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剣と魔法と科学の世界  作者: インドア猫
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死の迷宮

ここから第二部と言ったところです。章管理の仕方がよくわからないのでできていません。もう一回説明読み直して出来たらします。

昔、今から700年ほど前の話である。その時、鬼才、天才、神の子などとあらゆる栄誉を欲しいままにした死霊魔術師(ネクロマンサー)がいた。彼女はアンデットたちを工事、衛兵、掃除などの雑用係などに使い、自身が宮廷魔術師として仕えた国のために精一杯役立てた。


ある時、国王の耳にある情報が入った。宮廷魔術師が謀反の準備をしている。先日の魔獣対策のためにアンデットたちの武器を強化していたのは、謀反のためであると。


それを聞いた勇敢なる騎士、アイギスと王国騎士たちは、国のためにそれはそれは勇ましく戦い、悪しき魔女を追い払い、国を救ったのでした。めでたしめでたし。


【王国に伝わる童話より】



**************



ヒグと扇角、ティアに牛頭、そしてライムはは死の迷宮と呼ばれる場所に来ていた。ここには様々なポーションの原料となる薬草が大量に採れることで有名だ。


「しかし、死の迷宮というからうっとおしい雰囲気なのは疲れるな。ちっ、これも外れだ。もっと深くに行かねぇといいのはねぇな」


そこらからアンデットがドンドン湧いてきて主婦たちによるスーパーマーケット安売り争奪大決戦のように群がってくる。それに加えて迷宮内の湿度の高さ、暗さで気が滅入る。スケルトンは心臓部のコアを、ゾンビとグールは頭をめがけて正確に引き金を引く。


「いつもはここまで寄ってこないんだがなッ。何かあるのかもしれん。警戒して進むぞ」


ライム曰く、いつもはこの三分の一程度らしい。いくら生者に群がる習性のあるアンデットといえどこの数は異常すぎるとこ何とか。正直聞く暇もない。正面の敵をまず手榴弾で足止めする。その隙にライムが突貫。双剣を振りかざし袈裟懸け。そして離脱。


突貫によって空いた僅かな道をティアが闇魔法でこじ開ける。この迷宮での一番の活躍者はティアだ。種としてのランクが上がり、スプリガンになったことと羽が生えたことによる魔力の増大。片目がなくなったものの、妖精の強い危機察知能力を利用したレーダーによる空間座標の把握によりそれを埋め、正確な攻撃。


ちなみに本人曰くあくまで空間座標の把握のため、形は分かるが、色合い等がわからず、似たような形の敵だと分かりにくい、人間と人型魔獣の判別がつかないなど、不便だとか何とか。そこは当事者ではないので分からないが、以前に多様な生活をしていたライムは賛同していた。


闇魔法のうがった隙を見のがさずにライム、ティア、牛頭が走る。俺は扇角の背に乗り、置き土産にと手榴弾とアサルトライフルの連発を後ろにばら撒く。


この階層を抜ける扉が見える。それを阻止しようとスケルトンが立ちふさがるが、牛頭の大槌のフルスイングにより吹き飛び、崩れ落ちる。軽い骨どもなど重い大槌と牛獣人の腕力の前にはないにも等しいと言わんばかりだ。ライムが門を開け、扇角が駆け抜け、打ち漏らし骨を引き潰しながら門を抜け、閉める。


「ふぅ」


誰の声か分からないため息だが全員の心情を表している。一匹一匹の強さは大したことないが、ああもまとまって襲ってくると対応には疲れる。


「やっと25層だな。100層まであるが、今回の本命は80層の庭園だ。ヒグさんは体力消耗に気をつけてください」

「敬語はやめろ。貴族の息子と言えばまぁ息子やってるが、まぁ柄でもないしな」


25層は先程迄の迷路形式と違い、大きいドームがあり、今までよりも強力なアンデットや、魔獣のアンデットも出てくる厄介な地点だ。


ドームまでの道は一直線になっており、そこではアンデットは出ないという、まるで挑戦者をコロシアムに招き入れるための道と言った風になっている。コツコツと響く足音。アンデットのいない静寂な迷宮の道を歩くのも新鮮だ。


「最終確認だ。作戦はまず開幕牛頭がダイナマイト束を投擲、その後俺と扇角がチャリオットを使って突撃する。その後をティアが飛行。牽制しながらついてくる。牛頭とライムはその後ろを頑張って走る。以上」


このドームは固まってゆっくりいるといくら強くても数の暴力に押し潰される危険があるから速攻で切り抜けるというのは冒険者のあいだで常識となっている。


この数の暴力に耐えられるのなんて世界でもほんの数人、太陽国の剣聖、我が王国の近衛騎士、聖国の特殊任務執行部隊、通称異端狩りくらいだ。


腕輪蔵から、うちの私兵団の所からもらったものを改造したチャリオット、銃と弾薬を出す。


「行くぞっ」


ダイナマイト束が投げられ、遠くに落ち、爆発する。轟音を合図に戦場が動く。扇角の引くチャリオットからアサルトライフルを撃つ。


バババババ


身体を銃弾が穿っていくが、少し動きが止まる程度。だが少し止まれば十分。泊まったデスナイトや死鬼たちを扇角が踏み潰し、轢き殺す。まぁ既に死んでいるのだが。


スケルトンではなく肉のあるアンデットが多いので、一撃与える度に腐敗した肉が飛び、ドロドロと濁りきった血が舞い、内臓が垂れ流される事によって不快感を覚える。


順調に思えたが、ゴゴゴゴゴと鈍く揺れる音が響き、遅れて地面が揺れ出す。地震か?それとも・・・


『ヒグ!下だ!』


今まで俺の体力を保たせるためにバフをかけ続けていたヒュドラロードソウルのグレアが叫ぶ。咄嗟に下を向いたときにはもうとき既に遅し。地面が割れ、骨の竜の口が見える。


『弱小地竜がッ。竜の序列を知るが良い』


途端、物凄い圧力が発生し、アンデットたちが凍りつく。別に物理的変化は何もない。ただグレアが威圧しただけ。それだけで押し潰されそうになる。


そんな中、動くモノがいた。理性なき怪物。ガシャドクロが下からはい出てくる。威圧も何も感じず、ただ生者を殺そうとするだけの狂戦士。


地面が完全に崩壊し落ちる。傍目で見えたが、飛んでいたティアは無事。ライムと牛頭も地崩れの範囲外にいたようで、無事だった。


しかしこれはやばい。扇角が人型に戻り、俺を抱き抱える。しかしその程度で吸収される衝撃ではないだろう。落下中だがそこが見えない。


パラシュートの類はない。空は当然飛べな・・・・。そうだ、俺や扇角は飛べない。だがしかし。あとで謝らなくてはな。


恐らく深層に行くだろう。それを少ない人数でくぐり抜けるのは無理だろう。地獄に付き合って貰うしかなくなる。誰かのためにここに来たはずなのに、結局自分の命のために誰かを犠牲にしてしまう。だが、


召喚(サモン)ティア!!!!!!」


叫んだ。

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