表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

掌編小説集4 (151話~200話)

帰省

作者: 蹴沢缶九郎

休み時間、小学三年になるけんじは、友人のたかしと夏休みの予定を話していた。


「今度の夏休み、お父さんの故郷に行くんだ…」


そう話すけんじの表情は何故か浮かない。まるで行きたくないといった様子である。たかしが言った。


「へえ、そうなんだ。でもなんか楽しみじゃなさそうだね」


「楽しみなわけないよ」


「そうなの? 故郷に行くなんて羨ましいのにな。山で虫を捕まえたり、川や海で泳いだり…」


「それは理想で、隣の芝生は青く見えるってやつさ」


「難しい言葉知ってるんだね。なんだかよくわからないけど、そういうものなのかな…」


「そういうものだよ…」


と、けんじは深いため息をついた。


南極が日本の領土となって百年余が経った現在、父の故郷である南極に、寒さの苦手なけんじはどうしても行きたくないのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] けんじくん、そんな悩みを抱えていたんですね(笑) オチが想像を越えていました(゜ロ゜;ノ)ノ 蹴沢缶九郎さんのアイデアはいつも面白いです(^^)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ