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3.「SF小説」を書こう!

 ちょっと、一息置こうか……。深呼吸して落ち着いて、と。


 ふう~。で、だ……『何でまた、日間ランキングとかに載ってるんですかぁ!! 誰か説明して下さいよ!』である。


 はぁ、すっきりした。何だかなあ……。本編を書く暇が無いじゃないですか。


 

 まぁ、それは良いとして。概念的な話よりも、実践が必要ですよね。


 ……という訳で、『SF小説』の書き方の時間だ!


 何かと言えば、投稿している本編の方はかなり終盤なのだが……『ローファンタジー』と言うジャンルにもかかわらず、結構SF要素を濃くしてある。


 何と言うか、トンデモ科学やら神話やらと言った特殊な存在と「SF」と言うのは、結構噛み合うのだ。むしろ、こちらの方が「ガチガチのハードSF」よりも利点が多い。


 ……では、具体例を示そう。



 本編では、後半から『魔族』と言った存在を出して、どういう生態なのかを少しずつ説明して行った訳だ。……こういう設定と言うのは、一度に出すものではない。露骨にやるとドン引きである。


 すこーしずつ、じわりじわりと寄せていくのだ。実例を見せながら、後半の伏線や難解な用語をチョロッと出したり、引っ込めたりする。


そうして、強制イベントである『オスマン帝国の戦い』で、ドサクサ紛れに「魔王軍を編成だ!」として既成事実を作る、と言う流れである。


 ……この辺の「空気感」というか「ニュアンス」については、初心者では無いのだ。


 「SF小説」に関して言えば、数十年単位で積み重ねて来たものがある。「どうやったら読者に伝わるのか」と言う点においては、むしろこちら側の得意分野である。


 ……例えば、ファンタジー小説ではおなじみの「ゴブリン」を例に出そう。


 アイツら、何であんなに集団行動が得意なんだろう? と言う所がポイントだ。モンスターだから、と言う理由では面白くない。


 何か特殊な「ガジェット」を考える。そこで出てきたのが『集合精神体』と言う説明。


 ググっても無駄だ……。私が考えた造語だから。いわゆる「百匹目の猿」と言った方が、分かり易いかもしれない。トンデモ科学というか、SF的な概念ではある。


 誰か一人の行動や経験を共有する、と言うのはそれほど不思議な事でもない。「生存競争で生き残るために手に入れた」とか言う雑な説明を入れれば、そこまで違和感は無いと思う。



 ここは主人公達に「そういう物」を体験させて、リアリティを持たせるのだ。ここでは、スリングショットの作り方・使い方を教えた。


 そうしたら『全員が同じ事を出来るようになった! ビックリ!!』で構わないのだ。


 ……こいつは伏線である。本命は別にあるのだ。要は、主人公の体験を通じて『そう言うものもあるのか』と、読者に納得させる。


 そうして、なし崩し的に「魔王軍」を立ち上げさせて、人間達と連携して実戦させるのだ。


 気が付けば「魔王様」だの「魔族」だのと言う前に『戦友』と言う意識が出来る。そうなればコチラのもの。


 ……超常現象である筈の「魔族」も仲間扱いとなる。こうなれば「一緒に頑張ろう」という気持ちも沸くというものだ。



 さて、この段階で「最高神」と呼ばれるポンコツ女神を少しずつ登場させる。いきなり出すと「ご都合主義」感が出るので、これまた『夢の中で見た』という感じにする。


 この辺は、まだ「仕込み段階」である。神様などと言う、超常現象をスルッと受け入れさせるのも難しい。「身近な存在が、実は神様でした!」という、ドッキリを行うのである。


 ……対象は、最序盤から登場させてきた『本部メンバーの三人』だ。別に、最初から考えていた訳ではないのだが。


 書き溜めていくうちに「このポジション、使えるんじゃね?」という、囁きがあったのだ。


 人数は、ピッタリ三人組だ。上手い具合に神話では『運命の三女神』と言う、有名な存在がいるのだ。


 『ああっ女神さまっ』や『FSS物語』とかを知っていれば、詳しいかもしれない。『過去・現在・未来』という「運命」を司る女神達である。


 まあ、ラキシスとかアトロポスとか……。ベルダンディとかは出身が違うだけで、同じ様なヨーロッパの神話体系の神々なのである。


 ……なお、ここ迄ノープランだった模様。凄いマッチポンプ感。


 という訳で、顔見知りが突然の告白をすれば主人公も動揺する。なぁに、もう『破壊神』も少しずつ存在は知らしめて来た訳だし他の神様もいるのか、と思わせれば良い。


 こうやって「設定」と「既成事実」を積み上げて、少しずつ「リアリティ」を盛っていくのが「SF」の本質なのだ。やっている事は、自作の宣伝であるのだが……。



 さて、いよいよ「仕上げ」に掛かるとしよう。


 「運命の三女神」から語られる「最高神」のポジションとその実態は……「ポンコツ女神」でした! とやってやれば、随分と登場のハードルが下がる。


 ここで先程「ゴブリン」の習性である『集合精神体』が人間にもあると、告げられる。それが「最高神」の力だ! とくれば、実例を体験済なので受け入れやすくなる寸法である。


 ……いきなり最高神が出てきて「私の『集合精神体アガスティア』が!!」などと、のたまうのに比べれば随分とマイルドだと思う。


 「……お前は、何を言っているんだ?」状態の防止である。大事な事なんですよ、これでも。


 なお、この内容は脳内プロットにて作成されている。いわゆる「アドリブ」である。そして、既に十数万文字を費やしている模様。


 ……ギャグとシリアスを繰り返しながら、突拍子もない事実が積み上げられていく。ここ迄、一気に読んだ読者は「まぁ、最高神もいるかも知れん」位にはなるでしょう。



 そうして、膨大な描写の末に「暇を持て余した神々の会議」へと雪崩れ込む事になる。


 目一杯、神々達に自己主張をさせてあげるとしよう。


 ……随分と絶望的な戦争の後なのだ。結構なカタルシスの開放となるだろう。


 これで百数十話を掛けて、サブタイトルである「あるいは神様でいっぱいの世界」の回収である。


 お疲れさまでした。もう少しでエンディングですね、となる訳だ。



 これを真似しろとは言わない。流石に無計画でやるには、ちと大掛かりだ。初投稿なのだから……と、自分を抑える前にこうなってしまったのだ。


 ……まぁ「SF小説」なら、良くある事だ。


 という訳で、本編の宣伝を兼ねた「SF小説」の書き方、となる。


 要するに、きちんとやる前に「しっかりと考えて、繫がりや伏線を仕込んでおく」のが大事だ。


 何処で、どんな伏線が繋がるか分からないからである。


 ……もう一度言おう。「この内容は、脳内プロットで作成されている。いわゆる『アドリブ』である」


 素人にはお勧めしない。だが「この方が面白いって」と囁く存在がいるのだから、仕方が無い。


 よく創作物づくりで言われる「神が下りてきた」状態である。


 結果は……まあ、しっかりとブックマークは残っている。むしろ増えているのだ。


 良くも悪くも「なろう系」では、作れない創作論である。「テンプレなろう」とは違い、こいつは長編でも飽きさせない様に幾つもの仕掛けを用意してある。


 ……ハマる人は、滅茶苦茶ハマると思う。そう言う小説なのだ。「忘れられない体験」と言うキャッチコピーが欲しい所である。


 願わくば、その方の「初SF小説」として、良い体験となる事だけである。


 では、皆さん。よき「SF」ライフを。

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