尻取≠しりとり
くだらねぇ日々だ。美波が入ってきてから一週間はテスト週間だったため基本お遊び気分ではなく、勉強気分で部室へやってきていた。
そのテストも終わり、いつもの日常が訪れる一日目が……くだらんもんだ。
「今日集まってもらって光栄に思う。今からしりとりを始めたい」
そう言ったのは、だてみち先輩だ。
「何を突然そんなことを……?」
「今日の昼休み、友達と遊んでた時のことだ」
「え、何? 何か語りだすの?」
「A君が俺に『お前、尻取って知ってるか』って聞いてきて、俺は『知ってるよ、字の最後の言葉を次の人が最初の言葉にする遊びだろ』って言ったんだ。そしたらA君が『それはしりとりだろ。尻取だよ』って……ひどくないか!?」
「何がひどいの! A君って誰だよ! しかも、なんの会話だよ!」
「だから、今日はしりとりを侮辱された分しりとりするぞ!」
てな訳で、俺、だいきち、だてみち先輩、白土先輩、美波の五人でしりとりをすることになった。
A君も侮辱するつもりじゃなかったと思うけど、大分悪者扱いされている。けど馬鹿だね、A君。結構、だてみち先輩は人に馬鹿にされると弱かったりするんだよね。尻取としりとりって会話の中じゃわかんねぇよ!ってか尻取ってなんだよ!少なくとも俺は知らないね。しかも、みんな先輩の性格をわかってしりとりやるからいい奴らなんだよな。来遊部はこういうところは嫌いじゃない。
「普通のしりとりは面白くないんじゃないか。お題でも決めようか」
割とノリノリのだいきち。そんな時でもパソコンは標準装備だが。
「そうだな。お題は……最近起こったことでいいか」
なんてお題出してんだ。普通、生き物とかそういうのだろ。だてみち先輩は割とボケている。
そんな感じで俺からしりとりがはじめられた。
「め……目に野球ボールが当たって痛かった、のたで!」
次はだいきち。
「たい焼きは想像以上にまずい」
どんな想像してんだ……次は、だてみち先輩。
「い……いかんっ!寝過ごしちまったぜ、兄貴!」
「お題外れてるよ! 次、白土先輩!」
「気合注入」
お題から脱線しすぎている、成り立っていないぞこのゲーム。次は、美波だが……
「う……うちの体、もう持たへんさかい。助けておくんなまし!」
「……お題変えませんか。おかしい人が数人いるみたいです。ほとんどだけど」
「文句を言い始める奴が出てきたぞ。だてみち先輩、これは侮辱していますね」
なんで割とガチだっただいきちが敵にまわるの……? 怒るのは先輩らにだろ。
「お前までもが侮辱するのか! 見損なったぞ、蒼介」
「くだらねぇー。なんてくだらん会話だこれ?」
「次は、松阪だ。んで終わらせることは反則とみなすぞ」
なんでルール決めれる権力あるんだ。で、いつ終わるんだよ、これ。
気合注入とかいってセーフならこんなもんでもいけたりするかもな――
「う……●●●だ\(^・^)/……」
…………………………………………………………
一斉に俺以外のメンバーが立ち上がる。あれ……俺、やっちまったな……
そして、皆は扉を開けて出て行く。凄いノリだなこりゃ。
俺一人、ただ一人で部屋を制圧した。征服したんだ。こりゃあ、もう……死にたくなるわ。
もう帰ろうか。
ども。テスト間近だー。うわー。そりゃだるいわー。
てなわけで、どうでしたか? ちょっとしたサブストーリー的な感じでしたが。
有無無、次回はどうでしょうか??