燃える男
初めての戦闘回です
ファンタスティック・フォーを思い出す。たしかあれはスノーボードに乗っていたら突然発火して自分の力に気づいたんだっけ。
炎を纏う、あるいは炎で戦う敵あるいは味方ってとても多いと思う。ファンタスティック・フォーもそうだ。他に一昔前まで流行っていたライトノベルなんかでよく見たきがする。
現代では死語となったが……それは中二病という言葉で片付けられてしまうだろう。中二病という概念はとても難しく、現在一部の研究者が解析しているが、そんな調べる程か。と思ってしまう。もし偉大な研究結果が出たとしても、世間は「ふーん」と言って済ませてしまうかもしれない。まあ結局中二病なんてはたから見たら「くだらない」のだか、。。
そして今、もしオレが今中学二年生なら喜びを隠すことが出来なさそうなモノがオレの10m先にいた。
「さあ、出てきて私と戦え!!私を楽しませろ!!」
彼は燃えていた。なんだこの天然中二病見たいなの。俺は思った。こんな感じで戦いを楽しむ人ってライトノベルやゲーム、マンガぐらいでしか見たことがないと思う。
あまり、僕の中学二年生の思い出は思い出したくない。恥ずかしくて死んでしまうかも知れない。
「さて、どうしようか」
敵は炎使い、距離感は10m。
まあ、とりあえず、銃弾でも撃ち込んで見ることにした。今日のパーティーの道具の一つ目は「デザートイーグル」だ。オートマチックの拳銃だが、マグナムが撃てる優れモノ。
まあ、デザートイーグルの上位互換みたいな拳銃なんて腐る程あるのだけれど。
僕の右腕は銃弾を撃ち出すことが出来るが、オレはこの状況を楽しみたかった。だからデザートイーグルを選んだのかもしれない。最もこれを用意したのはハロルドだが。
通常この銃は衝撃が強いため、筋肉モリモリの人間が使うことが多い。けれどオレには右腕がある。これを使えば照準がズレることもない。
もし1発で終わってしまったらつまらない。頭は狙わずに体の中心に照準を合わせて引き金を引いた。
「チッ」
弾丸は綺麗に外れた。しかし、それも無理はない、暗い夜の中で 光っている光の塊を狙って撃っているのだから。眩しくて目が痛い。
「デザートイーグル……」
彼は音と弾丸の速さで銃の種類がわかったらしい。
「1発当たれば体の一部が吹っ飛ぶあるいは最悪死ぬだろうな」
大きく深呼吸した後彼は大声を上げた。
「我が名はレイドン!コソコソ銃なんて使わずに拳で戦ったらどうだ!」
挑発か、ただのバカか。敵はデザートイーグルを見抜いたあたりから察するに戦闘のプロだろう。
なら挑発に乗るのは得策では無い。ここで、もう少し様子を見ることにした。
「そちらから、来ないというのならこちらから攻撃させていただこう。」
レイドンはしゃがんで石ころを拾った。それはあら不思議ーー燃え上がった。
「せーのっ!」
レイドンはそれを投げたーー
ーー僕の隠れている岩が破壊された。
銃弾程の速さじゃないが、炎と 石ころの大きさで単純な威力ではそんじょそこらの銃の威力を超えていた。
そんなことよりも、バレていたのかーー
まさか弾道を見たのか?そんな動体視力人間じゃない。それとも音?
「チッ」
僕は舌打ちして立ち上がった。
「やっと姿を表したか」
レイドンは既に腕いっぱいの石を持っていた。オレは隠れていてはいつか当たる、だったら避けるあるいは右腕で弾いた方が合理的だと思った。
「よーい、どん」
オレは崖から飛び降りる。そのまままっすぐレイドンに向かって走った。
もし、レイドンが戦闘のプロだとするならば一手を読んで石を投げてくるだろう。ならオレは二手先を読めばいい。
1発目、正面だ。これを左右に避ければ2発、3発目が当たる。それを予想して投げてきている。
だからオレはーー
金属音が鳴った。右腕と石の音だ。
「避けないだと?」
僕は笑った。レイドンまで2m地点、そこで方向転換、左に思いきり走りながら腰からグレネードを取り出し、研究所の屋根めがけて投げた。
「どこに投げている。」
数秒後雨が降った。
破壊したのは屋根ではないーー
ーー貯水タンクだ。
炎タイプの弱点は水タイプだ。
「水か…」
レイドンの火は1度消えたーー
「残念」
再びレイドンの体は燃え上がった。足元に水たまりがあるにも関わらず。
「俺は消える炎じゃない。消えることののない炎なのだ!!」
再び投げる体制に入るーー止まった。
レイドンはその手を止めた。なぜなら敵が声を上げて笑っていたからだ。
「気でも狂ったか!!」
「いいや、あまりにもおかしくてさ、さっきオレが考えたことのとおりに動いてくれてるんだもん。」
「なんだと…?」
オレは手をバチバチと放電させる。
「まさか!?」
「おそい」
オレは最大出力で小さな稲妻を水に流したーーー
お読みいただきありがとうございます!!
レイドンって名前センスないなーって自分で思います。
次回衝撃の展開かも!?