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前回は建御雷神がやって来ましたね。


いよいよ話しは佳境を迎えそうですよ!


では古事記の世界へ参りましょう。


立場をわきまえろ


大国主神は国作りをしてきましたね。


しかしです。


一体、誰の許可を得たんだ?て、話しです。


本来、地上世界も天照大御神がシラス世界であって「君ね、国作りしてるみたいですけど、それウシハいてるだけですよ!わかってんの?」

そういうことです。


そうでなければ「国譲り」の正当性が無くなってしまいます。

大国主神がシラス国だと、シラス国を横取りする話しになってしまいます。


ですから大国主は最初からウシハク存在であって、シラス存在ではないと言う事です。


そもそも天照大御神と大国主神は赤の他人ではありません。

遡れば国譲られる神と譲る神は親族です。


大国主神は須佐之男命の六世孫です。


古事記編纂同時の皇位継承の決まりごとは五世までしか相続権がないのです。


そう考えると、六世孫の大国主神には相続権がない!と見ることが出来ます。

大国主神は親族だけれど皇位継承権を持たないポジションです。


これは幾ら良い国を作りあげ様と天皇にはなれない、その立場にはないということです。


しかも須佐之男命の様に何でも自分で切り開く様な神でもありません。

実はダメダメで、色んな人からの助けを借りて今のポジションになったのです。


つまり大国主神はウシハク者であって決してシラス者ではありません。


だから、ここで今一度ハッキリさせておく必要があるわけで。

そこで建御雷神は「君、この世界は天照大御神がシラス世界で君の国は君がウシハクだってわかってるかな?」と問うたのです。


これは日本の統治の根幹を示しているのです。

古事記とはこういう王朝が生まれたきっかけを明確に記しているのです。

これが国柄というものです。


作法の逆は


そう問われた大国主神。


「私一人じゃ答えられません」とスッとぼけます。

いやいや君に聞いとんねん!


「ウチは息子がいますんで、息子に聞いてもらえませんかね?」とか言い出します。


なんでそんな事を言い出したのか?

時間稼ぎでしょうか?

或いはもう代替わりを考えてたのか?

理由はよくわかりません。

しかし「息子に聞いてくれ」と。


そこで息子である八重言代主神(やえことしろぬしのかみ)に同じことを聞いてみます。


そうすると「オッケー!私の国差し上げま~す!」


そんな簡単で、ええんかい!


そこで八重言代主神は船を踏んで傾け天の逆手という柏手を打って船を青柴垣に変えて、その中に隠れてしまいます。


天の逆手とは逆の作法らしいです。

普通、柏手は手のひらと手のひらです。

しかし、逆手というからには手の甲を合わせるんじゃないでしょうか。


これで船が青柴垣に変わってしまいました。


青柴垣(あおふしがき)というの竹を編んだ様な筒で、魚が一度入ったら出てこれなくなるという漁具です。


そこに隠れてしまった…という摩訶不思議な話しです。


なんか不貞腐れた感じでしょうか。


「あぁそうですか!じゃ持ってけよ!」みたいな感じでしょうかね。

「俺は青柴垣に隠れてもう出て来ねーからな!」

そんな感じです。


呪い


逆さまの作法というのは呪いです。


右手の握手は「また会いましょう」。

左手の握手は「今生の別れ」。


普段と違う作法は一種の呪いなんですね。


いつもと違うことをやると、流れが変わってしまったりします。

良くも悪くも変えてしまいます。


普段は赤い服を着ていて、それで馬券を買っても当たらないから、今日は黒を着て行ったら万馬券を当てた!とか。

これも普段と違うことをやって流れが変わった例ですね。


逆に昨日万馬券を当てたから、昨日と同じ服、同じ窓口で買うと当たる気がする!

これは、同じ流れを継承するということです。


国生みの時も女性から声をかけたら上手くいきませんでしたね。

それで男性から声をかけたら上手く行った。


逆の作法は良くも悪くも逆の結果を生み出すのです。


みなさんも実践してみてはいかがでしょう?


早く帰って欲しい客とか、押し売りセールスみたいなのとか、そんな人が来たら天の逆手でパチパチ柏手を打ってみましょう。

それで塩なんかまいてみたら良いかもしれませんよ。


ただ、そんな人は単に気持ち悪がられるだけかもわかりませんがね。

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