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33

古事記でございます。


今回で34です。


話しは国譲りに戻ります。


この国譲りだけを読んでみても、我が国の根幹がギッシリ詰まっています。


そうはいかない国譲り


地上世界へのお使いは二回も失敗してます。


一回目は媚びへつらい3年帰って来ませんでした。

二回目は8年帰らず、最後は呪いで死ぬ!という大惨劇。


これはいよいよ「どうするよ?」て話しです。


そもそも国譲りというのは大変難しいものだった訳です。

トントン拍子には進みむせん。


一度、二度と失敗、三回目にようやく成し遂げられるのです。

大変な大事業だったのですね。


伊都之尾羽張神(いつのおばはりのかみ)


この神様は国生み神生みの時に伊邪那美神が火の神を産んで、火傷して死にましたね。

その時に伊邪那岐神が悲しみから、その生まれた火の神を斬り殺しましたね。


その時に使われた剣が「伊都之尾羽張神」なんです。


それで三回目は、この剣の神様か、その子供建御雷之男神(たけみかづちのおかみ)のどっちかがいいんじゃないかと、そんな話しになるのです。


しかし伊都之尾羽張神がおられる場所は簡単には行けない場所らしく、天の安の河、高天原を流れている河を堰き止めて道を塞いであるから普段は行けないらしいのです。


それで、そこに行ける神様を探そうとなります。

ま、要するに話しはなかなか進みません。

大事業を成し遂げる為に困難が数々あるけれど、それを成し遂げるという設定みたいですよ。


天迦久神(あめのかくのかみ)という神様が行けるみたいなんです。

その神様に頼みまして、伊都之尾羽張神に聞いて頂きました。

すると「私よりも息子の建御雷神を遣わすべき」とおっしゃるのです。

実はこの事が日本の根っこを表しているんですね。


次世代に譲る


この伊都之尾羽張神の発言は「息子にやらせます」と言う事です。


これは他にない日本の根っこです。


自分は出来るけれども、むしろ次世代に仕事を譲ることで世代交代を促すという事なんです。


いわば次世代も随分と力がついて来た。

ここら辺で、仕事をさせて経験させよう。

新しい時代を若者たちに作らせよう。


そう言うことなんです。


伊都之尾羽張神がやれば出来る、失敗してもこの神様一人の責任です。

しかし、敢えて次世代の息子、建御雷神にやらせます。


つまり、建御雷神が失敗すればその責任を父である伊都之尾羽張神も取らねばなりません。

腹切って死ぬかもしれません。

建御雷神しても、父が腹を切る様な失敗は出来ません。

責任を次世代にも持たせ、経験を積ませる。

失敗の責任は自分が引き受ける。


そうやってお互いにプレッシャーがキツイ中で仕事をして世代交代を促す訳です。


儀式


そういう事で、天照大御神は天鳥船神(あめのとりふねのかみ)を副えて建御雷神を遣わすのです。


この天鳥船神は天上界と地上世界を行き来する船です。


鳥船行事というのがあります。

建国の和歌を詠みながら、船を漕ぐ動作をします。これが鳥船行事です。


この鳥船というのが「天鳥船神」のことです。

これは禊の作法でもあります。


天空と地上を行き来する船を神様が漕ぐ。

この漕ぐ動作が禊の作法でもあります。


ですから、神社なんかで禊をする際には、この漕ぐ動作をイメージしながら、神様の船を漕ぐイメージをしながら禊をすると良いでしょう。


ビックリ大国主!


いよいよ国譲りの交渉です。


二回も失敗してますから、実質これが初めての国譲りと交渉です。


建御雷神は神聖な剣の息子です。


神々の世界では、神聖な剣にも子供がいたりするんですね。


建御雷神というのは非常に力強い名前です。

勇ましいとか、勇猛という様子が「建」という字です。

倭建命(やまとたけるのみこと)

倭の国の勇者という意味です。

それが「建」で非常に強いイメージの字です。

しかも剣の息子です。

かなり強いですよ!


建御雷神は稲佐浜に降りて行く時、十掬剣(とつかのつるぎ)を抜いて、その剣先に胡座を組みやって来るのです!


なんちゅうド派手な登場シーンか!


十掬剣は拳十個分の長さ、1メートル超える直刀ですよ!

普通はなかなか抜けませんよ。

これをサッと抜いて、逆さまにして剣先に胡座をかいて来るんです。


逆さまて事は握りが下、剣が胡座の下です。


その十掬剣を波の上に立てて剣先に座るんです!

派手ちゅうか…ムチャクチャか!


波の上ですから、ゆらゆら揺れてですね、一つ間違えたら肛門から人刺し!

ホラーですよ!ホラー!


明らさまなイリュージョン!


こんなもん見たらビビリますよ!


さすがの大国主神も度肝をぬかれたはず。

体も小さい大国主神、ここまで随分と色々やられちゃう感じで生きて来ましたから、そんなイリュージョンみたら「こりゃ本格的にヤバイ」とか思うでしょうね。


遂に来た!


建御雷神は波にプカプカ。

剣先に胡座をかいて腕組み。


ここで回りくどい事をやらずに、いきなりズドン!と言葉を発するのです。


「我々は、天照大御神と高御産巣日神の命により、次の事を問う為にやって来た」


こう口火を切って


「汝がウシハケる葦原中国は、我が御子のシラス国であると任命なさった。汝の考えはいかがなものか?」


来たー!


ここで来ました!


ウシハクとシラスです。


ウシハケるとはウシハクの進行形です。


ウシハクとシラスについてはこの拙著ブログで随分触れて来ましたね。

ウシハクとは「領有」すると言う意味です。

シラスとは「統治」です。


「あなたがウシハクしてる、その国は本来、天照大御神の御子が、シラス国だが、あなたはそれをどう思っているのか?」とズドン!と聞いたのですね。


シラスとは統治ですから、天照大御神の統治する、つまり領有していないという事です。

ウシハクは領有、これは持ち物という事で私物という事です。


統治とは広く見ているという事です。


これこそ日本の根っこです。


このシラスが現代へと続く「天皇統治」になる訳ですね。


どの国の憲法も、第1条というのは、その国の民族にとって最も重要な事を書いています。


日本国憲法第1条は「天皇は日本国の象徴であり、日本国民統合の象徴であって、この地位は主権の存する日本国民の総意に基づく」とあります。


大日本帝国憲法では「大日本帝国は、万世一系の天皇、これを統治す」とあります。


これは端的に言うならば、日本の統治は「天皇」の存在、「天皇」が存在するだけで国をまとめ上げて来たという事です。


例えばアメリカなどは、リーダーシップを発揮する大統領がまとめ上げています。


しかし、日本は違うのですね。


シラスとは「知らす」といいます。


これは広く見ているとか、広く事情を知るという事です。

つまり、世の中を広く広くお知りになり、そうすることで自然と国が束ねられる。


その御存在は尊く、有り難い。


天皇陛下や皇族方には我々の様な基本的人権などありません。


職業選択の自由。

言論表現の自由。

居住の自由。

裁判も起こせず、反論する自由もない。

殆どの自由もないのです。


しかも祭祀に公務と多忙です。


何の自由もなく過ごされています。


更に教育の自由もありませんね。


その人権の尊重すら無い状態で、私心を捨て一心に民の為に生きる。

その文化を作り上げて来たのは、我々民です。


天皇とは「血統」です。

成りたいと思い成るものではありません。

偉業を成そうと「天皇」にはなりません。


その「天皇」としての生き方を我々民が作り、お願いしているのです。


シラスとは決して「領有」せず、「あなたの為に」と生きることです。


例えば、前述の世代交代の話しも同じです。


日本の総理大臣は立場は「ウシハク」です。

このウシハクは交代します。

新しい総理大臣に変わったりしますね。


例えばアメリカ大統領も任期が来れば交代します。

交代し、退いた大統領が次の大統領や政権の批判などしません。


ところが日本はどうでしょう?


総理大臣も議員すらも辞めた金持ちのボンボンがシャシャリ出て来て国益を損ねます。


総理大臣はウシハクです。


辞めて尚、まだ口出しをする元総理大臣。


友愛が聞いて呆れます。


一度しっかりと古事記を読むべきです。

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