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青春という名のものは  作者: Zeita
2/2

決意

「それで、話ってなんだよ」


「学校生活は、どう?」


「はい?今なんて?」


驚いたわざわざ海外から日本に帰ってきてする話ではないだろうと思った。


「だから、学校生活はどうなの?って聞いたの!」


「何をいまさら、16年間の中で学校の話なんて全くしてこなかっただろ」


そう思い返してみれば、16年間生きてきて家で学校の話をした記憶がなかったのだ。


「いいから答えなさい」


「なんで急に」


「いいから」


何を言っても答えさせようとするので、これ以上何を言っても無駄だと思い、答えることにした。


「別に普通だけど」


「もっと具体的に」


正直めんどくさいと思った、そもそも、夜遅くに人が寝ようとしてる時にいきなり帰ってきてなんの話をするのかと思ったら、

学校生活がどうだ?ふざけるのも大概にしろ。

こんな時間に話すことでもないだろうが。

早く寝たいからここは適当なこと言って終わらせて早く寝ようと思った。


「だから、普通!ノーマル!!!」


「そろそろ、寝たいから明日にしてくれないか」


「もう寝るぞ」


「学校うまくいってないんじゃないの?」


確かに上手くいっていないって言えばうまくいっていない。

だが、学業の面に関してて言えばそんなことはない、成績は学年で3位で、

運動も出来ないというよりかはできる部類に入っていると思っている。

実際に体育の成績は5段階中5である。

実際困っているのは学業ではなく、人間関係の面だと思う。

思うというよりも、実際にうまくいっていないところである。


「普通だよ、じゃあ逆に聞くけどうまくいってないことがあると思うか?」


「人間関係」


あっさりと言われてしまった。こうもあっさりと言われてしまうとはあまり思っていなかったので

少し驚いた。


「あんた、小さいころから習い事とか塾ばっかりだったから、あんまり友達とかと遊んだりとかできなかったよね」


「それで、人と話すことかどう接したらいいのかとかわからないんじゃないかと思って」


「人とはちゃんと話せる」


小さい時から習い事とか塾ばっかりでもコミュニケーション能力が身につかないわけではない、

そこでの先生などとコミュニケーションをとるから、むしろ上がるとは思う。

かといって友達とこういう時にこう接したらよい、などといったことは知ることはできないと思う。

なぜなら、先生と生徒は決して友達という関係ではないからだ。

先生と生徒、それ以上、それ以下の関係ではない。中には例外もあるが。


「じゃあ、友達はいるのか?」


「・・・・・・・・・・」


言葉に詰まった、友達はがいないことは事実だった。

かといって、「友達いないんだ」とか言ってらめんどくさいことになる。

だが、なるべく嘘はつきたくない。

なぜなら、うちの母は嘘が大嫌いだからだ、嘘と知られた時には確実に叱られる。

うちの母は怒ると面倒だし、ちょっぴり怖い。

だからなるべく怒らせたくない。

悩んだ末、正直に友達がいないことを話すことにした。


「い、いません」


「はぁ、、やっぱりいないのか」


「は、はい」


「じゃあ、聞いて」


なにを話すんだ?説教か?それとも友達を作る方法とかか?

少しドキドキしながら身構えていた。


「明日までに、友達を一人でいいから作りなさい」


「は、はい?」


何を言ってるんだ、この人。

16年間生きてきてまともに友達がいたことがなかった男にいきなり明日までに友達を作れだって。

何を考えているの全く理解できなかった。

もしかしたら、ワンチャン友達が作れるとでも思っているのか?


「友達を作れなかったら、家に入れないから」


「はい?」


「しばらく、ここに住むから」


「家に入れないってどういうことですか?」


「しばらく、ここに住むから、明日までに友達作って家に連れてきなさい、じゃないと家に入れないからね」


「つまり、家に帰ってくる時は、友達を家に連れて帰ってきなさいということですか?」


「まぁ、そういうことね」


絶対に無理だ、いきなり明日までに友達を作れと言われて、はい分かりましたと言ってポンと作れるほど簡単ではない。

なぜなら、今まで友達という存在がいた覚えがない、というよりもいなかった。

そんな、俺には友達を作るだけでも至難の業なのにもかかわらず、友達を家に連れてこい。

無理な話だここは無理ですとはっきり言って、許してもらおうと思った。


「すみません無理です」


「やらないと殺す」


「は、はい」


母の言葉に殺気を感じた、それもとてつもなく。

これは従うしか選択肢がないと思い、従うことにした。


「はい、わかりました」


「よろしい」


「もう夜遅いから、もう寝なさい」


やっと解放された、明日はうまくごまかして、明日を乗り越えられないかと考えた。


「さっき、言ったことわかってるよな?」


「はい」


またしても母の言葉に殺気を感じた、それもとてつもなく。

俺はその時決意した、明日なんとしてでも友達を作ると。




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