7,麻衣ちゃんの恋
こんにちは(^^)
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高総体が終わると2週間後には定期考査がある。
「数学ヤバ…1もAもさっぱり……」
「オレこのままだと赤点だ…」
私と小鳥遊が机に突っ伏してため息をつく。
何でだろ、中学校の数学はまだ出来てたのに…。
いっそ数学捨てて古典に賭けようかな。いや、それは中学校の時にやって失敗したからダメだ。
「雅ちゃん、私少しなら教えられるよ?放課後一緒にやろうよ」
えっ、本当に!?
麻衣ちゃんが一緒だと心強い。
今日から部活もないから麻衣ちゃんにたくさん教えて貰おー。
「うん、よろしくー!」
「小鳥遊くんも一緒にやる?」
麻衣ちゃんがニコニコしながら小鳥遊の方を向いた。
麻衣ちゃん、こんな笑いかたもするんだ…。
こんな可愛い笑顔で誘われて断る男なんていないでしょ。
「オレ今日の放課後委員会あるから無理だな」
うわ、断ったよこの男。
結局2人だけで放課後残ることにした。
そして麻衣ちゃんとお昼を食べているときに、さっきから気になっていたことを言った。
「まさか麻衣ちゃんが小鳥遊のこと好きだとは思わなかったよー(笑)」
今まで言わなかったけど、小鳥遊の前だと笑いかたが少し違うんだよ。
麻衣ちゃんの表情がみるみるうちに変わっていき、ちょっと怒っている。
あ、言っちゃマズかったかな。
「何言ってるの雅ちゃん…私の好きな人は…別にいるもん」
え、違うの!?
ていうか誰だろ、好きな人って。
「好きな人…誰なの?」
麻衣ちゃんの顔が真っ赤になった。
「…遼くん……」
え、遼くんって男バドの清水遼太くんのことだよね。
確かに今思えば2人で仲良さそうに話してるの何回か見たかも。
「遼くんとは小学校も中学校も同じだったの…小鳥遊くんも、このこと知ってて…」
へぇ、小鳥遊も…。
「…どこが好きなの?」
清水くんってツンとしてるイメージしかないなあ。意外と天然って聞いたことあるけど…。
「…さりげなく優しいところ…かな///」
すごく恥ずかしかったのか、麻衣ちゃんが教科書で顔を隠した。
清水くんって普段部員にいたずらばっかりしてるけど、本当は優しいんだ。
「遼くんはいつもツンとしてるけど、人一倍正義感が強いし、ド天然だし、けっこう子供っぽいところもあるんだよ…」
いいなあ、しっかり恋しちゃってんじゃん。
授業が終わり、勉強する準備をしていると、麻衣ちゃんが慌てて駆け寄ってきた。
「どうしたの?そんなに慌てて」
「雅ちゃんごめんっ、妹が熱出してすぐ帰らなきゃいけなくなっちゃった」
「え、大丈夫?私はいいから早く行ってあげなよ!」
麻衣ちゃんは「ごめんね」と言いながら急いで帰って行った。
……とは言ったものの、どうしよう。
家に帰っても寝ちゃうだけだから少し残っていこうかな。
一人で教室に残って数学を勉強しようとしたが、なかなかやる気が出ない。
ああ、誰か私にやる気を出させて…。
その時、隣のクラスの北島くんが教室に入ってきた。
北島くんもバド部に入っていて、1年のバド部で一番頭が良いっていう噂。
「あれ、藤崎じゃん。残って数学?(笑)」
もちろん私と小鳥遊の数学事情も知っている。
「うん…やろうかなって思ったんだけど、やる気出なくて」
「じゃあオレが教えるよ」
北島くんが私と向き合うように麻衣ちゃんの椅子に座った。
「え、悪いよ!」
「…赤点取りたいの?(笑)」
「う……よろしくお願いします」
こうして急遽2人で数学をやることになったのです。
次回もお楽しみに(^o^)/