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剣と魔法と科学の世界  作者: インドア猫
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馬鹿息子

「異議あり!」


 何だコイツ。待てって言われたってなぁ?もうOK貰ったんだからいいだろ。コイツ頭おかしいの?


「その者は人間でしょう。そんな者に許可していいのですか」


 わー、めんどくさいのに絡まれた。この手の話の通じないチンピラ系は1番めんどくさいからなぁ。見た感じ、貴族のおぼんぼんなぼっちゃま系っぽいし、ここは何とか交渉するか。


 いくら管理者の大樹の許可貰っても、住民に反感買うのは得策じゃない。


「何だ。この者をワシは認めた。文句があるのであれば納得できる説明をして認めさせてみよ」

「こらお前。我が愚息がすいません樹皇帝(エンペラートレント)様。お前も謝れ」


親っぽい爺さんが出てきた。こっちは割と話が通じそうだ。歳の差感じるけど長生きのエルフだから見た目の年齢は信用できない。


 アイリスも二十二〜二十五歳くらいに見えるけど二百二十近いもん。だいたい、人間の十倍の尺度と考えれば分かりやすい。もう化け物だろ。


 しかし、エルフの女性には特に、年齢の話は禁句。下手したら死ぬ。もしくはトラウマ級の恐怖を植え付けられるか、拷問されることになる。



 ……経験則。



「我らが神聖なるムロルド大樹林をよそ者の、それも人間が犯すのは言語道断。エルフの矜持に関わります。大樹林はエルフが管理すべきです」

「で、コイツ誰?」

「長老、つまりこの里の長の馬鹿息子です」


 馬鹿息子って毒舌。でも、やっぱり馬鹿なのか。見るからに成金馬鹿感溢れる見た目に、馬鹿みたいな言動と自分勝手さ。


 毒舌とか言ったけど、これは仕方ないな。うん。どこをどう見ても正真正銘、キャラでも何でもなく、本物の馬鹿だな。


「しかも長男なのが性質(たち)悪いです」


 うっわ、コイツ長男なの。この里終わったじゃん。私利私欲の限りを尽くす。→税金上げる。→住民が飢える。→レジスタンスが革命。→その時にはもう手遅れ。→THE END


 終わったな。よし、将来の移住計画は無かったことにする。


「おい、聞いているのか貴様」

「あぁー、ようは人間がやるのが気に食わないんだろ。じゃあこの隣にいるアイリスにやらせばいい」


 偉そうだなぁ。コイツ多分挫折を味あわずにずっと自分の思い通りに物事が進んでたんだろうな。いっそ哀れ。というか消えろって感じ。



 交渉するとか自分で考えてたのに話し出した瞬間面倒くさくなる。いや、我ながら前言撤回早ぇー。


「フン。里を出た半端者などエルフを辞めたも同然。どうしてもやりたいなら里の者に依頼しろ」


 で、自分はそれで利益を得ると。成る程な。悪徳商人の鏡だ。王都に出て一回揉まれてこい!


「横暴だろおい」

「そもそもその貧弱な体軀と魔力で森の魔獣に勝てるのか?哀れに殺されて終わりだろう」

「言ってくれんじゃねえか。何なら勝負してみるか」

「……はぁ。これだからガキは。はぁ。すぐ暴力に訴える。大人が躾けてやらねばな」


 こ、コイツゥゥゥ!流石に温厚な俺も怒るぞ。全く、どの面下げていってんだ。殺っていいかな。かなぁ。


 いや、ここで怒れば相手の思う壺だ。大人の対応、大人の対応を心掛けろ。


「何なら知力勝負でもいいぞ」


 白い手袋を投げてきた。ここら辺の流儀は地球とあんまり変わらないよな。態々覚えなくてよくて便利だ。


「拾え。決闘してやろう」


 結局武力かよ。

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