あのときのこと、思い出してごらん
今日も暑かったね
こっちも最高気温が23年ぶりの更新だよ
嘘ではない本当の話
気がつけば
天気の話で始まる会話に
なにかしら
さみしさを感じてしまう
3週間ほど会っていないとかではなく
ただ
他人同士の会話になっているような
感じがしたから
天気の次は
仕事の話か、最近の出来事のこと
たぶん、気がかりになっていることは
何かをお互い分かっている
友達のときのように
誰かが邪魔することも
何か邪魔するものもないというのに
なぜか、さみしいね
昔のわたしのように
この恋が
ダメになったときのことは考えず
誰かに相談することもしない
わざと強がってみせたわたし
あなたはそんなわたしが好きだとも
今日は久しぶりに部屋の掃除と
クローゼットの整理整頓
タンスの奥にかくれんぼしていた服が
顔を出した
あなたが一番最初に褒めてくれた服だね
今度会うときに着てみようかな
そんなとき
あなたは
思い出してくれるかしら
思い出してくれなかったとしても
強がりでない本当のわたしを
あなたに認めてもらいたい
そして
いつかの
強がってみせたわたしを
素直に謝りたい




