短い更新
さて困ったものだ。
敵は階段を上って二階のバルコニーというか、そんなところに並んでいる。
しかも火縄銃が三丁。
すでに発砲した二丁も、いま弾込めをしているところ。
火縄銃などというものは、ひと塊になって一斉に発砲しないと弾がどこに飛んでゆくかわからないものではあるが、どうやらこの間合いでは命中できるようだ。
つまりいま現在、私たちは死ぬも生きるも彼ら次第、という状況なのである。
ピンチである。
これ以上無いというくらいに。
しかし私は、恐怖も危機感もなかった。
モミジとその仲間たちは、ガチガチと歯を鳴らして震えているというのにだ。
だから私は聞こえよがしに、のんきな口調で言う。
「あ〜あ、こんなときに忍者が颯爽と現れて、格好よく敵をやっつけてくれないかなぁ」
すると敵の背後に、影が舞い降りた。
ナンブ・リュウゾウの手の者、イズミである。
長い髪を無造作に束ねて、大工のような青い股引に地下足袋。
そしてスネには黒い脚絆を巻いていた。
そのスリムな脚を伸ばして、電光の速度で背後から金的を蹴り上げる。
さらには拳による当身。
腎臓の急所だ。
敵の二人が崩れたところで、ようやくイズミに気付いたのだろう。
しかし振り向けばまたも地獄。
ピンと指先を伸ばした貫手で喉を刺される。
「なんだこの野郎!」
脊髄反射のように銃を振り上げた山賊の胃袋に、イズミは拳をあてがう。
ハズレの無い間合いだ。
そこからイズミの突きが炸裂。
三人目も倒れた。
そこからは足を盗んだような速度で間合いに入り、イズミは目や喉に指先を突き込む。
それで、万事解決。




