時計屋さん
「ロック、時間だ。」
見た目が青年の燕尾服は懐中時計を見ていた。
「あー、もうちょい待って。」
ロックと呼ばれた長身の男は、鏡を見てネクタイをキメている。
「間に合わんぞ。」
「…よしっ、行くか!」
女は友人との昼食から自宅へ帰ると、自分の家の前に人集りができているのが見えた。何事かと思い、近づくと誰か女性が倒れているのが見えた。出血しているようだった。女は仰天したが、女性の服装は自分によく似ているのではないかと思ったその時、背後から、革靴が地を鳴らす音がした。
「田中久江、87歳2ヶ月41日。西暦20XX年10月3日午前11時34分52秒、東京都___区◯丁目、失血死、他者による__」
知らない男が自分の名前を呼んだ事をマジックか何かかと一瞬考えたが、その後に聞いた文字の並びを認識すると、自分の思っていたよりずっと最悪な事が起こってしまったのではないかと変な汗が出そうになった。
「貴女ですね。」
その言葉で女の中は絶望でいっぱいになった。
「私は“時計屋"のクロと申します。貴女をお迎えに上がりました。」
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