大群襲来
「ゴム採取最終日。やるぞー」
「おー」
「ヒヒーン」
ユニコーンという移動手段があると大分違う。速い速い。バイクでツーリングをするのは好きだったが、乗馬は未経験だ。しかし意外と楽しいな。新しい趣味にしようかなぁ。
魔獣はアメリカ西部のカウボーイみたいにユニコーンの上からドパッ、ドパッ、撃って殺す。
これでブーツとかハットとか有れば完璧だが、生憎と今着ているのは薬品や火にも弱い白衣擬きだ。今度プラスチック作ってプラスチック繊維で作ってみよう。
しかし、今日は多いな。
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早く着いたから今日の採取は早めに終わった。魔獣は今日はユニコーンがいるというのにやたらと襲って来る。モテモテだ。全く要らないが。というか寧ろ御断りだ。
ただこのユニコーン、そこそこ強い。雑魚なんざ一瞬で切り刻まれる。ユニコーンの種類はウインドウハイユニコーン。
魔獣の強さを表すのに、元の個体名に下級、高級、上級、王、帝、皇帝がある。ちなみに王の雌個体は女王と呼ばれる。
何にせよ結論、強い。戦力は多いに越した事はない。
「しかし、ちょっとこれは本格的に多すぎるんじゃねーか?」
「正直言ってヤバイですね」
マジか。森の住人のお墨付き貰っちゃったわ。洒落になってねーよ。なんでこうなった。
全略。
いや全部略したら駄目だな。
失礼前略、親父、お袋、エルフの森に出かけた息子は今サソリの大群に囲まれて死にかけてます。
二回死んだら今度はどうなるのでしょうか。
また転生するのか、それっきりか。
神を信じてるヤツは神のみぞ知るとかいうだろうけど、生憎俺は無神論者だ。なら誰が知っているか。答えは経験者と、百年後にでも老衰した自分だ。
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