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子供が欲しくて頑張ってたら聖女様に逆プロポーズされました

作者: さびたねこ

前の短編と同じ世界

聖女は性女で基本非処女


「私が貴方の子供を産んであげる、だから私と結婚しましょう?」

「えっと、あの、」

「あらぁ?駄目かしら?」


…いや、初対面ですよね俺達。




 ※  ※  ※



異世界転生した元日本人な俺は、前世で子供が出来なかったことが心残りで、今世では色々頑張っています。


まず、子供を育てるにはお金がかかるので15歳で成人してから今まで10年間冒険者として頑張って、王国議会の議席を一生分買ってもお釣りが沢山返ってくるくらいのお金を貯めました。

まあ、冒険者なので買えないし、かえたとしてもそんな無駄な買い物しませんけどね。


あ、今子供が欲しいなら安定した仕事に就くべきだろって思いました?


確かに安定した職に就くことも考えたんですが、残念ながらこの世界では平民が就くことが出来る職業で安定したものなんて殆ど在りませんし、数少ない安定した仕事もコネのある人と極一部のそれこそ天才と呼ぶべき人達がとっていくんです。

だからコネもないし、突出した才能も此といってない平民が就ける仕事何て日雇い労働やそれこそ冒険者みたいな危険なものしかないんです。


けれどもまあ、俺は一応転生者ですしこの世界の平均的な人よりは身体能力も高く、魔法などの適正もありましたし無理せず堅実にクエストをこなしてコツコツとお金を貯めました。

そう、貯めたんですよ。

何度も言います、いっぱいお金を貯めたんですよ!


 な の に ! !


「グスッ、恋人ができ"ませ"ん~~!!」


隣のテーブルの人がビクッとしましたが気にしません。

酒場にいた常連客達からまた彼奴か…、みたいな視線が寄越されてますが気にしません!


「何でですか"ぁ~~!?」


「何だぁ?またフラれたのかケインの奴?」

「みたいだな、今回は何日だ?」

「1週間」

「なら2週間以下にかけた俺の勝ちだな!」

「クソッ、また負けだよ。ケイン!お前ちったぁ彼女を引き止める努力しろよな!!」


「勝手に人で賭けしといて好き勝手言ってんじゃねーですよ!!わかりますか?わかりませんよねえ!?幼馴染みと結婚するなんて言う一部の男達の夢を叶えたあんたらに俺の気持ちなんて!!」


ドンッ、と飲んでたビールの小樽をテーブルに叩き付けたらまた隣のテーブルの人がまたビクッとしました。

何でしょう?此のくらいでビックリするなんて俺以上に冒険者に向いてませんねこの人!!


「おいおい、元気出せって!」

「そうそう、お前の歴代彼女より良い女なんて腐るほどいるぞ!」


「うっせぇ!妻子持ちの勝ち組は黙ってて下さい!!!」


「「ブハハハハハハ」」



本当にこの世は理不尽で出来てます!!

何でこの人達が結婚できて俺が出来ないんですか?

俺此でもAランク冒険者ですよ?ねえ酷くないですか?あの人達Cランクですよ?いや、Cランクでも充分優秀な冒険者ですけどね?俺上から2番目のランクですよ?

ねえ何で??


世の中理不尽過ぎじゃありません???




「ああ~もう、女性は安定を求める何て言ったの誰ですかぁ………」



・・・本当、世の中理不尽です。



何で、俺には家族がいないんでしょう。

前世(まえ)今世(いま)も俺は独りです。



「ねえ、貴方?」

「っん、はい?」

「前の席に座っても?」

「…どうぞ?」


アンニュイな気分でビールを煽っていたら隣のテーブルの人から話しかけられました。

…女性だったんですね。というか凄い美人です。

一瞬逆ナンかな?と思った自分が恥ずかしいです…こんな美人さんが俺なんかと付き合ってくれるはずないですもんね…ハハ


「何だかさっきから荒れてるようね?」

「あはは…、すみません」

「いいえ?…でも不思議ねえ」

「何がですか?」

「だって、貴方『温厚篤実のケイン』でしょう?」

「はは、まあ、そう呼ばれることもありますね…」


『温厚篤実』


其れが、俺につけられた2つ名です。

心が温かく穏やかで、誠実な性格のことらしいのですが正直俺には似合わないと思います。

俺はただ、優柔不断で偽善者なだけですから。

でも、前に酒場のマスターにそう言ったらとても優しい顔で頭を撫でられました。


「Aランク冒険者で、しかも穏やかで誠実だなんて女にはモテそうなものよねぇ?」

「全然ですよ、今日も彼女にフラれてしまいました」

「あら、なんでかしらね?」


何で、か。

そんなの、


「、俺ががっつきすぎたんだと思います」

「何で?」

「何がですか?」

「うん?だから、何でがっついてしまったのかしら?」

「…ああ。やっぱり貴女、この辺に来たばかりじゃないですか?」

「あらぁ、よくわかったわね?」


分かりますよ。だって俺が女性とすぐ別れる理由何てこの町の人なら皆知ってますもん。




 ※  ※  ※




俺は前世で孤児院で育ちました。

協会の前に捨てられていたそうです。なので両親なんて知りません。

孤児院の大人達は優しくていい人達でしたが、やっぱり何処かで自分は独りだ、そう感じていました。

俺は、家族が欲しかったんです。だから子供が欲しかった、其れこそ記憶を残したまま転生してしまうほどに。


でも、今世でも俺に家族はいませんでした。

俺は、この町の孤児院で育ちました。今世でも俺は教会の前に捨てられていたそうです。


寂しくて淋しくて、悲しくて、やっぱり俺は独りなんだなと、そう思っています。ずっと。


でも、やっぱり家族が欲しいから、子供が欲しいんです。


俺が女性だったら、適当に何処かで種をもらって子供を産んでも良いんですけど、俺は男なので、女性に産んでもらうしかないんです。


だから、女性は大切に大事に、大事にします。

俺の家族をつくるための大事な胎だから。

自分で言っといて何ですが、最低でしょう?

そういう後ろめたさもあって、基本的に彼女のいうことはできる範囲で叶えてあげます。

でもそうしていると、皆言い出すんです。別れようって。


『このままじゃ、私は駄目になるし、貴方も私じゃ駄目みたいだから』


おんなじような言葉をいったい何人から聞いたか覚えていません。

俺には何がどう駄目だったのか分からないんですけど、何故か周りの皆さんの方が分かってる、見たいな感じで慰めてくるんです。


でも、誰も何が悪いのか教えてくれないから、直しようがないんです。



すみません、長々と愚痴を吐いてしまって」



今日は、ちょっと飲み過ぎたみたいです。

初対面の女性に愚痴を聞かせてしまう何て…


「大丈夫よ?其にしても貴方は子供がほしいのよね?」

「ええ、」

「子供だけ?奥さんはどうかしら?結婚願望はないの?」


結婚願望?

う~ん…いままであんまり考えたことはないけど、でも、


「結婚も出来ればしたいですね~……」

「ならすれば良いじゃない?」

「俺なんかと結婚してくれる人いませんよ」

「あらぁ?いるわよ?」


何処に?


「此・処・に」

「へっ?」

「貴方が子供を望むなら、私が貴方の子供を産んであげる、だから私と結婚しましょう?」

「えっと、あの、」

「あらぁ?駄目かしら?」

「…いや、初対面ですよね俺達。」


さすがに初対面の人と結婚がどうだこうだ言うのはちょっと…


「あらぁ、やっぱり私の事覚えてなかったのねぇ?」

「え?」

「半年間一緒に過ごしたの忘れました?」


半年間……?

っあ!いや、でも、まさかそんなはず…?

でも、予想が正しければあの人しか……


「えっ?でも、そんな、こんなところにいるはずありませんよ、ね?」

「ふふふ、思い出して下しましたかぁ?

改めまして、自己紹介


元・水鏡の聖女 シャーリーン


ケイン様を追いかけて来てしまいました」


あいえぇぇぇ!?!?何で?何でいるの聖女様!


「聖女様!?教会はどうしたんですか!?」

「元、聖女ですよ?後輩に譲ってきましたから大丈夫です」

「いや、譲ってきたってそんな、軽く言うことじゃありませんよね?教会からの発表もまだですし…?」

「気にしなくて大丈夫ですよぉ?私は貴方の奥さんになるんですからねぇ」


混乱していた俺は、ささっどうぞどうぞと口に押し付けられた小樽の中の酒しかも度数の高い酒を飲んでしまい、彼女の部屋に連れ込まれ……


「大丈夫ですよぉ?気持ちいい事いっぱいしましょうねぇ……、あ・な・た?」

「っひ、い、ぃやああああぁぁぁぁぁ…………」




まあ、はい、・・・家族が出来たとだけ言っておきます…。


ケインは童貞だけど聖女はビッチ

むしろ聖女はケインのストーカー

町の皆は二人を応援しています。


因みに、ケインはがちで金持ちです。全然お金使わないので。

いままで、彼女と長続きしなかったのもホイホイと高過ぎるプレゼントを買ってくるせい。


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