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剣と魔法と科学の世界  作者: インドア猫
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迷宮探索

91層から95層は地図に従ってアンデットを避けつつ下層に進んでいく。正直に言って超怖い。まじで怖い。怖すぎる。夢食べる妖怪なのかと言いたいくらいに心臓が鳴っている。この音で気付かれないか心配になるくらいに心臓が鳴っている。


そしてここ96層。完全に把握している訳ではないが地図によれば一番広い階層の筈だ。しかしこんな迷宮創った奴は絶対に性格悪い。いや、最悪だ。罠の位置がもう絶妙すぎる。嫌らしい場所に設置してある。


「ほぼ一日迷宮探索。流石に疲れるのう」


「肉体的な疲れは最短のルートを通ってるからそうでもない。問題はいつ襲われるかわからないという状況での精神的ダメージだな。ティア、すまんな」


「なに、任せておけ、とでも言いたいところだが。探知魔法は本能的に発動できるから魔力消費が少ないが、精神的疲労で魔力の操作効率が下がると流石に魔力もそこをついてくる」


「適当なところ見つけて寝るか。しかし本当にこの迷宮創った奴はタチ悪い。こんなだったら入り口の隣に隠し扉があってつぎの階層に繋がってたり・・・・」


冗談混じりに横の壁を押すと、相当古いのだろう。壁が埃を撒き散らしながら回転しだす。壁が半分くらい回転したとき、奥のモノがすがたを現す。下層に繋がっている階段だ。それを見て一同共に驚愕し、目を見張らせる。


「行って見るか」

「そう、だのう」

「あー、何と言うか、アレと言うか」


ぐだぐだ言いながらも現れた階段をひとまず下ってみる。ティアが探知したところ、この空間は精巧に隠蔽されてあったが、中には特に罠の類いは無いそうだ。


階段を下ると行き止まりになっていた。その壁押すとまた回転扉になっており、広い空間と階段が現れる。この空間が何かに気付き、直ぐに地図を取り出す。


「これはまさか」

「地図の位置的にもぴったりだのう」

「それにこの性格の悪いダンジョンマスターだ」


97層から98層に繋がる階段だ。つまりあそこを見つけていれば一気に二階層分進めることになる。その時、回転扉に文字が写しだされる。『いたるところに同じのがある。探して見るのも一興だろう』何か格好つけているが今までの努力の全否定に等しい。全員の気持ちが見事に一致する。


「「「くそったれがーーーーー‼」」」


アンデットに気づかれないように小声を心掛けていたが怒りが沸点に達し、我慢の臨界点を超えた。大声が広間に響く。耳がいたくなる。



※※※※※※※※※※※※※



「ここまでいい反応をしてくれるとは、今まで見ていて思ったが弄り甲斐があるな。プースクスク。あぁ、腹が痛い。久し振りに笑った。ここまで笑ったのは何百年ぶりかな。生前もここまで笑わなかったな」


とても可愛らしい、聞くものを魅了する、玉を転がしたような無邪気な笑い声が聞こえる。透き通る金髪につり目、綺麗な紫の瞳。整った鼻立ち、糸を引くような唇。どれをとっても絶世の美女と言っていい美貌をもった顔。


「ここは妾の城。90層を超えてなおも進むものは侵入者と断定する。精々苦しみ、もがき足掻くとよい。その感情と死を以て償いとさせよう。クククククッ」


可愛らしかった笑みが突如として一転。邪悪極まりない悪魔のような笑みになる。

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