30
久しぶりの古事記です。
随分空いてしまいましたね。
前々回からの続きになります。
おさらいはこちらからどうぞ。
それでは始めます。
やっぱり見えてない?
この一連のお話しの流れをチョット良く考えてみますと、実は衝撃的事実が…
一連の流れを見ますと、地上世界を見る為に天上界から使者を送っていますね。
どうやら天上界、高天原からは地上界である葦原中国は見えてないみたいですよ!
これは衝撃的事実です!
そりゃそうでしょう?
昔からみんな言われたでしょ?
「神様が見てるぞ!」
そう教わりましたね。
例えば友人とか世間の人は自分を理解してない!とか考えても神様だけは絶対見てくれてる、とかみんな思ってませんでしたか?
しかし…
どうやら神様は地上世界のことが見えてないんです!
更にハッキリ言うと全然見えてません!
なんせ最初の遣いが丸っきり三年間も地上世界でヘイヘイヘイと媚びへつらっていることに気づいてないんですからね。
それで「アレ?どうしたんだろう…」となって今度は武器まで持たせた二番目の使者は、八年間もアホみたいに…いやいや、ポカ~ンと待ってた訳です。
何が起きたかも解ってません。
異変に気づいたのは矢が飛んで来たからです。
実際には矢が飛んで来てもよく解ってません。
だから「この矢は一体どんな事情で飛んで来たの?」となり「いやぁ、こりゃわからん」て話しになって偵察機を飛ばすのです。
その偵察機も行ったきりで帰ってきません。
矢が飛んで来て「うぎゃ~!」となる訳ですよ。
それで「邪心があるなら当たれ!」とか言って矢を放つ。
それが当たった事も、更にしばらくは死んだかどうかもわかりません。
それで泣き声が聞こえて、ようやく誰か死んだみたいだぞ!と。
つまりは…
神様はいつも私達を見ていてくれてる!
と、言うのは
嘘です!
これはショックですよ!
地上世界の国つ神は、地上世界に縁のある神様ですから、そう言う意味では我々が見えているかもしれません。
しかし高天原の、特に天照大御神からは地上世界は見えてないのですね。
矢が飛んで来た時に穴が空いた!と言う事ですから、地上世界と天上界には膜みたいな物があるみたいですよ。
雲とかではないようです。
穴が空いたわけですから、膜みたいな感じじゃないですかね。
地上世界を見ようと思うと天の浮橋てとこまで行くと「地上世界は騒がしい」ぐらいの様子はなんとなく解る。その程度で実はよく解らないのです。
泣き声は…
しかし地上界の声が天上界に届く事もある。
それが下照比売の泣く声です。
なんと泣き声は天上界に通ずるんです。
『古事記』では泣き声はよく聞こえてきます。
大国主神が泣いていると神様がやって来ましたね。
兎が泣いていると大国主神がやって来ました。
泣いていると神様がやって来るのです。
皆さんも悲しい事があったりしたら、思いっきり泣いて見ると良いかもしれませんよ。
普段神様になかなか通じなくても、泣くと通じてしまうかもわかりませんね。
泣いていると「どうしたんだい?」と神様が現われたりするんですね。
子育てとかも同じじゃないですかね?
子供はなんか気持ち悪いと泣きますね。
そうするとお母さんは「どうしたの?」て。
子供の泣き声は甲高くてどこにいても、お母さんに届きます。
泣き声てのは特別届きやすいのかもしれませんよ。
子供の泣き声はどんな雑踏でも聞こえたりしますね。
お母さんは母性本能でしょうか、我が子の泣き声はすぐにわかります。
子供が泣くのは生命維持には欠かせません。
泣いて知らせないと死んでしまいます。
だから泣き声は一番届きやすいのでは?
だから普段の話し声はあまり解らないけれど、泣き声は高天原に届くと。
天照大御神は女性の神様ですしね。




