~プロローグ~
今回の作品は昆虫が多数出てきます。
苦手な方はご注意ください。
なお、初心者のため暖かい心でお願いします。
僕の世界は真っ白だった。
正確には、目に見える色覚が真っ白って訳じゃない。
世界は人類が中心で回っていて、人類の配下について暮らしているのは動物や家畜のみだった。
だけどまだ生物は存在するわけで、はっきりと言えば"虫"だ。
虫だけは人類の配下に落ちず、小さなものから大きなものまで自由に、大半は羽を使って宙を飛びながら繁栄している。
もちろん、人類は虫というものを嫌って幾度となく駆除してきた。理由は人類にとって危害、損害を生むから。
蜂が自身を守るため、尻に毒針を宿したように人類は忌み嫌うものは全て排除してきた。
それを、神は許さなかった。
魂というものが存在するのなら、よく考えれば家畜も生物も虫も同じ命なわけで、人類の繁栄の邪魔だからと忌み嫌って排除するのは愚かな間違いである。
神は人類を世界の次に産み出し、そこから様々な生物を産み落としたが、神は人類をずる賢くし過ぎたのだ。
その結果、人類はその心の豊かさと頭の知的さゆえに衝突と奪い合いを行うようになった。
少し、話はずれたけど…言いたいのは人類は醜いのだと言うこと。
そして、その代償がきっと降りかかるのだということ。
実際に、人類には今、危機的状況に侵されている。
忌み嫌う虫は、今まではただ少し見た目が気持ち悪く、本能的に嫌って殺す、という小さなものだった。
普段暮らしている内ではたまに蚊などが邪魔だな、と思うだけで済んでいた。
そして蜂が蜂蜜を作り出すことを知って利用し、蜂蜜収穫で富を得るだけだった。
2032年、夏。
虫というものは暖かい、暑い気候では活発に動く。
この時期が一番、虫の新種が見つかりやすい。
新種は科学者が普通発見するものだが、この年に発見された虫の新種の第一発見者は、ただの主婦だったのだ。
新種の虫は弱っていたらしく、その場で息絶えたそうだが、その容姿が問題だった。
鋭く尖った大きな顎、黒く染まった二つの眼に黒と黄色の縞模様が描かれた腹、繋ぎ目から延びる翅。
人目見るだけで分かる、尻から伸びた巨大な針。
特徴は、オオスズメバチだった。
大きさは、普通の蜂より何倍もあった。
人間を、軽く噛み潰せそうな…そんな大きさで、数十メートルもある巨大な蜂だったのだ。
その日から、次々と巨大化した虫が発見され始めた。
ただ、変わったのは大きさ以外もあり、普段は危険の少ない虫も凶暴化し、新しい部位が攻撃的な武器として使えるものばかりだった。
人間も、簡単には駆除出来なくなった。
その内、人間を餌として捕食するようになった。
人類はこれを危険的状況とし、対策を講じることになった。
僕の世界は真っ白だった。
この巨大昆虫が現れるまでは。
人類は、この巨大昆虫を"ギリアン"。
当時最初に巨大蜂を発見した主婦の名をつけた。
今回はプロローグで、巨大昆虫ギリアンの生まれを簡単に書いてみました。
電撃文庫に有りがちな人間とは比べ物にならないほど大きな敵。
よくある設定で何処まで面白くできるか、少し不安ですが頑張ります。
なお、私は学生のため投稿は未定で次はいつか、お伝えできません。ご了承ください。
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