車造り
「タイヤの作り方は至ってシンプルだ。枠組みのホイールにゴムチューブを上から堅めのゴムで包んだヤツ、後はひたすら空気を入れる」
ホイールはアルミニウム製。電気作ったらアルミは作れる。後は土魔法の鉱物変形で形を整えて完成。鋳造なら魔法で出来る。鍛造は無理らしい。
基準がよくわからん。
「兎も角、これを四つ作って、魔法組、風ぶち込みまくれ」
車のタイヤだから只でさえデカいのに、悪路でも大丈夫なように更にタイヤをデカくしているから手作業だと絶望的だ。腕は確実に死ぬ。
「「風の息吹」」
おぉお、早い早い。本当に科学に意味があるのか不安になってくる。
魔法も科学。世界は科学。宇宙は科学。魔法にも法則はあるはずだ。
あっという間に二個入れ終わった。もう二個にも取り掛かる。ドンドン膨らんでいる姿を見ているとなんか気持ちいいな。
というわけで、タイヤ完成。
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一方、蒸気機関の方は作るのに苦労していた。歯車が小さい事、数が多い事、それをうまく組み合わせること、一定以上のパフォーマンスを維持すること。課題が山盛りなのだ。
「で、何作っているんですか?」
「個体潤滑剤」
作るのは簡単だ。黒鉛、つまり煙突の煤にアルコールを入れる。終わり、完成。これで歯車の滑りをよくする。
「そういえば明日王様が来るから準備しておけと旦那様が言っていましたが大丈夫なのですか?」
「何それ聞いてないんですけど」
「調合中に聞き流しておったのう」
まじかぁ。
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