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古事記です。


大国主の続きになります。


いよいよドラマは佳境へ向かいますよ。


では参りましょう!


とにかく恋多き神


ついに、須佐之男命の厳しいシゴキも終了して、須勢理毘売(すせりびひめ)を連れて、いよいよ国作りになります。


いや、しかし皆さん!


お忘れでしょうか?


兄貴である八十神に殺された原因である八上比売とも結婚してましたよ。


これは、これは、これは、いけません。


須勢理毘売を連れて帰ってきてしまいました。


連れて帰って来ちゃいましたから、八上比売は遠慮して、自分の子を木の俣に挟んで帰ってしまいました。

何で我が子を木の俣に挟んだんですかね?

よくわかりません。


で、挟まれた子は木俣神と呼ばれる様になりました。


そう呼ばれてもね…挟まれた方は迷惑です。


木俣神!とか由来聞かれても「いやぁ、母親に木の俣に挟まれまして…」

恥ずかしでしょ!


それだけではなく大国主神は八上比売、須勢理毘売がいるのに、まだ美しい娘を求めます。


高志国(こしのくに)沼河比売(ぬかわひめ)と言う美しい姫がいると聞いて出掛けます。

求婚に出掛けるのです。

まだ、会ってもいないのに求婚です。

神様はとにかく気が早い。


島根県から北陸へと出掛けるのです。

今と違ってインフラ整備などされてません。

険しい道を越えて、美しい姫がいる!というだけで旅に出ます。


その沼河比売の家に着きます。


ここで歌を詠む訳です。

こういうの、ミュージカルみたいな感じですね。


しかし、直ぐには会えません。

何故かというと板戸が開かないのですね。

それに島根から着いたばかりで、旅装束のまま、太刀の紐も解いてません。


「あの~そこにいますよね?沼河比売さんでしょ?」てな感じですね。


「私、大国主神と申しましてね。島根県から来ました。今着いたんですけど…今日はちょっと遅いですかね?」


大国主神の怪力と権力なら板戸ぐらい簡単にブチ破れそうですね。

ところが、この板戸は大王の力でもブチ破れないのです。


島根県から、険しい道を何日もかけて来たのです。


頭の中はとんでもない程、妄想が膨らんでいます。

そりゃ、物凄い美女像が出来上がっています。


しばらく振りの同窓会とかですね、コンパとかですね。

来る女性を勝手に妄想して物凄い美女像を描いたり…

だいたい、そんな期待はバッサリと裏切られるもんですがね。


しかし、板戸一枚向こうに美女がいるのです。


「ちょっと開けてもらえませんかねぇ」なんて

反応を待ってるうちに朝になって鳥が鳴き始めます。

朝になってしまいました。


これに対して沼河比売は板戸を開けずに歌を返すんですね。


大国主神は「とにかく会いたいのだけれども、薄い板戸は隔てるわ、集中して声を掛け様にも、とにかく鳥がうるさくて、駄まって欲しい」と歌います。


これに沼河比売は「まあまあ、そう仰らずに」と。自分を鳥に例えて詠みます。


「私はなよなよとした草の様な女です。入江の渚にいる様な鳥のような存在ですけれども。今は私の鳥ですけど、あなたの鳥になるんですから、命だけは助けてあげてね」


つまり、私はあなたのものになるんですから、私のものはあなたのもの。だから今はうるさいと仰るけれども、カーッとなって殺したりしないでね。


上手いですね。


大国主神は鼻息荒く来てます。


それを「落ち着いてください」と。

「また明日来てください、今日は夜遅い」と言います。


「明日の夜になったら、あなたは太陽の様な笑顔で私のところへやって来て、私の白い腕や淡雪の様な若々しい私の胸を触ったり、玉のような私の手を枕に眠ったりするでしょうから、そんなに焦らないで」


凄い歌を詠みますね。


この方は自分の美貌に気づいているんですね。


自信がなければ言えませんよ。


だいたい、この美貌が北陸から出雲まで噂が伝わるんですからね。

そりゃ、相当な美女ですぜ!


お父さん!嫁を見ない!見たらダメ!


どうせ明日は私を抱くのだから、今日は夜遅いし、また明日来てくださいね。

て、いう焦らし作戦ですね。


「会いに来たぞ」

「はい、どうぞ」


これでは「なんだ、こんなもんか」とかなりますね。

遠路遥々やって来て焦らし作戦にあうと逆に気持ちが盛り上がると。


盛り上がり過ぎて鼻息はフガフガー!

とか、なってますが「そ、そうか…じゃあ今日は一人で寝るとするか…」


そうする事で気持ちは盛り上がり更に縁は上手くいくという事ですかね。


次回へ続く…

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