変人娘
ふぅ、やっぱり風呂はいいな。クゥー、疲れが一気にとれるなぁ。極楽極楽甘露甘露。なんつって。熱帯で熱々の風呂に入るとは贅沢なこった。なかなか乙なものだ。気に入った。
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「何してんの?」
「ちょっと見てないで助けてくれませんか。割と切実に」
「いや、キモいしちょっと遠慮しとくわ」
現状を説明しよう。と言っても一瞬で終わる。アイリスが変な女の人に絡まれてる。
酒が回っているのか、顔が赤いし舌が回っていないな。
「アザレア様、少し離れて下さい。少々キツイです」
どうやらアザレアと言うらしい。
「いいじゃーぁなぁいぃ。久しぶりなーーんだしぃ。ひくっ、もぉうちょっとぉぉ飲んで、飲んで、飲んでっ、飲んで」
おい、何でそのネタ知ってんの!?大学の飲み会のヤツじゃん。
馬鹿な大学生が騒ぐヤツだろ。この世界にもこのネタあんのかよ!
「貴方がヒグ君?うちの愚弟が迷惑かけたねぇー。さぁ飲みなさぁぁい」
「いや、飲めねぇよ」
と言うかコイツアレの姉貴か。道理で変な訳だ。エルフの里大丈夫なのか?破滅の未来しか見えないな。ご愁傷様。
「ほらぁぁぁーー」
酒癖悪っ。
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翌朝、
「で、言い訳は」
「いやね、アイリスが戻って来たのが嬉しかったから。あと、弟が迷惑かけたみたいだからね、ね」
「あれほど酒に飲まれるなと言いましたよねぇ、貴方は酒癖悪いんですから」
「ほ、本当に面目ない」
やっぱりアイリスは怖いな。触らぬ神に祟りなし。虎の尾を踏むな。
「あ、あの子、昨日の子でしょ」
「話を逸らさないで下さい」
「あ、はい」
わー、あの人長老の娘さんだろ。大丈夫なのか。
「その辺にしとけば」
「はぁ…」
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「まず状況整理な。その人は長老の娘さんでアザレアって言う名前。お前とは仲がいいって認識でOK?」
「そうだよー」
「まぁ」
「ふふふ、私の可愛いアイリスは上手くやってる?」
「まあまあだな」
「うーん、可愛い」
キメェな。家系かな。
「行きましょうか」
「そうだな」
結論。
無視。
超絶無視。




