表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
きみのとなり  作者: Ruco
8/50

8,北島くんとの放課後

北島くんはすごく分かりやすく数学を教えてくれた。

ただ教えてもらうのは申し訳なかったから、鞄に入っていたお菓子の袋を取り出した。


「北島くん甘いもの大丈夫?これ新発売のだからまだ食べたこと無いんだけど一緒に食べよ?」


「甘いの好きだよー、オレもこれ気になってたんだ」


良かった、すごく嬉しそうにしてる。


袋を開けるとチョコレートの甘い匂いが広がった。1つ取って食べるとものすごく美味しい。


「すごい美味しい!はい、どーぞ」


北島くんに袋を渡し、再び数学をやろうとしたが、とてつもない睡魔に襲われた。


「ヤバい…眠くなってきちゃった…」


「…大丈夫?(笑)」


「ごめん、少し仮眠とる…お菓子食べて良いからね、先に帰っちゃっても良い…し……」


私はここで力尽きて寝てしまった。


それからどれくらい経ったのかな…

誰かに起こされてハッと目が覚めた。


「…い、おい藤崎」



「え…あれ……小鳥遊?」


目の前には北島くんではなく小鳥遊がいた。そっか…委員会終わったんだ。

それより、北島くんは…?


視線を机の上にやると、小さな紙にメッセージが残されていた。


『ごめん、友達に呼ばれたから先に帰ります。起こそうと思ったけど悪いと思ってそのままにしてた』


あ、先に帰っちゃったんだ…。

起こしてくれて良かったのに。


時計を見ると18時を過ぎていた。

確か寝始めたのが17時頃だったから、1時間寝たことになる。


「そーいえば日比野と一緒じゃなかったのか?」


まだ少しボーッとしてて、小鳥遊に返事をするまで時間がかかる。


「あ…えっとね…麻衣ちゃん、早く家に帰らなきゃいけなくなって1人で勉強しようと思ってたら…北島くんが数学教えてくれて……でも私途中で寝ちゃって…北島くん先に帰っちゃった」


小鳥遊が怪訝そうな表情をしている。

居眠りしたから呆れたのかな…。


「…何で男と2人きりなのに寝れんだよ」


「え…」


「少しは警戒しろよ!」


警戒…って?北島くんが私のこと襲うとでも思ってんの?そんなわけないじゃん。何言ってんの小鳥遊。


「北島くんはそんな人じゃないよ」


つい、むきになってしまった。

小鳥遊はただ心配してくれただけかもしれないのに、北島くんばかり庇うような言い方しちゃった…。


小鳥遊が舌打ちをして、私の腕をつかんだ。


「え、なに…」


「覚えとけ、男は状況次第で変わるんだよ。特にお前は隙が多いんだから」


小鳥遊…どうしたの?

状況次第で変わるとか隙が多いとか。

さっきからずっとムッとしてるし。


「ねぇ…何怒ってんの?」


「…怒ってねーよ」


怒ってないわけない…。こんな顔してる小鳥遊初めて見た。

小鳥遊はつかんでいた私の腕をパッと離して顔を伏せた。


「…怒ってねーけど、イライラすんだよ」


「何…で…?」


どうしたの小鳥遊…。さっきからおかしいよ。

小鳥遊の目はすごく冷たかった。


「…お前の顔見るとイライラする」


「…え……小鳥遊…」


そんな風に思ってたの…?

小鳥遊はそれ以上何も言わずに教室を出て行った。



私は身体中の力が抜け、その場から動くことができなかった。



次回もお楽しみに(^o^)/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ