらも後退していた。

 田中は爆薬をコーティングしてあるビニールを剥がすと、事もあろうか黒い爆薬を口元にもっていくと、それにかぶりついた。

 他の四人は呆気に取られ、黙ってその様子を見ていた。

 田中はすぐさま爆薬を放り捨てる。

 そして口の中に残った異物を床に吐き出した。

 彼は作業服の袖で口を拭く。

「これ……ただの粘土っすね」

 取り乱した様子はない。

 予測していたようだった。

 口の中の違和感がなくならないのか、再び唾を飛ばすと、先ほど作業台の上に置いたマカロフ銃を掴む。

 ミカウバーが小さく「あっ」と言った。

 そのかすかな声を掻き消すように爆音が室内に響く。

 一発の銃声。

 ミカウバーは腹を押さえて、仰向けに倒れた。

 彼の腹の部分だけは、服の色よりも深い黒色に染まっていく。

 一瞬の出来事に、誰も声を上げなかった。

 ただ他人事のように、その様子を眺めているだけだった。

 田中はもう一度銃を構えた。

 銃口は、ミカウバーの横にいたマルコムに向けられる。

 躊躇いなく、また銃声が鳴った。

 彼もまた、ミカウバーと同じように腹を押さえながら、よろよろと後退りするとキャビネットを背にして崩れ落ちた。

 爆弾が止まって、一分も経っていない。

 二人を撃つのに十秒とかかってないだろう。

 胡桃澤は、やっとのことで口を開く。

「お前……何やってんだよ」

 彼の声が、田中の耳に届く。

 すると田中は、ゆっくりと胡桃澤に向き直った。

そして銃口を彼に向けて言う。

「すんません。先輩は殺したくないんで、大人しくしてもらえますか」

 そう言った彼は、胡桃澤の前を通り過ぎると、猫柳の襟首を掴み上げて強引に立たせようとする。

「ちょっと! やめてよ!」

 わずかに抵抗しようとする彼女をキャビネットに押し付けると、銃口を腹の上にぴたりと押し付ける。

「もしかして、爆弾が偽物だって知ってたんすか?」

「そんなわけないでしょ! 研究室にいたときに、緊急事態のときにはそうするようにと研究員はみんなそういう教育されていたんだから。私が何か企んでると思ってるわけ?」

「いや、そうじゃないすけど……」

 気圧されるような反論を食らった田中は、それ以上追及しなかった。

 たしかに彼女はこの兵器の研究を止めるために、はじめはマスコミ等への情報公開を考えていた。そしてテロリストに悪用されることを知った彼女は、この施設ごと爆弾で吹き飛ばすという行動に出た。研究所で教えられていた方法で。

 だが、その爆弾は偽物だった。

 偽物を置いておく理由がない。

 これでは緊急事態が発生したときでも、証拠隠滅することができないどころか、今回のようにテロリストに占拠されるような事態になっても脅しにしかならない。

 だとすれば誰かが偽物とすり替えたのだろうか。

 何かが腑に落ちない気がしたが、田中は次の行動へ移ることにする。

 どうやら、事態はややこしい方へと向かっている気がしたのだ。

 事態の収拾よりも、一刻も早く目的を果たすことが優先だと思ったのだ。

彼は猫柳に銃を突きつけると「奥の部屋を案内してもらえますかね」と言った。

 猫柳は左手首を取られ、合気道のように体の後ろに曲げられた。

「痛いって!」

 そのまま田中は銃口の位置を彼女の背中へと移動させると、奥の部屋へとつながるステンレスの扉へ向かわせる。

 胡桃澤はその前に立ちはだかった。

「待てよ。どこへ行く気だ」

 田中は動きを止めるが、言う事を聞く気はなさそうだった。

 爆弾を処理する前とは、明らかに目つきが違う。

「お前には聞きたいことがある。さっき、四月の爆弾テロは自分がやったって言ってたよな。あれはどういう意味だ。たしかに爆弾のことは詳しいようだ。爆薬も偽物だってことすぐにわかったみたいだしな。あの事件は本当にお前がやったのか? 爆弾もお前が作ったってことか?」

「先輩……そこをどいてください」

「納得がいく説明がなければ、ここを通すわけにはいかない。だいたい猫柳が持っているデータは、お前が探していた麻薬取引のデータじゃなかった。だったらこの分室にはもう用はないはずだろう?」

「……取引データを探しているのは嘘です」

 彼の目は、まるで深淵を覗いているかのようだった。

 いつもの彼ではない。

 そこには胡桃澤の知っている彼はいなかった。

「俺の目的は、はじめからこの施設にあるマスタードガスなんですよ」


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