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46

随分と久しぶりになりました。


古事記シリーズです。


その46となりましたが、前回のおさらいは是非45を参照ください。


神々は一目惚れ


邇邇芸命(ににぎのみこと)は、ある日一目惚れをしてしまいます。


日本の神々はとにかく一目惚れが多いですね。


その一目惚れのお相手は

木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)


それはそれは美しい神様に出会います。


会った瞬間に求婚します。

会った瞬間に求婚するぐらいですから、これは相当な美人ですよ。


名前だって木花之佐久夜毘売なんて、美しいじゃないですか。


邇邇芸命は一瞬で電気が走った様な、雷に打たれたような…

とにかく、それほど美しい。


出会ったその場で求婚してしまいます。


神様の恋愛は、なんと言うかとにかく答えが早いのです。

好きとか愛してるとかよく考えないみたいです。


直感タイプなんでしょうか。


しかし、これが自然なのかもしれませんね。


とにかく会った瞬間に『結婚してくれ!』


すると木花之佐久夜毘売は『私一人じゃ決められません、父に相談します』と。

そういう訳で早速、お父様に相談します。


この、お父様と言うのが山の神である大山津見神(おおやまつみのかみ)といお方です。


縁と言うのは不思議なものです。


邇邇芸命は天上界では知られた神です。

なんせ天照大御神の孫、つまり『天孫』です。

しかし、地上界では新米。

つまり、ニューカマーと言うことですよ。


いきなり『統治しろ』と言われたところで地上界には知り合いもいない、友達もいない、とにかくご縁がありません。


それが偶然にも世にも美しい神様に出会って求婚したら、それが山神の娘であったと。

これは素晴らしいご縁に恵まれましたね。


大山津見神の娘さんとご縁が結ばれたなら、いきなりその山神の援助を受ける事になります。

山神の霊力を授かる事になります。


地上界である葦原中国を治めるには、此れ程心強い事はありませんね。


山神・大山津見神にしても、これは素晴らしいご縁です。


木花之佐久夜毘売『お父様、今日はなんだか麗しい男性に出会って求婚されましたわ』


大山津見神『なんだお前、そりゃどういうヤツだ?』


木花之佐久夜毘売『これこれ、こんなお方で…』


大山津見神『え〜!そりゃ凄い!素晴らしいお方じゃないか!』


みたいな会話でしょうか?

たぶん、お父様の方が舞い上がったんじゃないですかね。


そりゃそうでしょうよ。


邇邇芸命は天孫ですからね。

天上界を治める天照大御神の孫なんですから。

地上界の神様は国つ神と言います。


この国つ神達は『いやぁ、私なんか国つ神ですから…』みたいな、ちょっと謙遜しちゃう感じなわけですよ。

ちょっと遠慮すると言いますか、そんな感じなんです。


それが天上界の神様は天つ神と言って、神様中の神様と言いますか、神々しいと言う事です。


それが神様中の神様の、それも最も神々しい天照大御神の孫です。


大山津見神にしたら『ちょ、お前、バカ!早く嫁に行かんかい!』なんて感じではなかったかなと思います。

もう、お父様の方がノリノリじゃないですか?


そんな感じなんで、立派な嫁入り道具を持たせます。


勢い余って、木花之佐久夜毘売のお姉さんまでくっつけて差し出してしまいます。


一方で邇邇芸命はですね『あ〜あの木花之佐久夜毘売ちゃんがお嫁に来るーッ!』

ソワソワ、ドキドキ…


いよいよ可愛い可愛いお嫁さんが来た!


と、思ったらもう一人くっついてきましたよ。


『何だありゃ?』


このお姉さんが石長比売(いわながひめ)なんですね。


石長て名前からして、イマイチ期待出来ない感じですね。

木花之佐久夜毘売みたいな、名前からしてウットリする感じではありません。


すると石長比売は、やっぱり…と言いますか…

恐ろしい程に醜い姿だったようです。


邇邇芸命は『あ!木花之佐久夜毘売ちゃんが来た!』と。


待ってたよ〜!なんて感じで出迎えたら、後ろからモァ〜と何かが着いてきてます。


『ん?何だありゃ』


何じゃこの化け物は〜!


どんだけ醜い姿だったんでしょう?


とにかく邇邇芸命は『いや、ちょっとムリなんで、とにかくお帰り下さい…』


そういう訳で可愛い可愛い木花之佐久夜毘売ちゃんだけを迎え入れ、石長比売を帰してしまいました。


石長比売はそれは悲しんだとあります。


何故、そんな悲劇が起きたのか…


それは次回へ。

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