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その5です。


なんとなく日本の統治機構や天皇陛下の御存在に思いを巡らせるキッカケになってますでしょうか?


今回は前回の国生み辺りの話しをしたいと思います。


儀式


伊邪那岐・伊邪那美の二柱の神は国生みをします。これをみとのまぐわいと言います。


これは早い話しが性交渉と言うことです。

いきなり国生みの話しがこれからはじまり、何もはっきり言わなくても…と思いますね。


しかし、これが重要でして。

当時は性行為は儀式的意味合いが強く婚礼の儀で更に子を授かる儀式と考えられます。


つまり懐妊は子を授かるとか子宝に恵まれると言う様に、生命の誕生は神からの授かりものとして、有難く受け止められていたのです。


そして女性器は神聖視されていたと考えられるのです。本文にも「女陰(ほと)」と言う表現が幾度も見られます。


日本の神々は以前も申しましたが全知全能ではありません。不完全です。だから神々もお互いを補完し合い、合議をし総意を得るのです。


そして国生みの行為をします。

「あら?いい男ね!」「なんていい女だ!」と言う感じですかね?兎に角お互いを褒め合います。これも重要な事なんです。

"言霊"てありますね?コレ重要なんです。

お互いに褒め合いながら行為を行う。そうする事で深まるんですよ!と示唆しているのです。

不完全であるからお互い褒め合い高めながら補完しなさい、と言うことです。

「稼ぎが少ない」とか「家事も手伝わない」と旦那さんを責めたり、「気が強い」とか「若い頃はあんなんじゃなかった」と奥さんに嘆いたりせずに、「若い頃より体に安定感がある」とか、「渋みが出た」とか上手い事表現しなさい。て事でしょうか?


最初は…


そうして国生みをしますが、最初は失敗します。不完全な子供が生まれてしまいます。

水蛭子(ひるこ)です。その体が不完全だった為に捨てられてしまいます。なんと不遇でしょうか。これは葦の船に乗せて流されてしまいました。

しかし、この水蛭子の現在の姿は恵比寿様です。


水蛭子は流された後、西宮にたどり着くのです。古来、漂流して流され着いたものを福をもたらす「客人神(まれびとかみ)」として祀る習慣があります。恵比寿様も海からやってくる客人神として古くから漁民漁村などで尊ばれていました。面白いですね!


西宮にある西宮神社、毎年福男を選ぶ行事のあるあの神社です。「えべっさん」として親しまれていますね。実は不完全だった為に捨てられた子供だったのですね。


独断はなく


最初は不完全な子供が生まれてしまいましたね。しかし、ニ柱の神は独断では解決はせずに天つ神にお伺いをします。

基本は天つ神の指示を受けながら国生みをしていく訳ですね。常に神々と相談しながら国生み神生みをしていきます。

そして天つ神の占いで、どうやら女から声をかけたのが良くない!と解ります。

今度は男から「なんていい女だ!」と声をかけて「なんていい男かしら」と。

すると立派な子供が次から次へと生まれます。


これを男尊女卑だ!と言う人がいますが全く違います。

男と女には各々の役割りがあると説いていたのです。

男から申し込み、それを承諾するかの決定権は女にあると、それぞれに役割りがあるのだと言う話しだと考えます。


身体的な特徴にも則した役割りである、と言うことで女性は受ける側ですから、男は「私でどうですか?」と申し込みます。

女は受けたいとか、これはちょっと受けたくないなぁ…とかありますから決定権は女に、てことですね。


もし逆なら?どうですか?

女性からプロポーズしたら男性側に逃げる口実を与える訳ですね。

「お前が結婚してくれと言うから結婚してやったんだ!」て話しになります。


神々ですら不完全なワケですから、我々人ならそれは上手くはいきません。

まぁ、最近は主夫と言う男性もいますけれど、やっぱりプロポーズは男性からと言うことなんですかね?

しかし、最近は女性が強いですからプロポーズする女性もいるでしょう。その時は「待て!」と言って男性側からやり直せば良い。

この方が縁起が良いと言う話しです。

そうやって神々を生み、国生みをします。

このニ柱だけで21柱の神々を生み、ニ柱それぞれ単独で生み出した神々を含め61柱にもなります。おおよそ古事記に現れる神々の半数をこのニ柱の神が生み出します。


様々な神々を生み出したニ柱ですが面白いのはこの生み出した神々は人々の生活に密接に関わる神々である事です。

ですから、火や土、水や空、雲に雨に生活に必要な品々にも神々が宿る、自然そのものが神々だ!と日本人は考えるのです。


様々な神々が居て、その神々ですら不完全であるのだから我々人間は不完全なものだ!

神々は勝手には決めずお互いに補完し合いながら我々を生んだのだ!


これは決して利己主義にならず、他者を思いながら互いに協力し助け合いながら生きると言う日本オリジナルの民主主義を説いているのです。

あなたも不完全、自分も不完全。だからお互い補い合いましょう。これがお互い様と言う考えではないでしょうか。


次回へ続く

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