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ぼくの詩集

いろんなひとたち

作者: 桜井あんじ

いろんなひとがいます

ぼくのまわりには


ぼくもその

いろんなひとのなかの ひとりです


いろんなひとがいます

たくさん

そうして そのひとたちは 皆

他人です


他人でないのは

このぼく自身 だけです

家族だとか友人だとか恋人だとか

そういうことじゃなくて

ぼくにとって ぼく以外のひとは

やっぱり 他人なのです


いろんなひとたちは

ときどきぼくを

うんざりさせます


ぼくとあなたとの 温度の差

感じられずに

いろんな贈り物を おしつけてくる ひとたち

自己満足の 贈り物を


ぼくの場所 あなたの場所

りかいできずに

ずかずかとはいりこみ

ぼくの世界を 荒らしてゆく


ぼくとあなたの 境界線

気にせずに

くちゃくちゃと踏み消して

曖昧にしようとする

ぼくはとても 居心地がわるい


ああぼくは ほんとうに うんざり

あなた方は ぼくから

いろいろなものを うばってゆきます

得意満面の笑顔で


ぼくはあなたに なにも求めません

だから あなたも 

ぼくになにも 求めないでください

たずねてもいない質問の答えを

教えてくれようとしないで


ぼくにはぼくの

決まりごとがあるのです

ぼくにはぼくの

正義があるのです

ぼくにはぼくの

道理があるのです

ぼくにはぼくの

信ずるものがあるのです

だけど あなたにそれを

話したくもないのです


自分がされたらいやなこと

ひとにしない

こどものころに そう おしえられたけど

ぼくがされたらいやなこと よろこぶひともいる

ぼくがされてうれしいこと いやがるひともいる

ひとは おもうよりずっと いろいろだって

このごろになって しりました


よのなかは ふくざつで

いろんなひとたち たくさんいすぎて

こたえなんかなくて

かならずうまくいく 必殺技もなくて

ぼくはときどき めまいがします

足元すら おぼつかず 

ふらふらあるいていくしか ないことも


そんなとき ぼくは

だれの顔をみるのも いやになり

ひとり ぼくだけの世界に閉じこもり

ほっと一息つくのです

安全で 安心なのです

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