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敬え、後輩よ

 

「先輩方。私、来遊部に入ります」

 部室に急に入ってきたのは風紀委員に見つかったら殺されそうな子だった。シャツのボタンは締めずに、スカートの丈はもう中見えちゃうぐらいギリギリの長さで髪は茶色に染めている女の子が立っていた。やっべ……どストライクな顔立ちだ。それより、もうどこ見ればいいのかわからんぐらい肌の露出度が高い。自然と、ごく自然といるのが限界地点だ。

「おー、大歓迎だよ! はぁ、はぁ……」

 ソファでだてみち先輩が前のめりに座り、妙に興奮している。八人目の部員候補が来て嬉しいのか性的に興奮してるのかどっちなんだ……。俺の隣で興奮するのやめてもらえますかね。

 そんなだてみち先輩を見て睨んでいる白土先輩。怒ってますよ、だてみち先輩。白土先輩が!

美音(みおん)、来遊部に入るってホントなの?」

 美波のやつ、こいつと知り合いなのか? 美音といったか、この子。

「知り合いなのか?」

「えぇ、美音とはモデルで一緒に働いてるの」

「へぇ」

 モデルが二人もいる部活になる恐れがあるのかぁ? ちょっと有名になっちゃうよ、俺たち!

「とりあえず座って、美音」

 美波は俺が座ってないからって俺の席に座らせやがった。そんなスカート丈で椅子座っちゃまずいだろ。俺らには背中しか見えねぇけど足も組んでまぁ……。ちなみに美波は俺の隣の席が定番の席になっていて、さっきからウトウトと眠っている麻由美はだてみち先輩の席の隣にいる。ほかは定番位置にいる。(だてみち先輩と俺はソファ位置)

「ねぇねぇ、なんで入りたいの~?」

「あたしが入りたい理由? そうだねー、うーんとねー」

「あたしと一緒にいたいからとか?」

「な訳ないっしょ。本気で言ってんすか、先輩」

 美波、よく頑張ったな。初対面でいうのもなんだが、舐めすぎだろ。

 先輩、先輩いうからには一年なんだろうけどちょっとは敬えや。

 いくら美波のウザさ知ってるからって後輩は後輩、先輩は先輩だ。

 後輩が先輩にタメ語はよくねぇ。高校生になったんだしさ、中学生ならまだしもな。

「……じゃあ、暇人に付き合ってらんねぇよ……とかそういうの?」

「ち、違うよ。あたしはそんなんで入らねぇよ」

 あぁ、ちょっと叱ってやっかな。常識知れ、常識! 外見磨きすんじゃねぇ、内見磨けよ。

「おい、美音とかいうガキ」

「ガキってなんすか……ってヒィ!!!??」

 頭だけ後ろを振り向いた美音は俺を見た瞬間顔を真っ赤に染めて前に向き返した。……ほらな? 失礼だろ? 気に食わねぇ、気に食わねぇ。先輩後輩ともどもそっくりだな。そこのモデルやってる奴らもこんなんなのかね。

「こっち向かんでいいから話聞け」

「……わかった」

 意外とおとなしい奴だな。一瞬ドキッときたわ。って俺の変な性癖か。

「後輩が先輩には敬うんだ、わかるか」

「……うん」

「だから、それだよ。うん、じゃねぇの。はい、だろ」

「うん」

「わざとだろ、それ。まぁ、いいけど美波がどんだけウザかろうと知らねぇけどさ、先輩は先輩なの。だから、敬語ぐらい使え」

「わ……わかりました……ってもう嫌!!!とりあえず、入るからさ、先輩、入部届出しといて!」

 走って部室を出て行った美音。……あいつ、やっぱ気に食わねぇわ。俺に無害だけどな。

 


 結局美音が理由なく部にはいってきた。けど何か顔真っ赤に染めて……そんなに俺に喋られんの嫌だったのか?二度とこっちから喋ってやんねぇよ。

 帰り道、橋を渡り終えて美波とも別れたところ。俺と麻由美は二人で帰り道を歩く。夕焼けに染まる家々が綺麗に見えるのは俺だけだろうか。俺だけだったら一生綺麗だと思わないでおこう。

 それより、部員が七人も揃った。明後日で今月が終わる一週間前になるのか。時間だけが恋しい。そう思えたのは生まれて初めてだ。今までだらだらと過ごして、高校も普通ぐらいのとこ行って、部活にここまで悩まされるなんて自分でもすごいと思う。

「ねぇ、そうくん」

「なんだ」

「あたし、部活はいろうと思う」

「ほ、ホントか!!?」

 微笑んでくれる麻由美の横顔が俺の目を彩る。

「これからもよろしくね」

「ああ、よろしくな」


 これで部員は八人。これで廃部はないと思っていた。それは皆そう思っていたはずだ。

    その時までは――

 書き始めたら止まらないんです。小説かくの。

 もう……俺に勉強をする気力がないんですね。



             次回は、つつつ遂に、あの方が?

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