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目覚め

やっと2話目です。今回はあまりお話が進みません。


これで現地まで直通だ。元気よく、ニコニコしながらそう言われて指を指している方向を見ると世にも奇妙な物体があった。色は白で形は長方形に半球をくっつけたように出来ていた。


それには羽も、車輪もプロペラもなかった。あるのはいかにも火を吹きそうな穴。


「そうさ、これがこの降下装置のエンジンさ」


いやいや、こんなものターミネーターでもない限り無理だって。てっきり羽があって風に乗るものだと思っていたが…


「君は半分ターミネーターみたいじゃないか」


そう言われると反論できない、オレの腕は高性能な義手なのだから。


「だいたい風に乗るって言ったってここから現地まで200kmあるよ」


はぁ?思わず声が出る。てっきり既に現地の上空付近にいると思っていたが。よく考えてみればそんなことを誰も言っていなかった。まあ、状況を受け止めるのはオレの取り柄。諦めて乗り込むことにした。


「武器とか必要なものはその中に入っているから。」


中は辺り一面に機械が敷き詰められていた。係員曰く、教える時間はないからマニュアルを見て欲しいらしい。なんて無責任な、とため息をつく。


係員からチュートリアル的に基本的なものの使い方を教わった。機械は得意ではないのだが、言われた通りにスイッチを押すと、真っ暗だった中は急に明るくなる。単にライトがついたわけではない。360度周りの景色が見えるのだ。まるで外と中の白い隔たりが透明になったような。係員曰く360度カメラの成せる技らしい。


「僕が作ったんだ」


ドヤ顔だった。


ゆっくりとハッチが閉まる。耳元から声が聞こえた。無線のテストはオーケーらしい。


「君の名前を教えて欲しい」

「僕のかい?僕はハロルドさよろしくね。君は?」


回答に困る。薪田信也は死んだ。そういえば新しい名前なんて決めてなかったな。と思った。


「名前は……まだない」


ハロルドに笑われた。それも盛大に


「悪い悪い、まだ決まってないなんてねぇ。じゃあこの作戦が終わったら決めようよ。」

「ああ。ありがとう。」


ハロルドからの合図で僕の乗りこんだ白く奇妙な物体は火を吐き出しながら空へ飛び出した。








重いまぶたを開けるとそこは見知らぬ天井があった。ここが自宅出ないことに僕は理解するのに少し時間がかかった。


ゆっくりと体を起こす。僕は左には点滴の管があり、さらに奥にはテーブルがあった。そこには赤い花が花瓶の中に入れられていた。僕はここが病室だと理解した。


右腕に違和感があった。左腕ははっきりとベットを触っている感覚があるが、右腕にはなかった。

気になって右腕を見るーー黒かった。


僕の右腕は黒々としていた。黒い腕は筋肉の形をかたどっており、毛や血管はないもののリアルに肉の質感を表していた。本物の腕とは似ても似つかなく、それは色の問題ではあるが、ところどころ不自然な線があった。

左手でで軽く叩くーー金属音がした。


「やあ」


右耳からそれは聞こえた。見るとそこには僕に多額の保険料を告げ、僕にあのボタンを押させた彼女だった。カーデガンを羽織り、下はスカートであの日に会った時とは違う雰囲気を出していた。調子などを聞かれながら彼女は僕の寝ているベットに近づく。


「結構治ってきたわね」


彼女は僕の左腕をムニムニと触った。少しくすぐったいという気持ちと、女性に体を触られることのなんとも言えぬ恥ずかしさがあった。


「まあ、左腕にガラスが刺さった程度だしね」


少し間を開けてから


「あ、右腕もか」


僕は右腕とは言い難い黒い金属を見た。


「これは?」

「それを話す前に先にまずはこれについて話さなきゃね」


彼女はカーデガンのポケットから1つの透明な箱を取り出し机の上に置いた。中身はーー虫だった。

蜘蛛のように手足の数が多いが、蜘蛛ではなかった。なぜなら羽がついていたからだ。


寄生虫らしい。名前は「hkm3」科学者達によって致死率100%の人を殺すためだけに作られたらしい。科学者達はなぜこれを?それが僕の腕と関係が?


「hmk3は人口を減らすために作られた生物兵器よ。」


生物兵器?なぜ人口を減らそうなんて……

その問に彼女はすぐに答えた。


「いらない人間を処分するためよ。大体理解してきたかしら」


僕はそれを聞いて理解した。優秀な人材の遺伝子を厳選するためだ。言い換えればいらない人材は捨てる。能力のない遺伝子は受け継がせる価値がないと判断したんだろう。


「ご名答、そのおり。実際今は人口が一億人いるし、少し減った程度じゃ経済に支障は出ない。むしろ減った方が利益は多い」


しかし…

彼女は唇を噛む。それに僕は口を開いた。


「気に入らない?」

「ああ」


僕はその寄生虫が右腕に寄生していたから右腕を吹き飛ばしたということか。


「うん、そうだね。もし吹き飛ばしていなかったら今頃死んでいたよ」


彼女によると僕は世界で最初に寄生された人間で僕から感染が広がる予定だったらしい。

しかしそのプランは僕がボタンを押したことによって止められた。


「で、その腕なんだが…」


彼女はスマートフォンを取り出して操作した。すると右腕は青い光を数秒発した。


「今起動したから動かせる筈だよ」


重さや感覚はない、しかし黒い腕は動いた。違和感はない。まるで本当の腕のようだ。


「義手についてはマニュアルを置いておくから読んでおくようにね」


では本題に入る。と、部屋の恥にあった椅子に座った。


「君にこのレジスタンスとして働いて貰いたんだ。しかも簡単じゃない。死と隣合わせの仕事だ。」

「断ったら?」

「君から右腕を取る」


僕は鼻で笑った。僕は今まで世の中の理不尽や不条理を体で感じてきた。それは生活が束縛され、つまらない人生だった。僕が生まれ変わった理由なんて2つ楽しい人生にしたかったから、それとこの腐りきった世界をぶっ壊すという意思だ。だったら答えは決まっていた。


「やるさ、喜んでね」


彼女は笑った。


「いいねぇ!!君なら言ってくれると思っていたよ!」




















お読みいただきありがとうございます!!

今回は腕についてのお話でしたね。果たしてこの右腕はどう活躍するのか続きが早く書きたいですね。

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