王国誕生祭一
盗賊団の壊滅。妖精との契約。今日一日でいろんなことがあったが、今からが本番だ。これが嫌だった。
王国誕生祭と記念パーティー。
親父たちも合流して、いよいよ王国誕生祭とパーティーが始まった。否、自分の気分的には始まってしまったといった方が正しいか。まぁ、何せ嫌だ。
「ほら、行くぞ。しっかりしろ。確かに視線はうざいし、面倒だが、ここで嫌がっていても仕方ないだろう」
「バカ、その視線がめんどくさいんだよ。他のやつらにじろじろ見られて気持ちいいか?そんな分けねぇだろ」
はぁ。
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というわけで会場。はい、速攻で御手洗いに行きますよ。なんならそのまま戻らないつもりだけどな。というかもどる理由がない。
トイレから出るとエスタが待っていた。
「兄さん。どうせこのまますっぽかすつもりでしょ。ダメだからね。メッ」
「ハイハイ。戻ればいいんだろ戻れば。分かったから離せ」
「イヤッ。離さない」
くっつかれると暑苦しいんだが。反抗期か?それにしても四、五歳くらいで反抗期は早くないかね。普通は思春期。十二歳ごろだろ。
否、信用されてないのか。まぁ速攻で逃げ出す恐れがある奴を簡単には離さないよな。普通。
面倒だ。
「やあ、ヒグ君。この間ぶり、といっても人間には久しぶりなのかな?相変わらず人間の時間感覚は分からない」
「素面だとそんな話し方するんだな、アザレアさんや」
「まぁ、悪かったわね」
久しぶりかな。俺も色々作ってたら時間忘れるからな。俺も久しぶりかはよく分からん。
「兄さん、知り合い?」
「エルフの族長の娘で跡取りのアザレアだ。端的に言うと酒癖悪いくせに酒好きな矛盾オバさんだ」
「辛辣〜。もうちょっと優しくてくれてもいいんじゃない?」
「アイリス呼ぶか?」
「サーセン」
一瞬解決。アイリスの力すげー便利だ。
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「おい、お前なんかが王城の廊下歩いてんじゃねぇよ」
あーっと、面倒なやつ来たよクソッ。なんでくるかな。不幸だ。取り敢えず軽くあしらうか。
「妹の魔力は強いのにな、もしかして、妹に魔力取られたんじゃねぇか。キャハハハハ」
コイツはエスタが今一番気にしてることを。クソ野郎どもが。チッ。
「今すぐその言葉を訂正しろ。さもなくば、お前らの命はないと思え。五秒待ってやる」
「はっ、ゴミが調子にのっ、アババババ」
スタンガンで気絶させる。さてと、
「ハァ。この子たちはエルフの諺を知らないわよね。ヒグ・ベルレイズに手を出すな。子供にはよく言い聞かせるわよ」
「おいちょっと待て。なんだそれ、いつの間にそんな諺が出来たんだよ。俺は聞いていないぞ。どういうことだ」
「君が我が愚弟を打ちのめしたからよ。当然でしょ、魔力ゼロが魔力二千に勝つだなんて話題になるわよ」
成る程な。でもおかしいだろ。おいおい。
取り敢えず全員スタンガンでビリビリして気絶させといた。殺さずに無力化するのにスタンガンは超便利だ。
「またやったねー。これどうするつもりなの?無駄に立場あるから後処理面倒よ、これ」
人のこと処理って言ってる時点でこいつもどうなのかと思ってしまうが、まぁ処理だな。うん。処理、ゴミと一緒一緒。
「取り敢えずほっといて・・・・・」
「「ほっといて?」」
「しらばっくれる!!!!!!!」
「「ワァオ」」
確証や物的証拠が無ければ犯罪は犯罪ではないのだ。そして子供の証言は裁判では重要視されない。
いやまぁそもそもちょっとした子供の諍いとでも言ってしまえば流されるか。
完全犯罪成功。フッ。
「そろそろ戻ろうよ」
おぉ、忘れてたけどよく考えたらこいつ俺を連れ戻しに来たんだったな。
もう帰ってもいいかなって雰囲気になってたな。
あれ、俺だけ?俺だけかな?俺だけか。俺だけだよな。うん、俺だけだ。
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バイキング料理が豪華すぎる。そしてプラスチックとゴムができたことによってできたタッパー。これに詰めてお持ち帰りする。
ドラえも○の何次元ポケット的な腕輪で劣化もなく保存できる。最強。
「それ、大丈夫なんですか?中に飛び散って大変なことになりますよ。【腕輪蔵】あるあるですよ」
アイリス曰く、これは【腕輪蔵】というらしい。
「それを防ぐのがこのタッパーだ。というか、そんなあるある起きるんだな。(笑)」
「主に入れるときと取り出すときに。よく皆んなやらかしますよ」
マジか。でも薬品のときは注意しないとな。下手したらヤバイことになるから。
新しい小説始めたのでそちらの方もよろしくお願いします。




