法廷で
一個一個は短いですが二十五話目です。
「よう、ぶっ潰してやんぜ」
ニヤッと悪魔のような笑みを浮かべるヒグ。
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簡単に言うと訴えた。
「これより、裁判を行います」
「被告人、前へ」
「この者、メタセコイアにはこの人間の少年に魔獣を嗾けた容疑がかかっています」
メタセコイアって、まぁセコいあいつには似合ってるんじゃねぇか。ナイスネーミング。
「そんなものは言い掛かりだ。証拠はどこにある」
うわぁ、三流感溢れるセリフ。もうそのセリフ言った時点で自分が犯人だって自白した様なもんだろ。馬鹿なのかこいつ。いや、馬鹿だったなこいつ。
「証人がいるんだなぁー、これが。と言う訳でどうぞ」
「き、き、貴様は」
おっ、明らかな反応頂きました。
「あれー、知り合いかなぁ。何その裏切り者を憎むような顔は」
自分でやっててなんだけど悪質だなぁー。流石俺。こう言う奴は徹底的に潰さないとな。後々面倒くさいタイプだ。ここで消しておくが吉だろう。
「な、なんでもない」
「この者はメタセコイアによって殺すぞと脅されてこちらに魔獣を闇魔法で洗脳して寄越す事を余儀なくされた憐れな被害者です。この者に話を聞いた所、メタセコイアが命令したと間違いなく言いました。ですよね?」
「はい」
「嘘だ、そんな事は言ってない。その者が罪を被せる為に嘘を言っただけだ」
「でも彼はつい先日まで仕入れに町に言ってて俺の事なんか知らない。つまり、関わる理由がないんだよ。これでもお前は言い張るか?」
「あぁ違うね」
ここまで不利になっても突っぱねるか。単なる馬鹿なのか、バレないと思っている阿保なのか。どちらにしろここで認めてたら隠蔽しようとしたと言う罪がなくなる筈なんだがな。
「もっと確固たる証拠を出してみろ」
「そういうと思って、今までお前に脅された事がある奴を集めて来た。何と十六人。こんなに脅してたんだなぁ。自分が族長の息子だからって絶対的に偉いとでも勘違いしていたのかなぁ。お前なんかただ魔力が高いだけで俺にも負けるような雑魚でしかないんだよ。それとも、これだけの証人がいて逃げられるとでも?」
「な、な、な、な、お前ら、こんな事してどうなるか分かっているのか!」
「はい、自白した。馬鹿が」
ハハハハハハ。勝利。
「判決を言い渡す。被告人メタセコイアは有罪だ。して、刑罰はどうする」
「まず今回の件で使った使い捨て武器の代金分。そして壊れたビンやナイフの代金。それから慰謝料として一千万コインだ」
コインと言うのはヒグの暮らす国、そしてその近くにあるここ、エルフの里と獣人の集落の共通の金だ。一コイン一円。つまりこの額は一千万円相当。大分ぼったくってる。
「更に脅されていた者達の安全保障を求める。あと、脅されていた者達が起こした事件も被告人メタセコイアの罪とすること。その分の刑罰は懲役六十年だ」
「よかろう」
この事からエルフの間では愚かな行為を表すことわざとしてヒグ・ベルレイズに手を出すと言う言葉が出来たとか。
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