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勇者 sideリン

朝からお城がいつもの様子と違った。

「どうしたんですか?」

先輩に聞くと、

「懲りずに勇者が来るんだって」

ドクン。心臓が大きな音を立てる。

あんたは危ないから部屋にいな、先輩が私を部屋に入れて、魔法で鍵をかける。

慌てて、外に出ようとしても遅かった。

ゆうしゃがくる。

学校の誰かか、いや違う。卒業生の誰かが、あの森を抜けて、ここに辿り着いたんだ。

言いようのない、ゾワゾワとした、気持ち。

不安。焦り。

何に対しての不安? 焦り?

その先が掴めずに私は部屋をうろついた。

部屋の窓からは何も見えない。

なぜか音も聞こえない。

魔王は死なないだろう。

今までもそうだった。

勇者は死ぬだろう。

だって、魔王に戦いを挑んだものは皆そうだったから。

私以外。

私は勇者になれなかった女で。

そこまで考えた時、大きな光が窓にぶつかった。

窓は壊れなかったけど、目に入り込んでくる光。爆発。赤。

赤。叫び。恐怖。

「いやああああ!」

怖い。誰か、助けて、誰か。

喉が痛い。苦しい。涙も鼻水も、痛い。

喉をかきむしって、血が出てもかきむしって。

「大丈夫か?」

低くて、落ち着いた声が、私を包んだ。

「うええ、ごほっ」

咳き込む私をあたたかいものは抱きしめてくれる。

「大丈夫だ、もう大丈夫だからな」

背中をポンポンと叩かれて、おでこにキスされて、私は眠くなる。

「ゆっくり寝て、忘れろ。起きたら、もう怖いものは何もない」

その魔法は私に溶けこんでいく。

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