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状況の把握と問題児たち

東領最初の夜は、情報収集に徹する。

東領地のならず者集団の二大勢力、血桜同盟と鬼神党。

シノギ優先の近代ヤクザが血桜同盟。

仁義だ任侠だと古めかしいことを言っているのが鬼神党。


アヤコが血桜同盟の構成員を一人殺めている。

それも幹部クラスだそうだ。

しかも鬼神党下層構成員の刀を盗み、それで殺害。

その刀を現場に残してきたから、血桜同盟も激怒した。


「鬼神党の、お前さんとこの若い衆がウチの幹部を殺ってくれたみてぇじゃねぇか!」


「待て、血桜の。ウチのモンは殺っちゃいねぇといっている!」


「やかぁしいやい! この落とし前、どうつけてくれるんでぃ!」


「そこまで横車押しなさると、難癖ととられますぜ血桜の。この渡世で難癖つけなさると、戦争にしかなりませんがのぉ?」


「面白ぇや、古臭い仁義だ任侠道だとホザいとる連中が、近代ヤクザに敵うと思ぅとるんかい!」


「ようがしょ、コチラもその筋の人間だ。そのケンカ買わせていただきますぜ」


ということで第一戦が開幕。

人数で劣ってはいるものの、用心棒先生によるハッタリが効いたか鬼神党が勝利。

しかし血桜同盟も用心棒を雇い入れ、報復の準備をしている最中ということだ。


「で、アヤコの目から見てどうだ? どちらの用心棒が強そうだ?」


「所詮食い詰めの浪人、どちらが上とは決めかねます」


「ではいつ始まりそうだ?」


「血桜同盟としては用心棒にムダ飯食べさせる訳にはいきませんから。とはいえ人数が集まっていないようで。明日、親衛隊が出発するなら、二戦目の観戦は可能かと」


ふむ、と考え込む振りをする。

振りをする、というのはすでに明日の早朝に出発することを心に決めていたからだ。

問題はその二戦目を観戦して、士気の高い親衛隊が黙っていられるか? ということだ。


特にウチの大将である。

ナンブ・リュウゾウその人が、一番その気になってしまいそうなのが困る。


「な、ヤハラどの」


親衛隊幹部連中、さらにクサナギ先生とともに報告を聞いていた大将が身を乗り出してきた。


「その二戦目とやら、観戦してみぬか?」


そら来た。

しかもすでに目が爛々と輝いている。

例え人間であろうと、頭から食ってしまいそうな雰囲気だ。


「それは私も思うところですが、しかし殿」


「なんじゃい?」


「親衛隊のみなさんも肝に命じておいてください。私が『ヤル!』と言うまで、一切の手出しは禁止です」


「ヤハラどの、俺はそんなに戦さ好きではないぞ?」


「殿、親衛隊諸君の目を見てください」


「……? ふむ」


「いかがでしょう?」


「人でもとって食いそうな目だな」


「殿も同じ目、いやもっと酷い目をしていますよ」


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