表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/193

突入

さて、パレードだ。

告知をしていたため、街は大にぎわいである。

沿道には人が押しかけ、やんやの声を送っている。


屋敷の小者たちがノボリを押し立てて行進する。

南部無双流の剣士たちがそれに続く。

さらには天神一流剣士。


槍の道場からも人を集め、数少ない弓兵を添えて、いよいよ親衛隊が拵えも厳しい姿で行進を開始する。

精鋭に囲まれたのは貴族用の馬車。

ナンブ・リュウゾウとキョウカちゃん人形を乗せている。


馬車の後ろ台にはシロガネ・カグヤ、そしてクサナギ・シロウ先生が護衛に立っている。

そして私はというと。

パレード実行委員会テントで群衆を監視していた。


「ヤハラさま」


テントにモミジが入ってきた。

結局パレードに親衛隊を出すことになったので、会場警備は市井のものを雇うことになったのである。

モミジは一礼して言った。


「パレードが始まりました。会場には問題ありません」


「そうか、御苦労」


「少しくらいなにかあった方が、腕の見せどころもあるというものなんですが……」


「なにかあられちゃ困るんだよ、私が」


「そういうものなんですか……」


腕の見せどころの無いことが不満なのか、モミジは可愛らしく唇をとがらせる。


「いや、モミジはすでに腕を見せてくれているぞ」


少しはフォローしてやろうと思う。

それが人心掌握の術である。

しかしモミジは瞳をキラキラと輝かせた。


そのような目をされると、改めてホメるのが照れくさくなる。


「どこですか、ヤハラさま! モミジはどこで腕を見せましたか?」


「人数を集めてくれた。やはり広い会場での警護は、人海戦術だ。人がいなくては始まらないからな、礼を言うぞ、モミジ」


「イヤですよヤハラさまぁ♪」


ベシッと肩を叩いてくる。

仕草は乙女そのものなのだが、なかなか重い一発であった。


「アタシなんかホメたってなんにも出ませんよぉ♪」


そうはいうが、目尻が下がっている。

嬉しそうにブンブンと振る、幻の尻尾が見えてきそうだ。

そのとき、モミジの手下の小僧が慌ただしくテントに入ってきた。


「モミジの姐御、大変だ! おかしな連中が大将を狙ってるぜ!」


「なんだってっ⁉」


それ以上は聞かず、モミジは飛び出した。

私は後に続こうとする小僧を捕らえる。


「小僧、そいつらはどこだ!」


「東町の旅籠さ」


「どうおかしいんだ」


「もう身なりからして山賊さ! そいつらが大将に復讐してやるって、酒飲みながら話してたんだ!」


「そりゃ本当かい、ライゾウ!」


モミジが戻ってきた。

当然だ。

賊の居場所も聞いていなかったのだから。


「よし! アタシが行ってとっちめてやる!」


「待てモミジ! 人数を集めるのが先だ!」


「ヤハラのあんちゃん、敵は五人からいたよ」


「よし、モミジを追いかけろ!」


私は警備の配置を思い出した。

あちこちに配置しているので、道中人数を集めることはできる。

私はモミジの仲間に声をかけながら走った。


人数が増える。

六人になっていた。

この人数で勝負になるだろうか?


不安はあったが東町に入った。

モミジが一軒の旅籠に突入するのが見えた。

賊の宿泊しそうな宿に心当たりがあったのか、蛇の道はヘビというやつであろう。


「やいこら! ウチの大将亡き者にしようと企んでる、山賊ヤローはどこだ!」


一丁角離れているのに、威勢のいい声が聞こえてきた。

すると銃声が轟いた。

大丈夫か、モミジ!


私も足を励ます。

宿に到着すると、土間でモミジが尻もちをついていた。


「やいやい! ウチの姐御にナニしやがった!」


無手のクセに、ライゾウが突っかかろうとする。

すると二階の辺りから、またも銃声が。

目を上げる。


一階はバー兼レストラン。

正面には二階へ続く階段。

そして二階にはドアが並んでいる。


つまりこの宿は他所の領地の客も受け入れられる宿。

当然犯罪者も入り込みやすい。

そして階段を上りきったところに、山賊風の男が五人、火縄銃を掲げて立っていた。


五人とも火縄銃を持っている。

いまライゾウに一発撃ったから、残りは三発。

というか、ライゾウは?


「あ〜〜ビックリした〜〜……」


モミジのとなりで尻もちをついて、ライゾウも目を白黒させていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ