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剣と魔法と科学の世界  作者: インドア猫
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盗賊

今回は長めです。

「はい、早く馬車に乗って。さっさと行くわよ。今日は王国創立二百年の記念パーティなんだから、遅れたら大変よ」


「えっ、嫌だけど。ていうか馬車なんか遅いは乗り心地が悪過ぎるは、話にならねぇよ。こっちは自前で行くからほってっていいぞ。まぁ寧ろほってかれるのはそっちだろうけどな。なんならエスタもこっちに来るか?」


「あの馬なし馬車で?動いたところを見た事がないからよく分からないけど」


まぁ最悪壊れたら扇角に引かせりゃいい。ユニコーン舐めんな。


移動特化の風系で更に高級(ハイ)種だぞ。車を引く事に関してはかなりの力を持っている。


「んじゃ、俺たちはもうちょっとしてから行くけど、先に行くんだったら勝手にいってろ。後で追いついて抜かすから」


「兄さん、それで本当に間に合うの?」


「確実に間に合う。寧ろ余裕ができるレベル。軍用の竜車と比べても多分こっちの方が速い。馬車何か雑魚だ。もはや勝負になってない」


竜車とはリザード系の魔物、王が乗る様なものならドラゴンが引くものもある。


流石にドラゴンは見た事がないからよくわからんが、リザード系の魔物相手ならまず負けないだろう。


機械部分がぶっ壊れたら流石にヤバイがそうもならない限りは大丈夫だ。


「乗って見たいかなぁ」


「こっちに来てみるか?ほれほれ」


「もう勝手にしなさい。遅れても遭難しても知らないわよ。はぁ…何処で育て方を間違えたのかしら」


何処で間違えたのかしらとか言われても転生した時点でこうだからもはや産んだ事としか言えないな。


生まれて四年と十ヶ月。もうすぐ五歳だが、産まれてこの方性格が変わった気はしない。まぁそれ以上は主観では判断出来んが。


後親父もお袋も割と放任主義だからな。もう勝手にしなさいって言ってる時点で相当な放任主義者だぞ。



************



さてと、そろそろ準備しますか。


「エスタ、アイリス、扇角、乗れ」


中に紙と石炭入れて火をつけて、めんどくさいから適当にアルコール入れて水を沸騰させる。


「出発進行。エスタ、最初慣性力強いから気ぃつけろよ」


「かんせい・・・りょく?ってわぁ」


「これの事だ。抑え付けられる感覚があるだろ、加速している時に起こる現象なんだが、その場にいようとする力を無視して加速しようとするとその場にいようとする力がこっちにかかって風もないのに抑え付けられるんだよ。後、曲がる時に遠心力ってのもあるんだが、これは回る時に外側に引っ張られるヤツだ。自転で惑星は少し楕円形だろ、あれだよあれ。どっちも速ければ速いほどはたらくだから馬車では体験しないかもな。竜車ならあるらしいがな」


「分かった様な分からない様な」


「エスタ様、ヒグ様の言葉は訳の分からないものと捉えていいですよ」


「それなのにあっているからのう。妄言と言い切れないのが達の悪いところだぞ」


酷ぇ。俺だって人間だぞ。実質三十歳だけどお前らからしたら五歳児何か子供だろ。泣くぞ俺。


「あ、横から魔獣が。兄さん、護衛雇ってないよ。どうしよう。魔法撃った方がいい?」


「安心しろ、そもそもこの車に追いつけるヤツが少ないし、いたとしてもエルフやユニコーンがいるんだぞ。ちょっとやそっとでやられてたまるか。という訳で二人とも、収入源が自らのこのことやって来やがったぞ」


「オーガ相手にめちゃくちゃ言いますね。まぁここら辺のオーガなんて森のオーガに比べたら何倍もマシですけども。風の矢よ、敵を貫き殺せ。風塵弓(トルネードアロー)


思ったんだけど魔法の詠唱ってかなり物騒だよなぁ。貫き殺せって言ってるもん。まぁ詠唱はイメージが大切だから少し自己流にアレンジしてる人もいるけど。そいつらは知らん。


「死体回収は任せよ。大物だからのう。風の精霊よ、その優しき抱擁でこちらに手繰り寄せよ。風霊魔手(シルフィードハンド)


このコンボか横のアサルトライフルか後ろのミニガンによる銃撃の後に風霊魔手(シルフィードハンド)のコンボかの二択で最近はやってる。


「何か慣れてるね」


「「不本意ながら」」


らしい。っと今度は進行方向に盗賊・・・轢き殺すか。まぁその前に逃げ出すだろうけど。


「逃げ出した時様に魔法準備しろ。殺すなよ。その方が犯罪奴隷として売れるからな。殺したら討伐褒賞だけだから価値が下がる」


ヒグの前では盗賊などもはや金の成る木でしかないのだ。そして魔獣より雑魚なので大砲を使う迄でもない。


「おいそこの珍妙な馬車、止まれっておい、散開、逃げろ。クソ、魔獣かッ」


「魔獣もいますけど基本人族ですよ」


「面倒な獣人は先に潰させて貰うぞ。悪く思わんでほしいのう。風拳(ウインドパンチ)


ゴギッという音と共に獣人が吹き飛ぶ。確実にアバラはやったな。


その後、降りて制圧。余裕だ。


「おい、この獣人吐血してるぞ。アバラ折れて胃か食道、肺のいずれかに刺さったか、それとも舌を噛んだか」


「最近の獣人は脆くなったのう。これでも手加減したつもりだったんだがの」


しかしもう少し近づいてみると原因が分かった。


「手枷の痕、痩せ細った身体。奴隷として酷使されてたのか。なるほど。どうりで雑魚な訳だ。こいつら車に詰め込むぞ。アイリス、運転代われ。あとエスタも助手席いってろ」


そして入れ終わり、とめていた車は動き出す。


ここだと違反で金取られたり免停とかないからいいよな。そもそも免許自体がないし。


「という訳でアジトを吐いてもらおうか」


帰りに寄って盗むつもりである。元々盗品だから心が痛むことはない。


「誰が吐くかッ。馬鹿め」


「そうかなら仕方がない。強制的に吐かせるまでだ」


これがエスタを助手席にやった理由だ。モザイクかかるかもしんないことやるから。


まずは序ノ口。常套句の爪剥ぎ。しかもそこに塩を塗り込む。一番口が堅そうな奴を先にやって口が軽い奴に見せつける。


「グ、この程度か」


少し苦い顔をしたものの、平気そうだ。なら、そこに塩酸かけて溶かしてやる。血が流れる皮膚が爛れていく。見るも無残な手にしてやる。


「グググ、何の、まだまだ」


グシャグシャ


そこを思いっきり踏みにじってやる。もうこれで手は一生使えない。ゴキゴギッという音がなって手が完全に潰れる。何回も足をあげてはおろすので血が飛んで部下達につく。


「ヒ、ヒィィ」


「お前ら、吐くな。吐いたら皆がこの悪魔にぃぃぃぃぃガァァァ」


「ほら、もっとピーピーなけよゴミカス」


ここで更に性格の悪い奴の演技をする事によって恐怖を埋め込む。我ながらアレだが目的のためなら関係ない。金を手に入れるためだ。あ、あとついでに世のため人のため。盗賊は根絶やしだ。


嗜虐的な笑みを浮かべながら肩をナイフでゆっくり切り裂いていく。


「ほらギーコギーコ。このままだとお前の身体と右腕が永遠にオサラバする事になるなぁ。回復魔法がかけられても治らないように離れた右手は捨てておくからなぁ」


「や、やめてくれ、アジトを吐くから、クレイ親方をこれ以上傷つけないでくれ」


「お、お前、吐くなと」


「物分かりがいいなぁ。さっさと吐け。もし嘘だったら、犯罪奴隷になったあとでも無事な保証はないぞぉ」


「王都の西の丘の砦の跡地をアジトに使っている。本当だ。信じてくれ」


下っ端Bが吐いた。


「回復魔法をかけてやれ」


大型収入源ゲットかもな。あとは中身次第だが。

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