表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/193

事後処理へ

現場は地獄絵図のようであった。

都合五十人ほどのヤクザ連中が、あるいは血を流し、あるいは腸を撒き散らして倒れ伏しているのだ。

真の勝者とも言える親衛隊の面々も、そのことごとくが返り血を浴びているので、血刀を提げた赤鬼そのものである。


周囲の町の衆は逃げ惑い、女たちは悲鳴をあげて、子供たちは泣き出してしまった。

おそらくは東領始まって以来の騒動であっただろう。

その騒ぎに、ようやくおっとり刀で町方捕り方が駆けつけてきた。


「なにごとじゃ! なにを騒いでおるか!」


最初は威勢のよかった町方の旦那も、現場の惨状を見るや顔から血の気が失せる。

そしてその地獄絵図の中に、血刀を提げた赤鬼どもが目を爛々と輝かせて待っていたのだ。


「おう、遅かったな。町方の」


「もっと出てくるのが早けりゃ、こんな惨事にはならなかったろうな」


「いや、お前さんらのせいじゃないよ。東領の統治の方針が悪いのさ」


「なんじゃいなんじゃい、偉そうに上から目線で人のこと見下しよって! お前らなにもんじゃい!」


町方が食ってかかる。

しかし相手が悪い。

ナンブ・リュウゾウはジロリとだけ町方を見た。


「俺か? 俺は北領御預ナンブ男爵が三男坊、ナンブ・リュウゾウという者だ。男爵さまの命により、東領地に巣食うならず者どもの掃除に来た」


ヒッと鳴いて、町方は飛び退すさった。

相手が雲の上の人、男爵家御身内とは気づかなかったからだ。

もちろんその他の捕り方たちも、すべて後退りし平にと手を着いた。


「さて、軍師どの。出番で御座る」


ようやく私が呼ばれた。

慌てて階段を駆け下り、路上の人となる。

事務的な手続きということだ。


「さて町方、この度の騒動。一般町民を驚かしたこと、まことに相すまなかった。北領御預ナンブ・リュウゾウに代わり詫びを申すぞ」


私が述べると、町方を始めとした一同が深く頭を下げる。


「しかしこの地において、ヤクザならず者どもの跳梁を許し、跋扈するを見逃していたのは理由を聞かねばならん。なにゆえか?」


「はっ、すべてはお上の御指示でした故、平に! 平にお許しを!」


「とのことです、殿」


ふむ、とナンブ・リュウゾウはうなずいた。


「これ町方、ヤクザのはびこるを許すにあたり、マイナイなどを受け取ってはおらぬか?」


ナンブ・リュウゾウが訊くと、町方は必死にかぶりを振った。

どうやら賄賂を受け取っていた訳ではないようだ。


「そうなるとヤハラどの。この一件は単純に兄上の怠慢。ということになりますかな」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ