魔鉱石
「親父も何かくれよー」
「何が欲しいんだ」
「魔鉱石」
魔鉱石とは、魔石、魔鉄、ダマスカス、アダマンタイト、ミスリル、オリハルコン、ヒイイロカネの事である。魔石は魔力を貯められる。魔鉄は鉄より硬い。弾性の強いダマスカス、最も硬く、耐熱性に優れたアダマンタイト、魔力を通し易いミスリル、アダマンタイトとミスリルを足して二で割ったオリハルコン。伝説の金属たるヒイイロカネがある。
「まぁヒイイロカネくれとはいわねぇけど、アダマンタイトは欲しいな」
「そんなものはない」
だが俺は知っている。親父がそれを隠していることと隠し場所を。
金属は植物に比べて高いので、あまり買い込んでいるのを知られたくないのである。だが大勢の前でバラされては隠し通せまい。
「ちぇー」
俺は諦めたふりして銃の整備に取り掛かる。
「それは何だ」
国王が聞いてくる。
「金属の弾を射出する機械です。こうやってなっ!」
ドパッ
俺は神棚の壺に向かって弾を撃つ。皆さんお気づきだろう。そうこの中に魔鉱石がある。神棚ならだれも触らないと思ったのだろう。だがしかし、俺はそんな想定どうりに動く男ではない。
当然見た。
「さぁて、あらら、魔鉱石じゃぁありませんか。こんな所にあるだなんてぇ」
その場にいる全員が思った。
性質悪っ。
「なぜ知っていた!」
「やーだなぁ、素に決まってるじゃないですかぁ」
嘘です。
というわけで、ちょっとかっぱらいまーす。
「やめてくれ、取らないでくれ」
「さすがに盗らねぇよ」
噓です。もとに戻している隙に某猫型ロボットのポケット的な力を持つ腕輪に入れる。触っていること、無生物であること、といった条件があるものの、便利な魔道具だ。
噓つきは泥棒の始まり?こちとら噓つきながら盗みしてるわ。
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