表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣と魔法と科学の世界  作者: インドア猫
46/99

「しかし、こうなるまで寝ないとは、主の体が心配だ。もう少し自分で体調管理出来ぬものかのう?」


「無理でしょうね。昨日も狂戦士(バーサーカー)かと思うくらいの勢いで設計図に文字を書いたり、図を描いたりしては捨ててを繰り返していましたから。完成への執念はどこから来ているのでしょうか」


「これはまた、難儀な主をもったものだな、私達は。まぁそれだけ支えがいがあると言うものだ。精一杯忠誠を尽くせばよい。牛頭はどう思う?」


「俺は、命を拾っていただき、十二分な生活をさせていただいている恩が有りますので、どこまででもついていこうかと思っています」


「私の場合、主はヒグ様ではなくてレオン様なのですから、いつか離れる時が来るはずです。だから早く真人間になって欲しいのですがね。今のままではハラハラして見ていられません」


「主は最悪アイリスがいなくなるとなると金を使ってアイリスを自分で雇いそうだがのう。主はあれでなかなかアイリスを信用しておるぞ」


「確かに、それくらいのことなら無茶ではなく平然としてやってのけそうだ。段々とヒグ色に染められているのがこわいな」


アイリス、扇角、牛頭の三人は口を揃えた。


「「「確かに」」」



ーーーーーーーーーー



夢を見た。疲れているから深く眠ると思っていたが、夢を見た。レム睡眠は眠りが浅く、脳が動いている証拠だ。


前世の夢だった。小学四年の何気ない日常。全ては過去の話だ。今は家族も、アイツもいない。


アイツは一年後に死ぬのに。どうして気付いてやれなかった。このときにはもう、始まっていたのに。どうして最後まで気付かなかった。早く気付いていれば、アイツは死ななくてすんだのに。


全ては後の祭りだった。後悔だけが残った。自分を責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めて責めた。


お前も生まれ変わっていたら、もう一度、もう一度だけ、会えますか?エミリー。



ーーーーーーーーーー



「あっ、起きたのう。凄いうなされておったが大丈夫かの?何か悪い夢でも見たのかの?」


「どうだろうな。昔の夢だ。悲しいが、あの日常を見れて良かった気もするな」


扇角は雰囲気からあまり話を掘り起こさない方がいいと察した。きっと、辛い過去の話だと思った。悲しい夢を見たときの母親が、同じような顔をしていたからだ。


「悲しいけど、夢の中であの子に会えてよかった」扇角の母親がそう語っていたことがあった。


「夕御飯通り越して翌朝になっておる。腹も減っているだろうて。アイリスを呼んで直ぐに食事をつくらせるとするかのう」


扇角が去ってくれてよかった。涙を見せたら、きっと心配させるだろう。それに、扇角は俺を慕ってくれている。そんな奴に、みっともない姿を晒したくなかった。


「I teach japanese. You teach English. We are ・・・」


「入りますよー」ガチャ


「何か呟いていたようだが、どうしたんだ?」


「いや、何でもない。ちょっと次に作るものを考えてただけだ。気にすんな」


「ふむ、そうか。だがほどほどにしておいた方がよいぞ。じゃないと過労死で若くして死ぬかも知れぬからな」


「気を付けとく」


今は今で充実している。ふと冷静になってさめることはあるけど、でも、皆大事な仲間だ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ